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CACAO通信パート2

食べ物、思い出、その他、不定期に更新しています。
また、母校の県立生田高校3期生の連絡も。

Historia da Sociendade Brasileira

2008年01月05日 | 本と雑誌

ブラジルの高校の歴史教科書の邦訳です。なんと全747ページ。巻末には参考資料や索引もあるので、本文は約700ページです。ちなみにお値段は、税別4800円なり。どうしてこの大著を読むことにしたかというと、語学の師・猪浦先生がポリグロットのメルマガで、言葉を学ぶに際してその国の歴史は必須と書いておられたからです。当然といえば当然ですよね。ヨーロッパの著名な国などと違い、ブラジルの歴史について書かれた日本語の本は限られています。アマゾンの書評を参考にしつつ選んだのが、この本と言うわけです。その書評のひとつにはおもしろくてずんずん読み進みましたとあり、またこの本の後書きにも、単なる暗記用でなく興味深い内容といった意味のことが書かれていますが、私的にははっきり言って退屈の一言につきました。終わりの方の1960年位からは、比較的最近のことなので気合が入りましたが、そこまでの記述についてはただ目が字面をなぞっただけという感じでした。とにかく、これはブラジルに限らないことですが、政治家を初めとして持てる者は皆自分の利益だけ考えて行動し、その結果として世界は動いているのだと改めて感じさせられる内容ではありました。まぁ、先住民がいて、ポルトガルが来てスペインもからみ、イギリスとの関係があって、時代が下ってヨーロッパやアメリカが関わってとか、奴隷貿易があってとか、なんとなく全体の流れみたいのが分かっただけでもよかったのかもしれません。ははは・・・。


O Alquimista/Paulo Coelho

2007年12月31日 | 本と雑誌

猪浦先生が著書で薦める学習方に従って、「ブラジルのポルトガル語入門」(武田千春)を終えたところで、原書に挑戦することにしました。原書がネットで手に入ること、日本語訳があること、長さが適当であることで、パウロ コエーリョの「アルケミスタ」を選びました。

早速とりかかりました。とりあえず初めの辺りは、決して易しくはないですが、辞書を引き引き、考え考え取り組めば、何とか分かるレベルのようです。これも猪浦先生の本にもあるように、急がず、品詞の把握、文の構成を考えているので、まるで蝸牛のような進み具合です。原書で180ページ程ありますので、読み終えるのはいつになるか、気の遠くなるような感じです。ですが、意外にこれが何とも楽しい。特にひとつの単語にいくつかの品詞としての役割がある場合など、名詞か形容詞か副詞かあれこれ考えて、自分なりの直訳を頭の中にまとめ、文庫本で意味を確認します。合っていた時のうれしさは、あたかもジクソーパズルのピースがぴったりと合ったようです。

参考に使っている角川文庫の「アルケミスト」は、あとがきによると、英語版からの翻訳だそうです。さて題名の発音ですが、ポルトガル語の辞書の発音記号によれば「アルケミスタ」ではないかと思いますが、どうなのでしょう。英語で錬金術師はalchemistと綴り「アルケミスト」なので、邦訳もそちらを取っているのかと思います。個人的には原題を生かして、アルケミスタにして欲しかったなと思ったりしています。

原書の17ページに最終行に、Leavantou-se e tomou um gole de viho. とあります。「彼は起きて、ワインを一口飲んだ」という意味かと思われます。邦訳では、「少年は起き上がると、柄の曲がった杖を・・・」と続き、ワイン云々の記述はありません。ポルトガル語版から英語版に翻訳する際に削ったのか、英語版から日本語に訳す際に無くなったのか定かではありませんが、消えてしまったようです。瑣末で筋の展開に影響もないのですが、「少年」が置き抜けに一口ワインを口にするという記述は、ワイン飲みとしてはちょっと気になった次第です。

また何かあったら書いていきたいと思います。もしポルトガル語に詳しい方がご覧になっていただいたら、ご教授いただけると幸いです。


語学で身を立てる/猪浦道夫

2007年12月01日 | 本と雑誌

私の語学の先生の著書です。先生との出会いは良く覚えていないのですが、ポリグロットのHPか、この本(集英社新書)です。基本的に語学で身を立てよう(助けよう)という人を対象に本を書いたり、授業をされたりしています。世の中にはいろいろな語学の勉強法があり、それぞれ長所短所があるでしょうが、私は現時点でこの本に書かれた方法が良いのではないかと思っています。内容は、語学力を生かす三つの道、スペシャリストの三つのタイプ、語学エキスパートになるための資質、分野別キャリアアップの戦略、現状分析~いまなにをすべきか、語学専門家になるための勉強法、語学学習メソッドの種類と特徴、各国語翻訳市場概観、プロモーション戦略~いかに仕事を獲得するか、ケーススタディ、FAQです。私は語学で身を立てるには、年齢もモチベーションも足りなく、強いて言えば趣味でやっているのですが、勉強法の部分はとても参考になっています。これは、 1)初級文法を知るために、簡潔なものを一冊仕上げる。2)現代文のペーパーバックを1冊、辞書と文法書を手に精読する。3)その後原文を読みつつ、和文外国語訳の演習をする。4)音声教材を使い、パターンプラクティスによる会話練習をする。5)ネイティブとの会話練習。6)自分が語学を始めた理由に関する勉強にとりかかる。 といった、段取りです。

