My Life After MIT Sloan

組織と個人のグローバル化から、イノベーション、起業家育成、技術経営まで。

科学技術政策は民が主導すべき、とスパコン問題を見て思う

2009-11-25 03:40:11 | 7. その他ビジネス・社会

いや、とっくに民間が主導してるでしょ、と言われればそういう分野もあるかもしれない。
ただし、国のリーダーシップ、国が方向性を決定するのを待っている科学技術分野がまだ結構あるのだな、と
例の「事業仕分け」のスパコン騒動を見てつくづく思った。

アメリカにいると、事業仕分けはほとんど報道されないが、スパコンをめぐる予算配分で揉めている問題はインターネットで読んだ。
スパコンに対する誤解と過剰な期待、技術ナショナリズムなどが入り混じった議論が展開されているらしい。

これらを読んで私が思ったのは、科学技術政策で、国が主導して明確なビジョンを示す、という時代は本当に終わったな、ということ。
彼らが政策を決めるのを待っているんじゃなくて、業界全体の知見があり、知識がある民間人がもっと政策決定に関わっていかなきゃダメだ、と切に思った。
もう、受身はやめよう。

一部の議員の「役に立つのかだけ教えろ」みたいな態度には問題あるのは確かだ。
しかし、彼らが多種多様な専門分野を持つ科学技術を彼らが全て決めるってのも、もう限界だと思う。
戦後まもなくならともかく、複雑に分岐した成熟産業を抱える日本のような先進国で、国だけが科学技術政策を決めるなんて、キャパシティ的にムリだって。

行政・立法者よりも、知識もネットワークもある民間人が政策決定に積極的に関わっていくべし。
じゃあ、どうするか。

ひとつのやり方は、技術を持つ企業や法人(独法研究所含む)たちが、オピニオンリーダーとなって、業界の方向性を決めるビジョンを出すこと。
そして国の政策は、ロビイストを使ったり、自らの提案により方向付けしていくことだ。

例えば日本のスパコン政策は、今までずっと国が明確なビジョンを示せていなかった、という批判がある。
しかし、その「国が決めるまで待ってる」態度が、国に頼りすぎなんじゃないか?
そりゃあ、日本のスパコンは、スーパー301条で、400%以上のダンピング課税をされ、米国に輸出できなかった冬の時代があるから、国がスパコン業界にとって最大のお客さんだというのは分かる。
しかし、余りに「親分」に対して受身すぎないか?
せめて「提案型営業」に出来ないのか。
業界の方から今後10年、20年のビジョンを出して、そのビジョンを実現させるために国を説得する、くらいの態度でいて欲しい。

スパコン科研費で研究してる研究者も、本当に大切なら、世界一になるべきとか抽象的な議論をするんでなく、自分たちが率先して将来の具体的なビジョンを示さなきゃ。
日本のスパコンはどの方向に行き、何年後にどうすることを目標にし、そのためにはいくら必要なのか。

スパコンだけでなく、日本が世界をリードしていると言われる環境技術や、エネルギー関連でもそうだ。
別に官僚が能無しと思ってるわけじゃない。
でも、特に細分化が進んだ科学技術では、国より民間の方が知識も人材も、ビジョンを出すための能力もある。
特に日本の企業を見てると、自社だけ儲かればというより、科学技術全体を憂う視野の広い人は、他国と比べても多いと思う。
だからこそ「我々が国の技術政策をリードしよう」という気概を持たないと。

二つ目のやり方は、民間の知識人が、シンクタンクやコンサルティングを通じて政策決定者のブレインとなり、自ら政策提案を行っていくこと
オバマ大統領の環境政策には、コンサルティングファームや環境シンクタンクが、ブレインとして、多数の提案を行い、またデータ提供に役立っているのは有名な話だ。
何も知識が無い政治家が自ら探していくよりも、既に知識と考えがある知識人複数が、有意義な政策提案を行い、それを比較検討する、というほうが、短期間で、より正しい政策に行き着けるはずだ。
(人のセレクションは重要だが)

一つ目の方法だとどうしても提案者が技術を持っている企業に偏るが、こちらは知識があれば一般でも関われる。

どんな政治家も、政策提案してくれるブレーンや、政策が正しいかを検証できるデータが無ければ、政策決定なんか出来ない
日本は今まで、こういった政策提案やデータ提供は、官僚が行ってきたのだ。
しかし、今の民主党政権は、交代したばかり。
政策決定のための調査を行える能力を持った官僚たちとも関係を築けていないし、決定するための重要な情報なんか、何にも入ってきていないんじゃないか。

一方で、共和党・民主党と政権交代するのが当たり前のアメリカでは、こういった政策提案やデータ提供は、民間のシンクタンクや政策コンサルティング企業が担っている。
で、政権交代した場合は、そういった人たちの一部が政府の諮問委員会などに入って、政府の人になって仕事をしたりする。
まさに官僚アウトソース。

日本には、そういう仕組みが無いから、今回のような大規模な政権交代を機に、知識人やシンクタンクが入り込んでいく、というのがいいのだと思う。
まずは、事業仕分けを批判するんじゃなく、仕分けをしてる彼らの助けになるブレーンとして入り込んでいくだね。

日本の官僚制を批判する人は多いが、抜本的な改革は難しい。
中には優秀な人も多いし、結局、上記のような理由で政治家が官僚を必要としているので、変わらないのだ。

そこで、こういった、民間企業やシンクタンクが政策立案・決定により関わってくることで、官僚を健全な競争にさらしてレベルアップを図れるだろうし、一石二鳥だと思う。

もう受身はやめよう。
民主主義なんだから、この国。
まずは、明らかに民間に知識も技術も人材もあって、民間がリードすべきなのが明らかな科学技術分野からはじめよう。

一学生の戯言かもだけど、私も日本にかえったら何かやるべく考えておきたい、と思う。
私の場合、技術はないから、関わるなら2番目だね。

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11 Comments

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スパコン (Caeric)
2009-11-25 23:07:54
ボクは、主に ITとかハイテク産業で仕事してきましたけど、今回は正直素朴に「スパコン」って何だっけ?って考えさせられました。市場や経済に対して何の価値を生み出すのだろうって。グリッドコンピューティングみたいなのが代替技術(システム)としてあるのでしょうか(自問)。

やっぱり、将来価値を検討した上で、プロジェクトベースの投資判断しても良いかもですよねー。なんだか今の事業仕分けは場当たり的な感じもします。過去だけ見ても・・・。Lilacさんもおっしゃる通り、政策が正しいか検証できるデータ(FACT)は欲しい感じがしますよね。
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スパコンの事業仕分け (freedom)
2009-11-26 01:01:04
全ての事業が事業仕分けにかけられているのではなく財務省の官僚がほんの一部を提示しているのだということを考えないと何も見えなくなると思います。事業仕分けの対象になった時点でさらし者になってカットされるのはほぼ決まっているでしょう。だから事業仕分けにかけられている事業に財務省のものはほとんどなく、文科省が多くかけられているということに注視しましょう。近年、大物議員に文教族が多かったので(A生内閣では文教族お友達内閣とまでいわれていた)、文科省の力が増していたのを財務省が削いだということですよ。財務省の力を増しただけだとマスコミも言っているところですね。事業仕分けは法律はもとよりどこにも規定されていることではなく一種のパフォーマンスですからね。国費を使ってこんなことしていいのかな。

この問題は様々な問題を抱合していて複雑なので、今回のいわゆる「京速計算機」予算に関することでコメントしますね。
何らかの国家ビジョンをもって事業仕分けをやっているなんて高尚なことではなく、既に市場では能力が高くて価格も高い1つのチップを使うベクトル演算方式よりも汎用の廉価なチップを多数使うスカラー演算方式が席巻しており、ベクトル方式では商売的には太刀打ちできないのは明らかでクラスタ型のスカラー方式に収斂していく見通しにもかかわらず文科省がベクトル方式とスカラー方式の混合型にこだわったのが揉め事の始まりで、当初NECがベクトル方式の部分を担当し、富士通がスカラー方式の部分を担当していたがNECが表向きは資金負担問題で脱落し(Lilacさん得意のイノベーションのジレンマがNECにあるのかもしれません)NECの関連で参加していた日立も撤収して富士通だけが残り、結局スカラー方式単体で開発することになったという顛末だったので、事業仕分け送りにしやすかったわけですよ。
そして事業仕分けではスパコンに予算をつけるかどうかというよりも10PFLOPSの性能に1,100億円以上もかけるのは高すぎるということで国立天文台の教授等から問題視されたということでしょう。それが1位か2位かとかいう発言で変な方向にマスコミがクローズアップしたので面白くなって注目されたのでしょう(より民生にできないSPring-8の運営費でさえ半減されたのは大きな問題なのに面白くないから報道されないですよね)。スピードの1位争いなのであればスパコンの計算争いに加わらないが理研のPROGRAPE-4はその20倍以上の速さを予定しているにもかかわらずコストはまさに桁違いに安いというものがあるのですが、それでいいのではというふうになってもよさそうなものですけどね(現在1位や2位のものも「京速計算機」より1桁安い)。そうならないのは必ずしも1位争いだけではないと思えますよね。
スパコン速度上位500台のチップはIntel、IBM、AMDが押さえ、ベンダーでみてもIBM、HP、Crayがシェアを押さえて日本勢はコンマ以下で問題外というところ。でも国家戦略としてみた場合、問題なのは誰が作っているかよりもスパコンがどこに設置され誰がどのくらい使っているかということでしょう。それも既に中国に抜かれており、日本は世界の6~7位といったところでしょう。1台の速いスパコンを作るよりもそれを改善することにお金をかける方がよほど大切ですよね。
もっと問題なのは文科省が理研にやらせておけばよいのにこの事業に託けて新たに関連の天下り組織を作ることでしょう。最悪なのは兵庫県まで便乗して兵庫県の天下り組織「計算科学振興財団」なんてのを作りマスコミもさんざん叩いた「私のしごと館」もどきの「高度計算科学支援センター」なる箱物も作ろうとしているようなことです。
この予算カットで数100人の研究者と技術者が職を失うことになって国家として大きな損失になるのに、そういうことは政も官も民の仕分け人も考えないのも不思議なことですね。(今日、利根川先生も野依先生をはじめ他のノーベル賞ホルダーと並んで非難の会見をやっていましたよ。)

>「国が決めるまで待ってる」態度が、国に頼りすぎなんじゃないか?
待っているかなぁ(業界によってはそういうこともあるが)。特にこの分野で国が決めるのを待っていたらとっくになくなっているのではないでしょうか。別の部分の駆け引きがあって国とも関わっている(政府機関や大学にスパコンを売るためのお付き合いとか)だけのように思います。それに国が決めるといってもこの国は本来決めるべき政治家が決めているわけではないことをみんな知っていますからね。この分野ではもう国の枠組みはくずれて各社がそれぞれの戦略で着々とやっていますよね。つい先日もこのスパコン事業から離脱したNECはIntelと組んでスパコンを展開することを発表していたし、東芝とSONYはIBMと組んでスピードの1位を争っているアメリカエネルギー省が保有しているIBM製スパコンのRoadrunnerでも使用されているCellを開発しています。そしてアメリカ空軍はCell が搭載されているSONYのPS3を2,200台連結してスパコンにするなんてこともニュースになっていました。SONYはアメリカ軍にまで進出しているわけですよ。

