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CACAO通信パート2

食べ物、思い出、その他、不定期に更新しています。
また、母校の県立生田高校3期生の連絡も。

パッチギ!

2007年05月19日 | 映画

在日コリアンを描いた青春映画です。内容云々というより、「イムジン河」「悲しくてやりきれない」などの曲が使われているらしいという興味で見ました。まぁ、4分の1位は日本高校と朝鮮学校の生徒達の喧嘩のシーン!?という感じで、めまぐるしい。沢尻エリカの女生徒の雰囲気が良かったですね。印象に残ったのは、朝鮮学校の生徒が事故で死んで、葬式に出ようとして拒まれる日本人の生徒の姿です。在日の女の子に好意を持ち、その家族にすこしづつ近づいていく。で、普段は良かったのですが、先のシーンで感情の高ぶった一世(?)に、彼らの苦労を知らないことを理由に拒否される。まさに「悲しくてやりきれない」という感じなのです。悪意はもちろんなく、好意さえ抱いている。何故!!という感じですよね。無知であることの罪というのは確かにあるのでしょうが・・・。

中学の頃、学習雑誌に文通相手を求めるコーナーがあり(古いね!)、そこに名前が載って、何人かと文通をしたことがあります。結果的に高校3年位まで続いた女の子が大阪市生野区にいたのですが、始めてまもなくその友達とも文通をすることになりました。字が綺麗でバレーボールで頑張っている女の子でした。忙しいはずなのに、たくさん手紙を書いてくれました。3年かその位経ったある日、彼女の住む辺りに在日の人が多いという記事を読み、何気なく手紙にそんなことを書きました。返ってきた返事には、自分が在日であること、本名(それまでは日本名だった)、暮らしの様子などが書いてあり、さらに最後にもう文通を止めるとありました。無知な私は、続けたいと書いたのですが、受け入れられませんでした。彼女の名前は、蓮枝さんと言ったように覚えています。「パッチギ!」の彼を見ていて、忘れていたそんな昔のことを思い出しました。彼女にそうさせたのは周りの日本人だったのでしょう。もし今会うことが出来たら、昔のように話をしてくれるのでしょうか・・・。

 悲しくて悲しくて とてもやりきれない このやるせないもやもやを 誰かに告げようか・・・


市川崑の金田一シリーズ

2007年05月04日 | 映画

NHKBS2の衛星映画劇場で、「犬神家の一族」、「悪魔の手毬歌」、「獄門島」、「女王蜂」、「病院坂の首縊りの家」を続けて見ました。横溝正史原作、市川崑監督で、石坂浩二が主人公の金田一耕助を演ずるシリーズです。30年程前の公開当時は、角川書店のセンセーショナルなシーンを使ったCMを見て、馬鹿にして全く無視していたのですが、今回「犬神家~」を何気なく付けたTVで見てその映画としてのレベルの高さから、連日見ることになりました。当時呼び物だった(?)血が噴出したり、首が飛んだりといったシーンは、CGを見慣れた今の目からするとちゃちですが、それ以外の映像はさすが市川崑という感じです。TV画面ではやや見難いく暗めの画面ですが、とにかく映像が美しい。そして出演者、特に女優人の豪華さ、演技の濃厚さ(!)はなかなかです。公開される映画を全て見るわけにはいかないのは当然ですが、こういう取りこぼし(!)があるのは残念です。まぁ、こうやって見ることが出来たから良かった訳なんですが。


ハチミツとクローバー

2007年04月08日 | 映画

Mincoroさんへのコメントにこの映画のことを書いたせいか(?)、めでたく借りることが出来ました。なかなかの佳作です。芸大に通う5人の若者の恋というのが内容です。見ようと思う動機となった蒼井優ちゃんは、とてもとても素敵でした。ヘッドフォンをつけてキャンバスに向かう姿は、まさにはまり役という感じでした。そうして打ち込んで姿がとても素敵なのですが、笑顔も素敵です。おじさんは、メロメロです(>_<)。他の4人もいいですが、中でも彼女に片思いする櫻井翔が良かったですね。あと、建築デザーナー役の西田尚美がちょっといい雰囲気で、気になる存在でした。色気があるとでもいうのでしょうか。美大が舞台ということで、絵や彫刻も出てきますし、優ちゃんの親戚の美大の先生の家も縁側とか古い感じが残っていて、視覚的にも楽しいです。それと、特筆すべきは音楽でしょう。スピッツの主題歌がいいのは当然!という感じですが、この映画にとても合っています。スガシカオが書いた嵐の歌もいい感じです(スガシカオも頑張ってますね。)見終わっての感想としては、50を過ぎ私には過去のこと、思い出でしかないのが残念ですが、恋をするというのは素敵なことで、10代には10代にしか出来ない恋があるんだよなぁと今更ながら思いました。最後の方に出てくる修復士役の中村獅童の「若者っていいよな」みたいな台詞が、妙に心に残りました。でも彼は、自分の仕事をしっかり持って、そう言いつつも彼の今を、誇りを持って生きています。見習いたいものです。


