「フリーダム」

　自由が欲しいと
　唐突に感情がわき上がって
　自由の意味を
　少しだけ真剣に考えてみる。

　やりたいときにやりたいことを
　やりたいようにこなすこと
　それが自由。

　確かに一つの形かもしれないけど
　その言葉では
　どこかずれている気がして。

　世界には確固たる規律があるし
　心にも幾つかの楔があるし
　だから自由ってきっと
　想像以上に縛られた言葉。

　本当に欲しがっているのは
　そんな狭い範囲のモノじゃなく
　どこまでも開かれた
　端の見えない水平線のような。

　実際問題そんな理想は幻想で
　手に入れようもないと
　理性ではちゃんと知っていて。

　けれど知っているからこそ
　希望の灯消さぬよう
　いつまでも追いかけていくんじゃないのかな。

　その想いは理想の端っこ
　手繰っていけばもしかしたら
　触れることができるのかもしれないと
　抱かせる期待の泡。

　触れてしまえば弾けて消える
　儚い存在だとしても諦めないで
　諦めないそのことこそが
　欲しがった自由の一歩目だから。