夢の中で、昏い大きな闇が目の前に立ちはだかっていた。
夢から覚めると、目の前には見知らぬ天井。しかしそれはいつものこと。
夜も早い時間に眠りについたにもかかわらず、体はまだ重く休息を必要としている。
うーんと唸って、リナはそのまま寝返りを打った。
ふと、薄く開けた目に銀色が映った。
「………あー」
色素の抜け落ちた髪の毛。それは他の誰のものでもない、リナ自身のもので。
自慢の栗色は、今はまだ影も形も見えない。
生体エネルギーを根こそぎ使うような真似をしたのだから、当然とも言えたが。
それにしても、髪がこんな状態であるということは。
先程までの夢は、夢であって夢ではなかったのだと実感する。
誰が信じるだろうか、数日前確かに、世界は滅亡の危機を迎えていたのだということを。
……誰が信じるだろうか、赤眼の魔王シャブラニグドゥを、他の誰でもないリナが斃したのだということを。
今でも信じられない、とは言わない。あれは確かに現実に起こったことだ。
確かに、リナはレゾ=シャブラニグドゥを斃したのだ。
けれども、それを誰かに言ったところで信じるものはいないだろう。
それでいいのだということにして、リナは再び目蓋を閉じた。
No one believed they when they told how they had gotten the better of Shabranigudo.
夢から覚めると、目の前には見知らぬ天井。しかしそれはいつものこと。
夜も早い時間に眠りについたにもかかわらず、体はまだ重く休息を必要としている。
うーんと唸って、リナはそのまま寝返りを打った。
ふと、薄く開けた目に銀色が映った。
「………あー」
色素の抜け落ちた髪の毛。それは他の誰のものでもない、リナ自身のもので。
自慢の栗色は、今はまだ影も形も見えない。
生体エネルギーを根こそぎ使うような真似をしたのだから、当然とも言えたが。
それにしても、髪がこんな状態であるということは。
先程までの夢は、夢であって夢ではなかったのだと実感する。
誰が信じるだろうか、数日前確かに、世界は滅亡の危機を迎えていたのだということを。
……誰が信じるだろうか、赤眼の魔王シャブラニグドゥを、他の誰でもないリナが斃したのだということを。
今でも信じられない、とは言わない。あれは確かに現実に起こったことだ。
確かに、リナはレゾ=シャブラニグドゥを斃したのだ。
けれども、それを誰かに言ったところで信じるものはいないだろう。
それでいいのだということにして、リナは再び目蓋を閉じた。
No one believed they when they told how they had gotten the better of Shabranigudo.