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人生を左右するのは「1%の積み重ね」

2014年02月20日 11時36分56秒 | キャリア支援
人生を左右するのは「1%の積み重ね」
ライフハッカー[日本版]
2014年2月10日 22時00分
(2014年2月12日 17時52分 更新)



2010年、イギリスのプロ自転車ロードレースチーム「チームスカイ」の
ゼネラルマネージャー兼監督に就任したデイブ・ブレイルスフォード氏は、
「イギリス人初のツール・ド・フランス優勝」という難しい任務を与えられました。
同氏は、「わずかな改善の積み重ね」と説明する自らの考えを信じ、
シンプルなアプローチでこの難題に挑みました。
それは「すべての行動において1%の改善に取り組む」という考え方です。
自転車レースに関連するあらゆる分野でわずか1%ずつ改善できれば、
小さな改善が積み重なって、大きな進歩につながるというのです。
ブレイルスフォード氏の下、チームスカイは予想を上回る成果を挙げるのですが、
その背景に何があったのか。詳しく見ていきましょうか。

自転車チーム、まずは"手洗い"から
チームはまず、選手の栄養管理、
週ごとのトレーニングプログラム、サドルの人間工学、
タイヤの重さなど、わかりやすい所から最適化を始めました。
チームの取り組みはそれだけにとどまらず、
大抵の人が見過ごしてしまいそうな細かい部分にまで及びました。
「最高の眠りを提供する枕を探してホテルに持参する」、
「もっとも効果の高いマッサージジェルを試す」、
「感染症を予防するのに最適な手洗いの方法を選手に指導する」など、
1%の改善を求めて、ありとあらゆる問題をチェックしたのです。

ブレイルスフォード氏は、
この戦略をきちんと実行できれば、
5年以内にチームスカイがツール・ド・フランスで優勝できると考えていましたが、
予想は逆の意味で裏切られ、実際には
3年以内に優勝を収めることができました。
2012年、チームスカイのサー・ブラッドリー・ウィギンス選手が、
イギリス人で初めてツール・ド・フランスでの優勝を果たしたのです。
また、ブレイルスフォード氏は同年に開催されたロンドンオリンピックで、
自転車競技のイギリス代表チームのコーチも務め、
金メダルの7割をイギリスが獲得するという圧倒的な成果を収めました。
その勢いは止まらず、2013年のツール・ド・フランスでも、
チームスカイのクリス・フルーム選手が優勝を手にしています。
過去10年間にわたるイギリス勢のオリンピックとツール・ド・フランスでの活躍は、
現代の自転車レース史上「もっとも成功した走り」と呼ばれています。
では、私たちはブレイルスフォード氏のアプローチから何を学ぶことができるでしょうか?

わずかな改善の積み重ね
ひとつの「決定的な瞬間」ばかりに注目して、
「日常の中でより良い選択をすること」の重要性は
過小評価されることが多いものです。
けれども、習慣とは、その良し悪しにかかわらず、
時間をかけて積み上げられてきた「小さな選択の結果」です。
そして、何かを変えようと思った時、
私たちはこの事実を簡単に忘れてしまうのです。
代わりに、私たちの頭に浮かぶのは、
「目に見える大きな結果につながらなければ
変化を起こす意味がない」という考えです。
体重を減らす、起業する、世界を旅行する、などの目標を立てると、
「みんなが話題にするような目覚ましい進歩を遂げなければ!」と、
つい自分にプレッシャーをかけてしまいがちです。
一方、「1%の改善」は、目立たないどころか、
まったく気付いてもらえない場合さえあります。
しかし、特に長い目で見た時には、この取り組みも大きな意味を持っています。
そして、このパターンは逆の場合にも当てはまります
(「わずかな改悪の積み重ね」とでも言えるでしょうか)。
悪い習慣や好ましくない結果に陥ってしまった場合、
そのほとんどは突然起きたものではなく、
小さな選択がいくつも積み重なった結果です。
ここで1%、あそこで1%と悪化していき、
それがやがて困った問題へと発展してしまったのです。
下の図は、ジェフ・オルソン氏の著書
『The Slight Edge』の図からヒントを得たものです。



スタート時には、「1%プラスの選択」と
「1%マイナスの選択」にほとんど違いはありません。
つまり、どちらの選択をしても、その日だけでは
大した変化が見られないということになります。
しかし、これらの「小さな選択」は時間とともに積み重なり、
ある日突然、日々プラスの選択をしている人とそうでない人との間に、
非常に大きな差が生まれていることに気がつきます。
だからこそ、「ハンバーガーとフライドポテトを食べよう」などの小さな選択は、
その時には大したことでなくても、長期的に積み重なっていくと
大きな違いを生み出すのです。
これに関連したことで言うと、私は
重要なことにスケジュールを設定するのが大好きですが、
予定通りにできないケースを考慮して、
「同じ過ちを2回続けない」というルールを決めています。
時々失敗したり、新しい習慣を守れなかったりしても、
大したことではありません。
問題となるのは、正しい道筋から外れたときに軌道修正せず、
そのわずかな「ずれ」が少しずつ積み重なっていった結果なのです。
同じ過ちを二度続けることがないようスケジュールを設定すれば、
ささいな問題が雪だるま式に悪化するのを防ぐことができます。

積み重ねの結果
近いうちにツール・ド・フランスに出場する予定はなくても、
「わずかな改善の積み重ね」という考え方は役立ちます。
たいていの人は、成功を(そして人生そのものも)
ひとつのイベントのように話したがるものです。
たとえば、「20キロやせた」、「ビジネスで成功した」、
「ツール・ド・フランスで優勝した」といったことを、
まるで何かのイベントのように語るわけです。
しかし、実際の人生における重要なことのほとんどは、
独立したイベントではなく、1%プラスにするか、
1%マイナスにするかの選択をした、
無数の瞬間の積み重ねです。
このようなわずかな改善を重ねていくことで、
大きな違いが生まれます。
小さな勝利や、ゆっくりとした進歩にも力があるのです。
これが平均的な速度で平均以上の結果が出せる理由であり、
目標よりもシステムが重要な理由でもあります。
だからこそ、ある目標を達成するよりも、
習慣を身につけることが大切なのです。

This Coach Every Tiny Thing by 1 Percent and Here's What Happened
James Clear
(原文/訳:兵藤説子、吉武稔夫/ガリレオ)

http://www.excite.co.jp/News/it_lf/20140210/Lifehacker_201402_140210marginal_gains.html