めいすいの写真日記

いつもご訪問ありがとうございます
500万アクセスを達成しました

映画「椿姫」とMET新演出「椿姫」・・・(2)

2020-01-27 | オペラ・バレエ

 今回のMET新演出「椿姫」は、2020年1月4日(2018-19シーズンのライブ・ビューイング)WOWOW放送。演出はマイケル・メイヤー(2007年「春の目覚め」でトニー賞受賞)。時代は19世紀に設定し、豪華な室内ではあるが舞台は一つ、照明を変えて、3つの幕と1場を表現している。王道具・小道具もほぼ同じ。それぞれの幕は「春」、「夏」、「秋」、「冬」と四季の移ろいを表現している。違和感は少ないのだが、中央にいつもベッドがあったり、三幕二場ではピアノの上でカード賭博を行ったり、闘牛士の踊りが上半身が裸など、少々の抵抗がある。
 ただ、前回まで何回かMETで公演された「椿姫」は。ヴィリー・デッカー演出で、簡素な舞台の時代設定は現代、男性の服装は黒い背広にネクタイなどなど。「椿姫」の原作の舞台となったパリの社交界とはあまりにかけ離れていて、とても馴染めなかったのと比べれば、雲泥の差が感じられた。

  ヴィオレッタ・・・・ディアナ・ダムラウ
 彼女は「12歳の時、ゼフィレッリの映画版をテレビで見た。初めて見たオペラで何もかも分からず、前奏曲を聴き、最初の場面を観て、主演だった憧れのT.ストレータスが私の心に火をつけた。 その時、私はオペラに夢中になった。」と話しています。
 また、ダムラウはデッカーの演出でもヴィオレッタを演じたが、「異なったアプローチで、今回の演出版こそ、私が夢見ていた『椿姫』である」と述べています。
 アルフレード・・・・ファン・ディエゴ・フローレス
  高音と華やかな装飾音を武器にベルカントオペラとして活躍している。   
 ジェルモン・・・・クイン・ケルシー
  ヤニック・ネゼ・セガン指揮メトロポリタン管弦楽団・合唱団    
 セガンは43才、METの135年の歴史で音楽監督は3人目、この「椿姫」が音楽監督就任の初公演である。
 鮮烈な音楽は、ヴェルディの繊細な面に光をあて、新しい音を追求。室内楽的な演奏で一音一音にこだわったという貴重なリハーサル風景が幕間に流される。
 ゼフィレッリの映画では、指揮者ジェームス・レヴァインが、音楽監督に就任する直前の演奏だが、指揮者セガンの就任により、今後のMETのオケストラの響きが、さらに進化するのではという期待が持てます。
 マイケル・メイヤーの演出は第1幕への前奏曲で「ヴィオレッタの死の床」からの回想として開幕、その後の出来事はすべて輝かしい思い出であるとの考えがある。
  もう一つはアルフレードの妹の登場することである。第1幕前奏曲の場はもちろん、第二幕にジェルモンとともに顔を出す。第三幕への前奏曲では長いベールを引きづりながら舞台を横切る。ヴィオレッタの犠牲のおかげて幸せをつかんだという感謝の気持ちなのであろう。アルフレードの妹がこのように登場するのは、おそらく新しい演出であると思う。

 ヴィオレッタのディアナ・ダムラウとアルフレードのコンビは良く、このオペラの核心であるお互いへの愛の歌はどれも、テクニックと表現力の溢れる見事なものだった。

詳しくは「めいすいの音楽随想・・・METオペラ《椿姫》2020.1.7」をご覧下さい。