>ひとつのやり方は、技術を持つ企業や法人(独法研究所含む)たちが、オピニオンリーダーとなって、業界の方向性を決めるビジョンを出すこと。
>二つ目のやり方は、民間の知識人が、シンクタンクやコンサルティングを通じて政策決定者のブレインとなり、自ら政策提案を行っていくこと。
日本でもN曽根内閣以降こういったアメリカ式のやり方をまねてかなり導入されていますよね。今はかなりのシンクタンクが政策提言をしていますよね。(昔のことをいえば土光さんっておられましたよね。)それが一番活発だったのはK泉内閣の時でしたが、そのやり方には問題が多いと今になってかなり批判されているところでしょう。(T中氏というブレインが重用されていましたよね。)(その上今回の事業仕分けではF氏というアメリカ人まで仕分け人に入っていますね。国家の政策決定を外国人がやっているのですよ。)
日本ではこのやり方では結局はうまくゆかず民間の足を引っ張っていた部分も多いのではないかと思っています。民間の政策提案を吸い上げる政調会のシステムが政・官・業の連携を作り族議員を生むことになったでしょう。国益よりも省益、へたしたら部課益になるわけですよ。

>科学技術政策で、国が主導して明確なビジョンを示す、という時代は本当に終わったな
国が明確なビジョンを示したことなんかなかったのではないですか。ビジョンがなかったから色々な問題が起きていたように思いますよ。

>日本が世界をリードしていると言われる環境技術や、エネルギー関連でもそうだ。
そんなこと言っているのは日本のマスコミだけで、実際にはかなり遅れていて現に世界から相手にされていないでしょう。エネルギーが自給できないので経済的問題で省エネルギーが進んだというだけですね。太陽光発電は20年前はリードしていましたが今や昔、中国にさえ量はもちろん質でも追いつかれていますからね。風力発電なんかアメリカの1%未満ですよ。日本がリードして実際に稼働している環境技術ってありますか。研究レベルのものしかないでしょう。そうそう環境技術ではJICAがアフリカで薪を効率よく熱にする日本の昔のかまどを普及させて評価されているなんてことはありましたね(弥生時代からある技術はここでは想定されていないか)。
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スパコンの将来 (Lilac)
2009-11-26 02:54:43
>Caericさま
私は物理のときはスパコン一時期計算に使ってましたが、そのくらいのExposureですね・・

アメリカでは軍事施設とか金融機関とか、計算ヘビーなところはかなり使ってます。
スパコンで重要なのは圧倒的なスピードで演算量をこなすことなのでグリッドやクラウドなどの分散・並列化では対応できないところがあるのでしょう。
私も詳しくは理解してませんが。
一般庶民的に「どこで使われてるんだ?」という感覚はメインフレームに近いものがありますね。

>Freedomさま

「事業仕分け」については、アメリカでは全く情報が入ってこないので、反論待ってました(笑)。
正直Overviewが全く見えないですよ-そりゃケーブルで月数万払ってNHKを見たり、日経購読したりすれば日本にいるような感じで情報入ってくるかもですが・・・

インターネット?実はインターネットって概要理解してないと、情報収集するのにすごく時間がかかるメディアなんですよね。やはり情報の質がいろいろだから・・

もうあと半年ちょっとで日本に帰ることを考えると、そろそろ日経でも購読してリハビリしておいた方がいいんだろうか・・

>日本ではこのやり方では結局はうまくゆかず民間の足を引っ張っていた部分も多い

うーん、まあちょっと勉強不足でしたが、基本路線は民間知識人がブレーンになるしかないように思うんですよね。
やり方をうまく考えなきゃダメってことですね。

>待っているかなぁ(業界によってはそういうこともあるが

待ってるのは一部の企業だけかもね。深読みしてください。
家電系の企業は、おっしゃるように、そういう意味ではこういった日本的「親分を支える」動きを超えた、本当にグローバルな企業なんだな、と感じますね。

