「おがわのほとり」のタイトルにしては、あの川の流れは、定義が広いと感じた。 . . . 本文を読む
磯田道史原作、森田芳光監督の映画「武士の家計簿」を見た。主人公のソロバン侍に堺雅人、その妻に仲間由紀恵。結婚するまでの、若者と娘を演ずることには、少々違和感を感じたが、話の筋として、天保の大飢饉から幕末・明治維新に至る、どの武士階級にも起きた大きな歴史のうねりの中で、家を守り、家族を守り、命を後世につなげることの大切さを描く上で、余りこだわることではないと、ストーリーが展開していくうちに思った。や . . . 本文を読む
何につけても、時代的背景、時代考証を知っているなら、ドキュメンタリー風の時代劇、それも倒幕から明治維新へと至る契機のひとつとなった「桜田門外ノ変」を映画化しても、観ている方は、何の問題もなくストーリーを追うに違いない。
原作のあるものを描くことの難しさはそこにある。
小説を読んでいないからわからないけれど、実行部隊の指揮をとった主人公・関鉄之介を通して物語が組み立てられている。
映画全体の流れを思 . . . 本文を読む
立っていても寝られるほど、疲労困憊している。この歳で、雨天の中、ビショ濡れになりながら、早朝から夕方まで立ち回るのも、もともと机仕事中心のメタ坊にとって、過酷な試練。外食をしようとカミさんがいうので、出かけた。これは、伏線で、実は、映画「大奥」を観るための作戦だった。さすが、3連休の中日で、晴れ間が見え始めたせいもあって、そこいらじゅう大渋滞。当然、グランベリーモールの周辺道路は、cm単位でノロノ . . . 本文を読む
小人(こびと)の世界には、掟(おきて)があった。「人間に見られてはいけない」スタジオジブリのある東京都小金井市の古い屋敷に住むアリエッティとその父母。と書きたいところだけど、企画・脚本の宮崎さんは、日本のどこでもいい、例えば小金井でも・・・と語ったことから、限りなく小金井に近い広い庭(小人にとって森)がある「お屋敷」の床下を“借りて”住んでいるアリエッティ一家。原作は、イギリスの児童文学。だから、 . . . 本文を読む
藩主以下家臣が居並ぶ城中の能舞台で、「殺生石」が演じられているシーンから物語ははじまる。それが、キーワードになっていることは、パンフレットを読んで知った。殺生石のあらすじは、平安末期、九尾の狐が化けた玉藻前という美女を、上皇となった鳥羽帝が寵愛するに及び、にわかに上皇は病がちになる。陰陽師の安倍泰成が占うと、原因が玉藻前であることがわかり、調伏すると狐の正体を現し、姿をくらましてしまった。その後、 . . . 本文を読む
6大女優が夢の競演。
そんなキャッチフレーズで映画の宣伝をしている。
そのためかどうか、イメージ的な宣伝ばかり流れているから、きっと綺麗に撮って、それそれの時代背景の化粧品でメークアップするシーンでも出てくるのだろうという先入観で映画館に入った。
どちらかというと、女性の美に貢献する資生堂のCMを務める6人の女優=蒼井優(凛・りん)、鈴木京香(奏・かな)、竹内結子(薫・かおる)、田中麗奈(翠・みど . . . 本文を読む
書道ガールズが観たかったけど、子どもとのバトルロイヤルに負けて、劇場版トリックを観た。ストーリーの展開は、ほぼいつもどおり、つかみどころも、笑わせるくすぐりも、鉄板状態で、ある意味では、寅さんシリーズや釣りバカシリーズに匹敵する、若者向け娯楽映画といえそうだ。ただ気になるのは、仲間由紀恵さんが、すでに分別のある年齢に達しているにもかかわらず、扮するところの自称・超天才マジシャン山田奈緒子の世間知ら . . . 本文を読む
いつから、藤沢周平作品の映画が、マドンナシリーズみたいになってしまったんだろう。
舞台設定は、北国の小藩・海坂藩ということになっている。
にもかかわらず「たそがれ清兵衛」「隠し剣・鬼の爪」のように、藤沢氏の出身地・山形県鶴岡市=出羽国・庄内藩をベースにして、時代背景や方言にこだわった作品に仕上げていないのは残念だ。
きっと、木村拓哉さんと檀れいさんを主人公とした「武士の一分」で、方言を薄め、マドン . . . 本文を読む
最近は、年齢のせいか、ほのぼのとした映画を選んで観る。
で、山田洋次監督作品の「おとうと」を観に行った。
東京で堅実に生きる姉(吉永小百合)と、大阪で問題ばかり起す弟(笑福亭鶴瓶)が、
姉の一人娘(蒼井優)の結婚式に突然現れ、結婚式をめちゃくちゃにしてしまう・・・。
という話から始まる。
山田監督といえば、ご存知「男はつらいよ」が代表作といえる。
男はつらいよは、渥美清演ずる主人公の寅さんが、旅 . . . 本文を読む
NHK大河ドラマ「龍馬伝」が始まった。
龍馬役の福山雅治さんが、恰幅も面構えも、年相応になってきたので、カミさんは見るのが怖いといっていたし、私も「テンパー」の龍馬ってありなのかな、といいつつ、所定の時刻には、紅茶などを入れて準備万端、視聴させてもらった。
とにかく、これまでにない撮影の仕方なのは確かで、舞台劇じみた先の「天地人」に比べると、アングルといい、カット割りの早さといい、グイグイ引き込ま . . . 本文を読む
正直いって面白かった。
アニメ映画は、宮崎駿作品を必ず映画館で観ている。
ピクサー作品は、モンスターズインク、レミーのおいしいレストランを観て以来だ。
宮崎作品には、必ず歴史や文化に対する思い入れやメッセージが強くストーリーに表れるので、それを読み解くことも興味のひとつとなって、映画館に足を向ける。
ピクサー作品には、CG技術とアニメを合体させたような技術の高さと、アメリカらしく「願えば叶う」とい . . . 本文を読む
ディズニーアニメ「クリスマス・キャロル」を観てウルウルしたい。上映時間の都合がいい映画館をnetで確認したら、つくし野のマイカルが本命となった。TOHOシネマや109シネマの椅子がやや広めにつくってあるせいか、マイカルの椅子は窮屈だということで、しばらく敬遠していたが、時間の無駄はしたくないと、早速出かけた。思わぬ渋滞があって、なんとかたどり着いたものの「3D上映のクリスマス・キャロルは割引が一切 . . . 本文を読む
マイケルジャクソンの「THIS IS IT」観たいんだけど、デートしてくれない?
と娘にいうと、
私は「クリスマス・キャロル」か「なくもんか」が観たい。
という。
クリスマス・キャロルは、カミさんが観たいといっていたので、クドカンワールドといわれる独特の世界観、ある意味演劇観で作られている「なくもんか」を観に行くことにした。
宮藤官九郎(クドカン)氏脚本のお話は、悲惨な生い立ちの説明的な映像から . . . 本文を読む