めいすいの写真日記

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薬師丸ひろ子主演 映画「Wの悲劇」

2021-04-14 | 映画

                          NHK BS プレミアム・シアター 2021/4/11

  薬師丸ひろ子主演、劇団研究生の静香は、次回公演「Wの悲劇」のオーディションにのぞむが、ライバルのかおりがヒロインに抜てきされてしまう。そんななか、劇団の大女優にスキャンダルが発生。静香は、その身代わりとなるかわりにヒロインの座を手に入れるが・・・。
   
監督・脚本 澤井信一郎
 原作   夏樹静子
 音楽   久石 譲  
 出演   薬師丸ひろ子 ・・・ 三田静香
      世良公則     ・・・    森口昭夫
      三田佳子      ・・・        羽鳥翔
              三田村邦彦    ・・・   五代淳
      高木美保      ・・・       和辻摩子

 製作   角川春樹   1984

【 ストーリー1】 舞台を演じる女優の成長と元劇団員の男性との恋を描いた青春映画の観点から

 野外ステージのある公演で森口は,初めて静香に出会い一目ぼれする。

 静香の住居

森口は静香に自己紹介をしながら一緒に歩く。

ヒロイン(和辻摩子)はライバルのかおりに決まり、静香は端役となる。花束を持ち、静香の帰り待っていた森口に渡された花束を体に叩きつけるが・・・思い直して飲みに行く。


 オーディションに落ちた静香は、「私ってブス?}と問いかけるが森口は「特別な美人ではない」「そんなことは家に鏡あるから知っているわ」、「でもチャーミングだから好き」、「じゃ個性的?」「演技派という手がある」とのやりとりがある。静香は「昭夫なんとかしてくれっ」と静香は泣きじゃくる。
 さらに森口は友達が小さな劇団にいてその親友でライバルだった男がオートバイで事故ってしまい救急車で病院に運ばれた、共に小さな楽団にいたが、親友は注目をされ始めテレビや映画に出演依頼が来始めていた。親友が訪れた時、花に囲まれて元気そうで、届け物が多くバックにぎゅう詰めにされて持って帰った。次に訪れた時はもっと大きなバックを持って来るようにいわれたが、その時は鼻に管通されて痛々しく数時間後には命を落とした。病室も外に出て暫くすると片付けられてしまい、その友達は役者を辞めた。という話をする。
 静香と森口の二人のシーンはここは見せ場でもある。

そのあとの一夜を森口のアパートで明かした静香は立ち去っていく。

 森口は舞台稽古中の静香に、弁当とお茶を届けるが弁当を受け取ると中に入ってしまう、車に乗せて帰ろうとすると、五代の車に方に走って行ってしまう。森口は五代(三田村邦彦)に、お前は妻子持ちなんだろうというと、私は独身と応え。森口は殴り合いの喧嘩をしようとするが五代はその場から立去ってしまう。

  コインランドリーで浴衣姿の静香は森口と出会う。この日稽古で、五代に対しブロンプしなくてもよい場面でしてしまい叱られた。彼の役に立ちたいという気持ちがあるためだったからと森口に告げる。静香は初体験の五代が好きというので、森口は静香がダメだと知りつつも、自分よりも五代の方に気持ちがあることを知る。

 不動産屋の森口は、この空き家の洋館に静香を連れてきて「結婚し、二人で住まないか」と言う。芝居についての見極めがついてからでいいからという。「成功したらどうするの」の問いに、ヒモになる気はない。その時は楽屋に大きな花束を持っていき、さよならの代わりにすると答える。

★次のシーンからは大阪公演以降の話になるがストーリーが劇的に変わりスピードアップする。

 スキャンダラスなテレビの記者会見を見た森口は怒り、静香に言い訳をするをするように迫るが静香は受け入れない。森口はサングラスをかけた静香の顔を殴る。「顔をぶたないで。私、女優なんだから」
  森口は落ちたサングラスを拾い上げ「サングラスなんか似合わない」と言って立ち去る。
 静香は立ち去っていく森口に向かい「見に来てね私の芝居、見に来てね。」という。

  「顔をぶたないで。私、女優なんだから」という言葉は当時の流行語になったということである。

【ストーリー2】  「スターへの道の選択」の観点から

 看板女優の羽鳥翔はパトロンとの降って沸いた腹上死というスキャンダルを恐れ、たまたま通った静香に身代わりになることを頼む。見返りに大阪公演の後の東京公演ではかおりを降板させ静香を主役に起用すると約束する。女優への道を望む静香は引き受けることにする。

 死体が運び込まれた部屋で、一大決心をしフロントへ救急車の手配をする静香。

  静香のスキャンダルを取材するレボーター役は、梨元勝を始めとする経験者なので辛辣な取材をして真実感が溢れる。

記者会見に臨む静香。

 初めての東京公演の本番、主役しての演技について自信を失いかけている静香に羽鳥翔は「女優、女優、女優、勝つか負けるかよ」と言って勇気づける。

 「女優、女優、女優」という言葉も当時、はやったようである。

 羽鳥翔に最後のカーテンコールは譲ると言われ、自分の演技が出来たことを喜びいっぱい観客に訴える静香。

 舞台が跳ねた後、静香は姿を現すが役を外された元摩子役のかおりが、「静香が羽鳥翔のスキャンダルをかぶり、自分の役を奪った」とナイフを持って襲ってくる。それを見ていた森口が中に入って静香を守り、怪我をして病院に運ばれる。その後には約束の大きな花束が・・・。

 静香は女優として再起することを誓い、森口に別れを告げる。そんな静香の去り際を、森口は拍手で見送る。
 森口にお礼の挨拶をする静香。

 【感想】数々の賞を得た映画であり、確かに見栄えはする。
舞台を演じる女優の成長と元劇団員の男性との恋を描いた青春映画というだけでも一つの作品として認められたと思う。
 しかし、静香が羽鳥翔のスキャンダルを引き受け、劇中劇が加わり羽鳥翔役の三田佳子が熱演し、一気にストーリーが熱を帯び、緊迫度を増す。日本のシェークスビア演出の雄だった蜷川幸雄が舞台を引き受けたことも効果は大きい。
 薬師丸ひろ子がアイドルから大人の女優に成長した映画としても有名であるが、「セイラー服と機関銃」しか彼女の映画を見たことがない私には、ごもっともと思った。
 また、薬師丸ひろ子の歌う主題歌も素晴らしい。

(了)