ITエンジニアの九十九折(新)

これまで経験したことや考えを思いつくままに綴って行こうと開設しました。マラソンをするように長く続けて行くつもりです。

52.コメントをつけること(832字)

2007-02-23 | Weblog
先日、仕事関連の情報収集のため、「NET&COM2007」というイベントに参加し、セミナーを受講して来ました。

そのセミナーの中で講師が発言された言葉、
「日本人はコメントをつけるということを知らないのか」
というのが本日のテーマです。

講師は、当該分野では著名な方で、本業の大学教授以外に、政府の諮問機関の委員等を歴任され、大変多忙とお見受けしました。

その先生は、この間の正月休みを返上して、190件あまり寄せられたパブリック・コメントのすべてに目を通し、修正や改訂すべき内容が含まれていないかをつぶさにチェックされたそうです。

そのときに、気づかれたのが先の発言でした。
先生は、次の三点を指摘されました。

①反対意見を述べる
②徹底的に批判する
③いちゃもんをつける

すでに、法案は可決され、政府の指針(ガイドライン)作りに着手し、さらに完成度を増すために、一般からも意見を募るフェーズであるにも拘らず、どうしてこういうものが大半を占めるのかがわからないと怒気がこもっていました(先生が関わったと見られるガイドライは正式版として、先週新聞紙上で発表されていたようです)。

先生によれば、「コメントをつける」とは、
「対象の事物が良い方向へ行くように、抜けはないか、補足はないか、代案はないか等の意見を述べること」
だと言われました。

今回のセミナーを通して、コメントのつけ方は、本来、社会人として身につけておくべき素養の一つだと思います。しかしその実、わかっていない人が大勢いるということが明らかになりました。

確かに自身のことを考えても、ディベートはもちろん、ディスカッションについてもスキルを十分身につけ、満足にできるかと言われると自信はありません。

最近、学校や組織の中でもコミュニケーション不足、あるいはコミュニケーションの不全が起きていると言われていますが、こうした基本的な素養を身につけられずに世に出た人が多いことも災いしているような気がして来ました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする