「揺るがぬ正義」と「究極の悪役」

2012-08-25 18:43:44 | アイテム紹介
突然ですが、小ブログをお読みの皆さんは、「ライフ」というドラマをご存知でしょうか?

2007年7~9月の、フジTV「土曜23:10ドラマ」枠で放送されたドラマで、すえのぶけいこ氏の少女マンガが原作です。ちょっとしたきっかけでいじめのターゲットになった主人公・椎葉歩(北乃きい)が、クラス全員、さらに教師、学校までもが味方してくれない苦境に立たされながらも、わずかながらも味方を見つけつつ、いじめの犯人・安西愛海(福田沙紀)、そしていじめに見て見ぬふりをする教育現場に立ち向かうストーリー。「花ざかりの君たちへ part1」、「ライアーゲーム」などなど、この頃のフジTVドラマは、レベルの高いものが揃っていましたが、その中でも「露骨に怖い描写」が多いこの作品は、放送から5年経ったいまでもとても好きな作品です。かつてはあれほどいい番組をつくってきたかの局も、いまやすっかり「悪の権化」に成り下がってしまいましたが…。

この作品の素晴らしいところは、安西愛海はじめ歩の周囲すべてが味方してくれない中、異常な空気を感じ取り、歩に味方したメンバーが、ごく少数、それも中盤になってはじめて現れだす一方、その間に愛海の横暴に怒って離れようとする動きが、最後の最後クラス全体が動き出すまで、ことごとく「政治力」で完璧に封じ込められるという、「徹底的に不利な状況」を闘い続ける展開です。

悪役サイドに目を向けると、「愛海何コイツ!マジうぜぇ!」と思わせる設定が、終始一貫しているのです。愛海の父は市議会議員。クラスメートを利用し、不良を利用し、彼氏を利用し、家族を利用し、教育現場に圧力をかけ…そして役に立たない者を次々と切り捨て…どこどこまでも、周囲を取り込んで、歩を追い詰めていく。どんな悪役でも、ちょっとは「善人」の顔を見せるものですが、ここまで「悪」に徹することのできるキャラクターはそうそういないと思います。

一方、歩に味方するor愛海から離れていく者に注目すると…

第10話終了で、歩に味方し続けてくれたのは、羽鳥さんと薗田君、そして母親だけ。9話あたりから「男の子2人組」が愛海への反抗から味方につきはじめるのですが、それも目立った形とはいえず。愛海の行動に疑問をもちはじめた美紗(中村静香)が転校、ヒロ(なっちゃんの人)が7話で屋上から飛び降りた挙句愛海に脅され続け、いじめの実態を懸命に調査し続けた平岡先生も現場を追われる形で退職…

と、とにかく追い風が吹きません。

が。。。しかし。。。

それでも折れなかった歩たち。教師生命を賭してでもいじめの実態を調査しつづけた平岡先生。

いまの世の中を支配する「セコい政治力」に立ち向かい、どんなに厳しい逆風の中でも、折れない心、揺るがぬ正義を持ち続けることの大切さ。

そんなことを教えてくれているような気がします。

フジTVよ!国民の不興を買う韓ドラなんてやってる時間があるなら、今すぐ「ライフ」を再放送すべし!!!

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