みつばちマーサのベラルーシ音楽ブログ

ベラルーシ音楽について紹介します!

トーダル"アリガトゴザイマシタア!"日本滞在記 45 「室生 龍の穴」

2008年04月07日 | トーダル
 室生には室生寺以外にも、おもしろいものがたくさんある。
 そのうちの一つがこれ。吉祥龍穴。(きっしょうりゅうけつ、と読む。)
 つまり、「龍が棲む洞窟」です。詳しくはこちら。

http://www1.kcn.ne.jp/~ongaku_m/tourist/


 これを見に行くのを楽しみにしていた捨平。(これもベラルーシにはないものな・・・。)
 その話をすると、「見たい、見たい。」と言うトーダル。(見たいって洞窟を? それとも龍を?)

 そこでまず龍穴神社というところへ行った。樹木好きのトーダルは「連理(れんり)の杉」(夫婦杉)という一つの根から2本の杉が生えている珍しい木を写真に撮ったりした。
 この神社では平安時代から雨乞いの儀式をしている。今でも必要とあればしているのだから、すごい。(私は雨乞いの様子を見たい・・・)

 で、問題の龍穴は、どこにあるのだろう?
 ところがマーサ父が蓬入り回転焼きを食べながら言うには
「龍の洞窟? そんなとこ行けない。」
 何でも車は通れず、徒歩で1時間ぐらいかかるような山道を上っていかないといけないらしい。
 これを楽しみにしていたので、ショック!
 ところが、龍穴神社で犬を連れて散歩している人がいたので、尋ねてみると、その道は現在整備されて幅が広くなり、車で行けるようになった、と教えてもらった。どうも、ありがとう! この人が犬の散歩に来ていなかったら、あきらめて帰っていたかも。

 そこでさっそく、その山道を車で上がると、左側に龍穴はこちら、という立て札があったので、そこで車を止める。
 それから、今度こそ本当に徒歩で、森の中の小道(龍の棚と言うそうだ)をてくてく歩いていくと、途中
「神域です。清浄第一」
という立て札が立っていた。
 こんなところまでオフシーズンにやってくる観光客もわれわれ以外にはおらず、高い木々の合間のうす暗い小道を黙々と下っていく。何だか本当に「神域」に足を踏み入れたようだ。
 ところが、馬鹿な捨平が
「おーい! ドラゴーン!!! いるなら出て来ーい!!!」
とわめいたので、雰囲気が台無しとなる。

 しかも、道のかたわらにインスタントラーメンの空袋、川岸にはペットボトルのゴミが捨てられており、みんな本気で怒りそうになった。
 こんなところにゴミを平気で捨てた人よ、龍神のばちが当たるであろう・・・。私は
「いや、その前にインスタントラーメンを調理しようとした人が、あのペットボトルで水を汲もうとして足を滑らし、今はすでにばちが当たっているのではないか。」
という説を唱えておいた。
 とにかく、龍の洞窟の前でゴミ捨てちゃだめですよ。

 どんどん進むと、ようやくありました! 龍の穴!
 画像の奥のほう、よくご覧ください。洞窟の入り口にしめ縄が張ってあります。
 どうしてこんなものが張ってあるのか尋ねるトーダルに
「あれは普通の縄ではなく、神聖な縄。外すと、たぶん洞窟から龍が出てくる。」
と答えておいたが、それにしても、どうやってあのしめ縄を張ったのだろう。洞窟の前を川が滝のように流れ、足場なんて全くないような場所である。龍よりこっちのほうが奇跡かも。

 この洞窟の前には小さい社があって、縦に細長い形の賽銭箱が真ん中に備え付けられている。
 ところが、この社の木の床(畳で言うと、2、3畳分ぐらいの広さ。)を
「神聖な場所だから、土足厳禁!」
と靴を履いたままでの立ち入りを禁止しており、かたわらにスリッパが何足か置いてあって、これに履き替えろ、といった表示がある。
 面倒くさー。
 しかも、賽銭箱が縦に細長い形をしているので、小銭を離れたところから投げ入れるような芸当は・・・私にはできない。(野球選手やダーツや輪投げの名人ならできるかも。)
 しかしスリッパに履き替えるのが面倒だったので、家族を代表し、捨平が四つん這いになって、社の床を這っていき、お賽銭を入れ、鈴も鳴らしておいた。こんな格好でお賽銭を入れたことなんてない。というより、スリッパに履き替えろ、という社なんて、そうそうないのでは。

 面倒でなければ、室生を訪れたら、ぜひ吉祥龍穴にも足を伸ばしてみてください。ただ大雨の日に行くのは、ちょっと危ないですね、あそこは。
 龍の穴へ行く途中には、あの「天の岩戸」まで、あるという不思議な場所、室生。
(しかし、室生の天の岩戸は小さすぎ。天照大神が入った洞窟の戸には、すみませんが、絶対見えない・・・。)

 これで心置きなく室生を出発できる・・・。われわれは京都への帰途に着いた。
 室生の帰りに奈良の大仏を見て、鹿に鹿せんべいをあげる予定だったが、室生が楽しすぎて、時間切れとなった。
「じゃ、大仏は次に日本へ来たときのお楽しみに・・・。」
とトーダルは言っていたが、完全にまた来日する気でいるな。