かもめ食堂

2007年03月31日 | 映画

mincoroさんおすすめの映画「かもめ食堂」をWOWOWで録画して見ました。小林聡美、片桐はいり、もたいまさこといった個性派女優の出演、フィンランドでのおにぎりを出す食堂という設定ということで、ひょとして苦手なタイプの映画かもしれないという危惧があったのですが(笑)、いい意味ではずれました。かもめ食堂を舞台にした人々のさりげない触れあいという内容の淡々とした展開で、感動や癒し感を強要するような映画や独りよがりで訳の分からない映画も多い中、こういうのもありなんだよなと思いました。またもうひとつの主役とも言うべき、登場するコーヒーや料理がとてもおいしそうでした。鮭を焼いただけとか、フライとか、生姜焼きとか、じゃがいもの煮物とか、おにぎりとか、ごく普通の料理なのですが、小林聡美が手際よく美味しそうに作っていくところが印象的でした。また、登場人物に頻繁に出されるドリップのコーヒーもおいしそうでした。mincoroさんがブログで、何故「おいしいコーヒーを淹れてもらって・・」と書いていたか、やっと分かりました。そして、出ているフィンランドの人達が、すごく普通ぽいところも印象に残りました。素人ってことはないのでしょうが。それでいて、若者が毎日来て同じとこに座ってコーヒーを飲んで行ったり、もたいまさこが港から空港に電話したり、という繰り返しが効果的に使われているあたり、ただ淡々と描いているだけじゃないよというところも感じられました。すでにレンタルされているので、TSUTAYAなど探してみてはいかがでしょうか。


バベットの晩餐会

2007年03月10日 | 映画

1987年デンマークの映画。公開当時はその豪華な料理で、業界で話題になりました。西武系でしか上映されなかったため、見ることが出来ませんでした。一度レンタルで借りたこともあったのですが、前半が料理に関係なく、退屈で投げ出しました。ワイン友達のS先生が度々、「バベットに出てきたクロ ド ヴージョが・・・」とおっしゃるので、チャンスがあれば通して見てみたいと思っていました。で、パソコンTVギャオでやっているのをみつけ、早速見ることにしました。とにかく素晴らしい映画です。邦題の印象もあり、正直なところ料理だけの映画かと思っていましたが違いました。19世紀の北欧の貧しい村。神父の父の後を継ぎ、神に生涯をささげる年老いた美人の姉妹。そこで家政婦をするバベットは、当たった宝くじの賞金を、亡き神父の生誕記念の晩餐に全て費やして、豪華なフランス料理を提供します。問題の前半(笑)は、若き日の姉妹に言い寄る兵士や歌手との話しです。実はその一見退屈と思えた前半が、晩餐の前後に生きてくるのでした(この辺りは見てのお楽しみ)。肝心の料理と銘酒はというと、シェリーのアモンティヤードと海亀のスープ。シャンパーニュのヴーヴ クリコのヴィンテージものとキャビアとサワークリームをたっぷり乗せたブリニ(パンケーキ)。クロ ド ヴージョと鶉のパイ詰め、アンディーヴのサラダ、そしてチーズ。デザート(クグロフ?)。最後にコーヒーとコニャックのフィーヌ シャンパーニュ。チーズでもつまみ、赤ワインでも飲みながら見たい作品です。バベットが来るまで食べていた干した魚とパンのスープと豪華な晩餐に象徴される、神の教えに従うストイックな生活と美食や美酒に酔うような快楽的な生活というコントラストが印象的なのですが、実は対立するものではなく相通じるところがあるという結末が素敵です。