こころの平和から社会の平和へ

水島広子の活動報告や日々思うことを述べさせていただきます。この内容はメールマガジンで配信しています。

アティテューディナル・ヒーリング・センターの誕生(5)

2006年06月12日 | アティテューディナル・ヒーリング(AH)
 アティテューディナル・ヒーリング・センターの誕生について、パッツィ・ロビンソンの翻訳の続きです。

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6週間の終わりに、ジェリーとグロリアとパットと私は、子どもたちが私たちの教師になってくれたことに対して、お礼のカードにサインをし、5ドル札を封筒に入れました。私たちにどれほどのものを与えてくれたかを、子どもたちに伝えたかったのです。子どもたちは、まさに異口同音に「もうおしまいにしなければならないの?」と言いました。これは完璧な質問でした。なぜかというと、私たちも終わりにしたくないということをとてもよくわかっていたからです。私たちが合意したのは、皆にとって役に立っている限りは続けようということと、皆がこれほどたくさんのものを受け取っているときにやめる理由はないということでした。これは12年前のことです。そしてアティテューディナル・ヒーリング・センターが生まれたのです。(訳注:センターができたのは1975年)

私たちのグループは、それから数年間にわたって続きました。小さいグループでした。私たち皆が定期的に同じやり方で参加しました。私たちは愛を分かち合いました。無条件の愛で、お互いに与え、受け取り、サポートしたのです。そして、やり方はほとんどいつも同じであっても、グループはいつも生き生きとしてワクワクするものでした。いつも何かしら新しいものを与えました。いつも何かしら新しいものを受け取りました。

ゆっくりと、子どもたちが私たちのところに紹介されるようになってきました。医師や看護師や家族が、子どもたちの態度に違いを見出すようになってきたからです。自分たちが対処しなければならない問題について、別の対処の仕方をするようになったのです。注射、化学療法、その結果髪を失うことの心理的な影響といった問題に。

その例が、7歳のブライアンでした。ブライアンは、とても苦しい耳の癌でした。毎週病院に行くと、彼は病院全体が混乱するほどひどい騒ぎを起こしました。病院の職員は、ブライアンが来る日をとても怖れるようになりました。なぜかというと、ブライアンの泣き声があまりにも大きく、抵抗があまりにも強いので、一日のスケジュール全体が遅れてしまうからです。そして、ブライアンの騒ぎの結果、治療を待っている親たちや子どもたちの不安がどうなるかは、言うまでもありません。

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(☆☆☆ではさまれた部分は、パトリシア・ロビンソン著「アティテューディナル・ヒーリングの原則の一つの定義」の邦訳)

新しいメディア「ode」(その1)

2006年06月12日 | 活動報告
 現在暮らしているベイエリア(サンフランシスコ近辺)は、世界の中でもスピリチュアルなものが集まる拠点の一つだと言われていますが、本当にいろいろなおもしろい出会いがあります。

 その一つが、「ode」(オード)という雑誌です(odeという言葉の意味は、「特殊の主題でしばしば特定の人や物に寄せる叙情詩」)。この雑誌の共同創始者であり編集者のイレーン・デュ・プイというオランダ出身の女性と知り合いになり、親しくする中で、大変感銘を受けましたので、この雑誌について紹介させていただきます。

 メディアのあり方については、今までも何度か取り上げてきましたが、「ode」は、まさにそんな問題意識の中から生まれてきた雑誌です。

「ode」のキャッチコピーには、「世界を救っている実在の人たちの話。現実の問題への解決策。全て良いニュースだけ! この頃あなたは、良いニュースをどのくらい受け取っていますか? 私たちに良いニュースを送らせてください!」とあります。

また、「ode」の推薦文として、パッチ・アダムズ(笑いを医療に取り入れていることで世界的に有名な医師)はこう書いています。「悪いニュースを詰め込まれた市民は、悲観的に、冷笑的になる・・・そうすれば、良い消費者になるだろう。「ode」は、すばらしいことが起こっていることを知らせてくれる。そこで表現されているのは、全人類と環境への愛だ」今のメディアがいかに商業主義や悲観主義によって歪められているかということでしょう。

さまざまな問題を前向きに解決するために、そして、より良い未来を作るために、共有すべき情報やアイディアを共有しようというのが「ode」の基本理念だと思います。

 例えば、「ode」では、以下のようなニュースを伝えています。

■あるキノコ農園では、殺虫剤の使用をやめることで一日あたり25%キノコの収穫量が増えた。どうやったのか。土壌に自然の細菌・真菌・酵母を加えることによって、その農家は、生産量を伸ばし、自分自身と地球の健康を向上させたのである。
そして、これは、カリフォルニアのしゃれた高級農園で起こったことではない。これはタイの田舎の話だ。そこの村人は、化学薬品ではなく微生物を使って、きゅうりや、トマトや、とうもろこしや、米や、マンゴや、魚を育てている。

■ビニールの買い物袋は、下水道を詰まらせ、木にはまり込んでしまう。3つの国(台湾、バングラデシュ、南アフリカ)は、ビニールの買い物袋を禁止した。アイルランドでビニール袋を有料にすることを義務づけたところ、使用量は90%減った。米国では、毎年1000億枚のビニール袋が捨てられている。そして、本当に「捨てる」場所などないということを、私たちは知っている。

■国連では、世界で10~20億人が、何らかのスラムに住んでおり、水道も下水道もなく、法的な権利もなく暮らしていると推計している。でも、スラムの住民は、自分自身の力で向上している! アフリカのあるスラムでは、自分たちの学校を作った。カラチでは、スラムの住民が自分たちの下水道を作った。そしてブラジルでは、政府が、何十万もの小区画の地所を、スラムの住民に譲り、家を建てられるようにした。

次回に続けます。