もう二昔ほど前の話になってしまいますが、私は高校でJAZZのビッグバンドに入り、トランペットを吹いていました。ビッグバンドに入った当初、その年の学園祭で演奏する曲を集めたカセットテープを渡されました。早速聴いてみたのですが、JAZZやフュージョンのことなど全く知らない当時の私も、このテープの最初の2曲「SPAIN」と「La Fiesta」には強い印象を受けました。そして高校3年間、ずっと聴き続けました。また、毎年必ず学園祭で発表するほど、ビッグバンドの他のメンバーもこの2曲が気に入っていました。
あれからウン十年。去年の夏、選挙の投票で久々に母校に行った際、昔と変わらぬ練習場で、わが後輩たちが練習しているのを見ました。そして、あの懐かしの「SPAIN」の演奏が聞こえてきたときの何とも言えぬ感慨・・・・高校卒業後、東京へ出てしまい、すっかり疎遠になってしまいました。それでも、あの「SPAIN」は毎年学園祭で演奏されてきたに違いない、そしてこれからも・・・。今年の夏はぜひ、学園祭に行こうと思いました。
今でもたまにこのテープを聴きます。このテープの元のCDなりレコードなりが欲しいのですが、なぜか演奏しているビッグバンド名やCDのタイトルを聞きそびれてしまい、わからないまま現在に至っています。しょうがないので、せめてテープがすり切れる前にパソコンに録音して聴いています。「SPAIN」は、トランペットのエキゾチックなイントロと曲の中盤でのブリリアントなソロが印象的です。あまりに高音が多いため、いくら練習しても真似をするのは無理と、最初からあきらめていました。しかし今でも全てのフレーズを口ずさめますし、聴くたびに背筋がゾクゾクしてきます。また「La Fiesta」は独特の3拍子のリズム、単調なコード進行・メロディーラインとサックスの長いフリージャズ風のソロ、そして「お祭り」らしく最後はドラムのソロで締めています。
この2曲はピアニスト「チック・コリア」の代表曲と後で知りました。アコースティック・バンドのCDなどでこれらの曲を聴くのですが、やはりビッグバンドの演奏の方が好きです。