>国が明確なビジョンを示したことなんかなかったのではないですか

そんなことないと思いますよ。半導体だって、ロボットだって、光ファイバー通信だって(現NTTですが)、そもそもスパコンだって、国が金を出す、と言う行為でハッキリ方向性を示していた。
このどこに金を出すか、決める、というのが大事だったわけです。
日本はアメリカと「ビジョンの示し方」が違うので、アメリカ人感覚から見るとInvisibleで、全国民に分かるというタイプのものではないですが、業界の人には、国の指し示す方向性がハッキリ見えていたはずです。
それが、最近は「国はもう分からないので決めない」、「分からないのでお金を出さない」「とりあえずどっちにも出す(スパコンみたいに)」となってきたというがそもそもこの記事を書いた発端なんです。

もちろん、今後ビジョンの出し方がアメリカ的になるのはMore than Happyなんですけどね

>そんなこと言っているのは日本のマスコミだけで、実際にはかなり遅れていて現に世界から相手にされていないでしょう。

これについては面白いんですけどね。
確かにアメリカのマスコミは全くと言うほど相手にしてないのですが、
アメリカの企業は日本の大学やベンチャーが持つ環境技術にかなり興味を持って調査をしたり出資してるのは確かなんですよ。
日本のマスコミは、日本にいる分そういうことをどこかで嗅ぎ付けて言ってるのだろうから、あながち間違えでもないのかな、と思います。

まあ、ここでも問題は、日本の金融機関の動きが鈍いことなんですけどね。
また外資にしてやられるのかなあと。
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継続こそ力なり? (BetterWorldPilot)
2009-11-27 01:50:18
Successful Society:

“A successful society is characterized by a rising living standard for its population,increasing investment in factories andbasic infrastructure, and the generation of additional surplus, which is investedin generating new discoveries inscience and technology.”- Robert Trout, Pioneering Broadcast Journalist

http://www.citris-uc.org/publications Last page of "Intelligent Infrastracture"

UC Berkeley now has "Center for Information Technology Research in the Interest of Society" Feb 27, 2009 is the Grand opening of the new CITRIS headquarter.
http://www.citris-uc.org/about

残念ながら 日本は経済発展によるSurplusを研究開発やInnovationにまわせない 失敗した社会になってしまった、 これは Globalizationのなかで 知識社会に乗り遅れたこと、 自民党とお役人の無駄遣い、インド人、中国人、Finland人、Swedishにくらべて 英語力が無く 世界経済に参加していないこと等の要因があります、、、

How are we going to change this ?
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Participatory Technology Assessment (BetterWorldPilot)
2009-11-27 02:04:07
社会政策は専門家の意見を聞きつつコンセンサスの形成を行う必要があり、そもそも 国家戦略がYear By Yearの予算割り当てでは賄われているのは無理がありましょうか? 8月末に政権交代があり、年内に財源確保の為にEar Markingをバッサリをやる必要があるのは分からないでもありませんが、Lilac様のコメントの通り、今まで国民のコンセンサスを得ずに 自民党と官僚と研究所で進めていたのが裏目に出たということでしょうか、、、、

Exhibit 4 Participatory Technology Assessment NTT Data Mr. Yamamoto
www.oeaw.ac.at/ita/ebene5/Zurich.pdf
(see page 3 of 4 Table 1: Possible political roles of participatory TA arrangements
Possible political roles Description )


By the way, do not get to hanged up by the technology. How you build a new business model around the technology is more important. Inktomi was a search engine technology company which went public (IPO) and licensed to Yahoo. Yahoo made a tons of money from advertisement business model on their portal site. Stanford become obscenely rich from Yahoo. Berkeley did not get much out of Inktomi....   重要なのは技術を使ってどのように儲けるかということ! これが出来ねば日本の経済は発展しないですね、、、
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専門家の意見を聞きつつ政策決定 (BetterWorldPilot)
2009-11-27 02:14:04
Participatory Technology Assessment
説明はこちらです。
  NanoTechの化粧品は体に害ああるかとか、Bio Engineered Foodは本当に大丈夫かとかの議論の際 Participatory Tech Assessmentという議論になった模様です。 ある程度専門的なBack Groundが議論の参加に必要ではありますが、 そもそも Googleが 100万台のServerを運営している時代、世界の様々な類似の技術と 日の丸Super Computerとの比較を提示していただく必要があります。


