何となく奈伽塚ミント・純情派

不覚にも連続更新ストップ。
少々夏バテ気味だったし
定期更新に切り替えかも?

そんなこんなで奈伽塚ミント

「士」

2006-07-16 21:15:59 | 詩のような物
 夢と幻想紙一重
 希望と絶望紙一重
 昨日と明日は紙一重。

 まるで表裏の区別無きメビウス
 いつ入れ替わるとも知れない世界
 不安定な境目に立つ身体。

 真夏の陽炎と思しく揺らいで
 溶けかけた蝋燭の如く儚い
 漂うのは散り落ちる花のような
 甘く惑わす残り香。

 叩けばいとも簡単に粉と化す
 硝子細工の中で
 行く手を遮る光線複雑乱反射。

 怪奇極まるパズルを解くのに
 求められるは歪まぬピース
 探し見つかる物でなく
 在処は常に胸中に。

 手にしたならばはめ込んで
 現在と繋がる架け橋に
 先に繋がる架け橋に。

 紙一重の駆け引きだから
 躊躇は禁物命取り
 己の刃を研ぎ澄まし
 切っ先鋭く踏み込む一歩。

 日々瀬戸際に立つ身体
 後には引けない窮地だって
 紙一重のパラダイス。

 拾い掴める先への切符
 旅立てる
 境界の向こう側へ。