私は5年間位、会社で扱うワイン生産者のインフォメーションが読めたらと思いイタリア語を勉強していましたが、先の勉強法でいうと1)を手を変え品を変えだらだらとやり続けていたなぁという気がします。この本を読んでいたのにもかかわらずですよ(トホホ)。この5月から、三重県はブラジル人が多いので、ブラジルのポルトガル語を勉強しようと思い立ち、入門書に取り掛かりました。いい本なのですが、ちょっと本格的な厚めの本で、やっと今日一通り終えました。今回はイタリア語の時のミスを繰り返さないようにと、ちょっと高かったのですがブラジル人作家のポルトガル語の原書と翻訳された文庫を購入し、2)のステップへ進もうとしています。どうなるか分かりませんが、経過はまたブログでご報告します。

身を立てようとまで思わなくてもいいですが、とにかく語学を本気で勉強したい方、特に若い人におすすめの本です。いわゆる語学学校へ通うより、もっと安く確実に本格的な力が付くと思います。また、東京が中心ではありますが、猪浦先生の講義を一度受けられることをおすすめします。電車代を使っても行く価値があるのでは?!地方で無理な方は、HPで紹介されている電脳さんが販売しているレジュメとCDを買われてもいいかもしれません。


ウェブ時代をゆく/梅田望夫

2007年11月17日 | 本と雑誌

ついに出ました、「ウェブ時代をゆく -いかに働き、いかに学ぶか」。茂木健一朗との対談本で梅田望夫の存在を知り、「ウェブ進化論」を読んて感心し、そのブログを毎日チェックしている私には待望の一冊です。詳しくは、当然本を読んでいただくしかないのですが、完結篇ということで「進化論」とはアプローチが異なり、リアル社会とウェブ社会のふたつの社会が存在するこの時代を若者はいかに生きていったらいいのかという問いへの梅田の答え(というかむしろエールと言った方がいいかと思います)がここにあります。是非合わせて、梅田のブログやそこへのコメント、トラックバック、さらにブログで紹介されている丸善での講演、また講演の中でも触れられている池田信夫のブログなども読まれることをおすすめします。梅田より5歳年上で定年まで後7年余りの身には残念ながらストレートには関係してこないのですが、各所で参考になる部分がありました。また、これから大学に行こうとしている子供にこそ読ませるべきとも思いました。

で、感想を少々。何をするにせよネット社会では「自助の精神に基づく勤勉の継続が、リアル社会以上に求められる」(P232)というあたり、リアル社会においてさえ、熱しやすく醒めやすい自分には痛い言葉でした。「時間の使い方次第で、差はどんどんつくようになる。」(P234)、「誰からも走ることを強いられない」(P235)などもです。残念ながら私は仕事から趣味まで、あっちかじっては今度はこっちということを繰り返し、中途半端な経験を積み重ねて今に至っています。「好き」の度合いがその程度といべきなのか、継続するという能力に欠けるというべきなのか。あるいは、本当の「好き」に出会えなかったということも出来るのでしょうか。でも、そんな自分を受け入れるところから、何か始まるのかもしれません。

他の感想を書かれている方の多くも触れていますが、すぐに参考になりそうだったのは、「時間の優先順位」を変え、まず「やめることを先に決め」、「勝負だとばかりに好きなことに打ち込む」べしというところです(P143)。

また、「ブログを書く」ことが「ロールモデル思考の発端である自分と波長の合う信号を探すことに他ならない」(P137)とある部分も、このところブログを書く意欲が少々低下気味だった自分にとって、興味深く感じられました。またブログに関しては、後書きの「モノを書く意義は、それを読んだ人の心に何が生じたかにつきる」(P242)にも感じるところがありました。

ありきたりの50代にもそれなりの「ウェブ時代をゆく」があると信じて、頑張ろ~!


齋藤孝×梅田望夫「大人の作法」

2007年10月21日 | 本と雑誌

茂木健一郎との対談から知って、著書も読み、ブログも毎日チェックしている梅田望夫の対談がアップされました。とても興味深いので紹介します。ちなみに、この日のブログへのコメントもいいので、あえて梅田ブログのページをリンクします。10月19日のところを見てください。対談の中には、ロールモデルとか、昨日も書いた好きと言う言葉が出てきます。好きと言うのは、えてしてまじめな話しのレベルでは論理的でないとして軽視される場合も多いように感じますが、とっかかりというか大局をとらえるというか、そういう意味ではすごく大事なのではと思います。梅田の新しい著作、楽しみです。