Exhibit 4 Participatory Technology Assessment NTT Data Mr. Yamamoto

http://www.oeaw.ac.at/ita/ebene5/Zurich.pdf


(see page 3 of 4 Table 1: Possible political roles of participatory TA arrangements
Possible political roles Description )
返信する
Unknown (outernationjp)
2009-11-27 02:24:54
ビジョンの定義如何という定義の問題なんでしょうけど、予算配分自体お付き合いと駆け引きの世界で決まる話なので、必ずしも「国が方向性を示していた」とは言えないように思えます。

企業や業界団体が進めようとしている事業に「お墨付き」を与えて、お金を付けて後押しはしていましたが、役所とそうした団体の利害が一致していた結果として予算がついていたわけで、そういうものを政策として「ビジョン」とか「方向性」と呼べるようなレベルのものなのかは疑わしいという印象がありますが(日本では、そういうのを「政策」と呼称してきたのも事実なんですけどねぇ)。

新しい分野にまとまったお金を付けられないのは、ドラスティックな予算の組み替えをやりたくない/できないという政治的な状況を「分からない」という理由で片付けているんだと思います。

民間企業の方々が、ただ製品やサービスを売って収益を上げるのではなく、企業内外のしがらみを断ち切って、積極的に自社内に埋もれているリソースを活用してイノベーションを自発的に起こしてくださることを期待しています。

その過程で、新しいサービスを提供する国内外のアライアンスが生まれていく中で、国に依存せずとも、自然発生的にビジョンが生まれるようになると、国も真剣に自らの付加価値を考えだすようになるんじゃないでしょうかねぇ。
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金を儲ける仕組みがないと技術は普及しない (Lilac)
2009-11-27 02:45:47
>BetterWorldPilotさま

色々情報有難うございます。一点だけコメントすると

>Stanford become obscenely rich from Yahoo. Berkeley did not get much out of Inktomi.

Value Captureが重要、と言うことですね。
最近思うのは、「別に技術で金儲けせず、タダで出すのは構わないが、金儲けする仕組みが無いと広まらない」ということです。
専門家集団の中で使われるオープンプラットフォームなら問題ないですが、裾野を広げて一般のユーザが技術を使うためには、技術だけでなく、それなりに使いやすいインターフェースやデザイン、適宜なサポート、などが必要になってくる。
そうするとお金を稼げないとまかなえないんですよね。
1社だけでなく、周りの企業がその技術を元手に稼げるようにしないと、一般のユーザが満足するためのDiversification(多様化)を生むことが出来ない、と言うのもありますし。
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何かこれって・・・ (Lilac)
2009-11-27 03:01:22
>outernationjpさま

>民間企業の方々が、ただ製品やサービスを売って収益を上げるのではなく、企業内外のしがらみを断ち切って、積極的に自社内に埋もれているリソースを活用してイノベーションを自発的に起こしてくださることを期待しています。

もしも国や官僚がこう考えてるとしたら、これって本当に日本的なリーダーシップのなすりあい、甘えの構造ですよね。
誰かがリーダーシップを取ってくれるのを、誰もが待っているという・・・。
音頭を取ると、失敗したときに責任取らないといけないから。
「だからこの国はダメなんだよ!」って悪態つきたくなる瞬間です。

>企業や業界団体が進めようとしている事業に「お墨付き」を与えて、お金を付けて後押しはしていました

分野によってはそういうところが大いにあったのでしょうが、科学技術分野では、特に通産省と逓信省が歴史的に関わってきたところは、半導体や通信に関する文献を読むにつけ、「お墨付き」以上のリーダーシップがあったと感じます。
どちらも「国研」というブレーンがあったからこそ出来たことなのでしょうが。
(他の分野-道路とか農業とか-は知りません・・・ご指摘の通りかも)

