朝寝坊なこの子はお日様が起こしに来るまで
ゆっくり寝ている。
静かな朝。
昨日の雨に濡れて、生き返ったように爽やかに見える。
もう真夏は終わったようだけど
まだ目が覚めやらぬような東の庭に踏み入ると
ふわっと不思議な空気が流れる。
背高になった愛らしい静かなバラ。
しずくをまとって咲く小さな花。
探さなければ、きっと誰も気付かない
育てているものだけが知る喜び。
真っ白だと思っていたのに
いつのまにか、そっと色を出してきた子。
甘い香りで満たしてくれる。
きれいだな
かわいいな
なんてよく咲き続けてくれるんだろう
そう思って
見ているうちに
秋が足早にやってきたのを知った。