水の精よ

朝、顔を洗おうとしたら水が出ないんだ。
どうやら、ぼくの町は断水という状態になっているそうだ。

断水っていうのは、水道から水が出ないことさ。
お母さんは、洗濯の途中で水がとまったといって、御機嫌ななめだ。

いつもなら、ぼくは、牛乳を飲んだコップやパンを食べたお皿を自分で洗わなくちゃいけないんだけど、今日はやらないですんだので、ちょっとラッキーだ。
でも、よく考えるとトイレも流れないんだ。
これは困った。

ぼくは思うんだ。
近所のおばさんたちは、雨が続くと文句ばかり言うから、水の神様がおしおきをしたんだよ。
野生動物は雨水をそのまま飲んでいる。
ぼくらは、それをきれいにして贅沢している。
おばさんたちは、それを忘れて文句しか言わない。
神様が怒るのも仕方ないってっもんさ。

今日は、絵の具を溶いたり、理科の実験もできないのかな。
もしかしたら給食も作れないかもしれない。

水の精がぼくの近くにきてくれないかな。
おばさんたちの分もぼくが謝るよ。雨の恵に感謝する。
だから、神様に伝えておくれ、どうかぼくの町に水を返してください。
お願いします。