現状でリーダーシップが取れなくなった、ポジション取るためのリソースが現状で無くなってしまった、というのも大きいのでしょう。
民営化・独法化のひとつの負の遺産なのかもしれませんね。
もちろん、私はこの流れには賛成なのですが、失ったものを補う仕組みはどこかで必要だと思ってます
返信する
ビジョンの弊害 (freedom)
2009-11-27 03:10:29
事業仕分けニコニコ動画で見られますよ。でもアクセス数は24,000程度ということなのでネット系の人が参入した時のこのブログとたいして変わりません(国政と同じアクセス数のこのブログがすごいのか)。単なる政治パフォーマンスショーであることが国民にはばれてしまっていて利害関係者しか見ていないのでしょう。
お金かけなくてもNIKKEI NETで十分かな。バランスでasahi.comとYOMIURI ONLINEぐらいでどうですか。

ビジョンがないというのは不正確でした。正しく言うとビジョンを持ったために従わない優秀な企業を省庁や部局の面子のために足を引っ張ったというところでしょうか。
民間の足を引っ張った有名な話には、Bジコンが当時既にグローバル企業であったので独自の企業戦略を進め、ビジョンを持った政府の護送船団に加わらなかった(産業政策に従わなかった)ため、Bジコンの社員が開発し黎明期のIntelに作らせた世界初のCPUの権利を最終的にBジコンが保持するためのドルの支払いを許可しなかったなんてことありましたよね。当時は外貨規制があったが護送船団に入っている会社にはそのようなことはしませんでした。荒っぽい表現ですが、もしT産省が何もしなければ今ごろCPUの80%やスパコンのチップの80%はBジコン製で、Bジコン・インサイドなんてCMやっていたのではないですかね。T産省に目をつけられてしまったBジコンはその後、部品や製品の通関妨害にあったり、他社がビジョンに協力して部品調達に支障をきたし製品を作れなかったりして結局倒産するということになり、それに恐れをなした日本中の企業が教訓としたことでしょう。
というわけでそれをよく知っている半導体産業の関係者なら政府がビジョンを持った政策で産業を振興したなんて言ったら驚愕されるでしょうね。国策Eルピーダなんか風前の灯で最終的にT湾に売却されるのではなんて思っておられる方だって少数ではないのでは。
他の分野も似たような話はいくらでもころがっていますよね。
民主党政権は科学技術立国というビジョンを捨てたのは確かなようですね。民主党はスパコンを事業仕分けにかけて失敗しましたね。野依先生を敵にまわしてしまいノーベル賞ホルダーが並んで会見してから圧倒的に支持されていた事業仕分けの支持率が半減してしまい今や五分五分ですからね。

今回のスパコン事業について言えば、学術振興、人材育成の部分と産業振興の部分に分けて議論する必要があるのに、仕分け人からも業界からもマスコミからもそういう話はありませんでしたね。昨日の会見で江崎先生は科学と技術を分けて考えないといけないとはおっしゃっていました。
利根川先生はオバマ大統領の演説を引用され世界的に経済状態が悪いからこそ科学と技術に投資しないといけないアメリカは現在GDP比0.8%の国費の投入を3%に引き上げると、そして早速一部の予算を2倍にすると言っていたとおっしゃっていました(このブログでも日本でも2倍にとどこかで聞いた話)。今日は鳩山首相へ直訴し、その後の会見では私が昨日書いたコメントと同じようなことをおっしゃっており、仕分けるのは天下り先を仕分けないととアイロニーにおっしゃっていました。
利根川先生は明晰ですね。昨日も今日も話がわかりやすく、マスコミうけもし、笑いまでとっておられましたよ。
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