water steppe memo

日々、考えていることをここに記します。
ブログと呼ばずに「日記」としたいところです。

あさりちゃん、の作者さん

2009年12月12日 11時58分09秒 | 
あさりちゃんの作者さんとして有名な室山まゆみがテレビに出ておりました。小さな部屋にギュウギュウ並んだ机で、
「締切はもう過ぎてるんです」
と漫画を描き、
「こんど91巻出ます!、ぜひお願いします!」
と宣伝している姿が印象的です。
現役少女漫画としては相当長い方になり、漫画家としては大御所と呼んでも一向に差し支えないような気がするのですが、作者日記ページを読むと、
「バーゲンで冷えピタを買った」
とか、
「電子レンジが壊れて、コンビニ弁当を温められなかった」
とか、そういう一般の人でも経験するようなエピソードが並んでいて、かなりぐっと来てしまいます。(ある業界の言葉で表現するなら、萌えですね)

実はちょっと前に、スラムダンクやバガボンドの作者さんである井上雄彦もテレビで見たのですが、こちらは(おそらく)閑静な住宅街にあるカッチョいい建物内の広~い空間で、たぶん何十万もするであろう家具に囲まれ、
「人間って、なんだ」
と哲学しながら漫画を描いていらっしゃいまして、漫画家で成功するとはこういう事なのだなぁ、と思ってしまいました。

この両者の違いは、純粋に発行部数(つまり収入)の差が第一でしょう。ウィキペディアに書いてある事を信用した場合、室山まゆみのあさりちゃんは累計2500万部ですが、井上雄彦はもろもろで3億部くらいと、まさに桁が違っています。印税率とかコミックス価格とかの諸条件の考察を省き一冊ざっくり20円の収入があったとして、室山は5億円、井上は60憶円。室山は姉妹コンビですからひとり2億5000万円となり、同世代会社員の生涯賃金とさして変わらない事になります。省いた考察を鑑みるに、たぶん普通の会社の偉いさんくらいの収入になるのではないでしょうか。かたや井上は会社経営者でもここまでは行かないでしょうという額ですから、その生活差を隠した(隠れた)ほうが嫌らしいと思います。

そういう現実的なお金の話をしないで両者の違いを考察した場合は、
「ブランディング戦略の差」
と言う事ができると思います。
井上の漫画は庶民を描いていても庶民派ではありませんし、読者層の年齢も高く、あの全体を漂うカッコ良さを維持する為には漫画家自身もカッコよくあって欲しいと、ファンは思うのではないでしょうか。ある意味、高級・高額な環境で生み出されている事を要求されているのかもしれません。
あさりちゃんの方は、押しも押されぬ子供向け庶民派ギャグマンガなわけでして、井上のような環境で生み出されているとなったら、
「こんな風には描いているけど、お金持ちさんですか、そうですか」
と、何%かのファンは引いてしまうかもしれません。そう考えたら、テレビや日記でかなりの庶民派っぷりを表現している室山は、流石という事ができるでしょう。

***

いずれにしろ私は、子供の頃からやっていたあさりちゃんの人気を今でも維持していらっしゃる室山まゆみを陰ながら応援することにしました。
(井上を応援しないという事ではありませんよ)



注:敬称略

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