みつばちマーサのベラルーシ音楽ブログ

ベラルーシ音楽について紹介します!

トーダル"アリガトゴザイマシタア!"日本滞在記 59 「伊丹空港、そして成田」

2008年04月26日 | トーダル
 伊丹空港に到着。ここでマーサの父、母、うさぎさんとはお別れである。
 ここでいやな予感のすることが起こってしまった・・・

マーサ両親やうさぎさんがベラルーシへ行くときは、新幹線は利用せず、飛行機を乗り継いで行く。
 そのときは伊丹空港で荷物を預けると、受け取りはミンスクになり、便利である。

 しかし、われわれベラルーシ隊は日本へ来るときに新幹線で東京から京都へ行くことを強く希望したため、飛行機のチケットをベラルーシ国内のオーストリア航空オフィスで、ミンスク・成田間を往復で購入しただけだった。
 帰路の伊丹から成田までの飛行機のチケットはマーサ父が日本国内で買っておいてくれたのである。
 すると、チケットを購入した場所が異なる、という理由で、一度成田で受け取ってから預け直してください、と言われてしまった。
 
 どっちにしろ、ギターは絶対手荷物である。それが二つあるので、一つはトーダルの荷物、もう一つは捨平の荷物ということにして運んでいた。
 手を振りつつ、
「アリガトゴザイマシタア!」
と見送ってくれたマーサ両親とうさぎさんに挨拶。 
 
 その後は順調に機内に座ることができた。しかし、フライト時間が短いせいか、飲み物のサービスはあったが、食べるもののサービスがなかった。
 幸い、前日、朝日新聞のインタビューを受けたカフェ「Hohey ant」で買ったベーグル4個を持ってきていたので、それを食べて朝ごはん代わりにする。いろいろなもの(レーズンとかチーズとか)が入っていて、おいしかったです。

 初めて日本国内を飛行機で移動したトーダル。日本人スチュワーデスさんを見てにこにこしているので、どうしてなのか尋ねたら、すごい発言をした。
「日本人のスチュワーデスはかわいい。(←ここまではいいのだが、次が問題→)『根付』みたいにかわいい。」
 ・・・根付って・・・ それ、褒め言葉?!

 トーダルは
「今からベラルーシへ戻るなんて信じられない。」
と言っていた。似たようなセリフを、日本へ行くときにも言っていたなあ・・・
「日本での2週間はあっという間だった。全部夢だったらどうしよう・・・買ったギターも夢だったらどうしよう・・・。」
と笑っていたよ。

 さて、成田に到着し、預け荷物を受け取ると、またカウンターに並んで荷物を預け直すことになった。
 そこで、大変なことが起こってしまった。
 カウンターでギターを見た係員は「手荷物としては大きさが大きすぎる」ので、預け荷物にしてください、と言った。
 でも、これは楽器なので、預けたりして(成田空港やウイーンの空港では丁寧に扱うだろうが、ミンスクの空港で)壊れたりしたら非常に困る、手荷物にしてください、と頼んだ。しかし、
「どうしても手荷物にしたいのであれば、二つ座席のチケットを買って、その座席に置いてください。」
と言われた。
「でも、ミンスクから成田へ来たときもオーストリア航空を利用したんですよ。そのときは手荷物にできて、棚のような収納場所に置いてもらえたんですが・・・。」
と食い下がると
「航空会社は同じでも、空港によって規則が異なる。」
というよく分からない説明が返ってきた。 

 トーダルは32万8000円のギターがミンスクに着いたときには壊されている、という恐ろしい悪夢のような映像が脳裏に繰り出されたらしく、顔色が青くなっているし、捨平はタバコの禁断症状も併発して、汗だくになりながら
「そんな馬鹿な! なんで空港によって規則が違うんだ?! さっき楽器を持って搭乗ゲートに向かう女の客がいたぞ。確かに見た。」
とわめいた。 
 しかし、とどめを刺すように係員は
「そのお客様はビジネスクラスのお客様なので、ビジネスクラスの席にはそういう収容場所があるのですが、エコノミークラスの場合はそのような場所がありません。」
と言った。ガーン!

「だから、ミンスクから成田に来たときもエコノミークラスで来たけど、手荷物にできて、収納場所にギターを収めてくれたのに、どうして反対方向へ行くときはそれがだめなのか?」
と再び捨平がわめいた。
 係員はどこかへ電話をし、その直接の上司らしき人が出てきて、同じことを説明し、さらにその人がどこかへ電話した。

 妥協案として、私たちがさらに手荷物にしようと思っていたカバン(私のパスポートなど貴重品が入っているカバン、トーダルのピューマのカバン、招き猫など壊れ物が入っているカバンなど)を全部預け荷物にしたら、ギター二つを手荷物にしてもいい、ということだった。 
 すると私の脳裏に高知で買った招き猫がバラバラに砕ける映像が浮かんだ。
 でも1600円の招き猫より32万8000円のギターのほうが高価である。しかし、それにしたって不便だよ。パスポートと財布だけ出してポケットに入れ直さないといけないしさ・・・

 しかも、その妥協案をのんでしまおうか、と考え始めた私に係員は
「しかし、そのようにしてギターを手荷物にしても、客室常務員の判断により、『やっぱり大きすぎるから収納するところがない。』と言われ、預け荷物にしてください、と言われる可能性がある。」
と無情なことを言った。
 飛行機に乗り込んでから、そんなこと言われることってあるの?
 
 私が返事に困って躊躇していると捨平は横から
「おい、今何て言ったんだ? ちゃんと訳せ。」
と怒るし、大変だった。
 結局は預け荷物にされてしまうのである・・・。
 係員は
「預け荷物にするにしても、回りをプチプチ(梱包材)で包み、さらに「壊れ物注意」のシールを貼り、普通の預け荷物のようにベルトコンベヤーにのせて運ぶのではなく、特別に台車にのせて運ぶ。」
と言った。 

そこでとうとう
「そういう条件であればギターを預けてもいい。」
とトーダルが折れた。
 かくして二つのギターはプチプチでくるまれ、「壊れ物注意」のシールをべたべた貼られ、台車にのせられて行った・・・
 ・・・心配そうに見守るトーダル・・・。捨平は喫煙コーナーを発見するとそっちへさっさと行ってしまった。

 捨平が戻ってくるまで、待っていなくてはいけない。その間にトーダルは日本円の再両替に行き、私とはちの子はすることもないので、雛人形が飾られている前で記念写真を撮ったりしていた。
 するとそこでたまたまスピードくじをしていたので、引いてみると、2回引いて2回とも当たってメモ帳をもらった。
 めったにくじなんか当たったことのない私が・・・!!
 これはきっと吉兆である・・・!!!と思って、戻ってきたトーダルに
「今日は私はついている、ということだ。くじが2回当たり、ギターも二つ。これはギターが無事に届くということに違いない。」
と話して(これでも励ましているつもり。)みたが、トーダルは浮かぬ顔をしていた。
「今度日本へ行くときは、エコノミーじゃなしに、ビジネスクラスにしよう。」
「いや、ファーストクラスだ!」
「いーや! チャーターでWZ-オルキエストラのメンバー全員を乗せて行くんだ!」とわめくベラルーシ隊であった。 
 こうして心配しつつ、成田を飛び立った・・・。