メン・ピン・タンゴ ツモっ!

南米のパリ、アルゼンチンはブエノス・アイレスで起こる
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タンゴ・ヌエボ その2 マニアック・タンゴ用語辞典

2009年03月02日 00時54分29秒 | マニアック タンゴ辞典
「タンゴ・ヌエボ」

どうやら 「アストール・ピアソラ」 から使われだした言葉らしい。





ピアソラは天才だった(ちょっと変わってた?)ので、もともとあったタンゴと外国で習ってきたジャズやクラシックなどの音楽をくっつけて曲を作ったわけだ。

つまりタンゴのリズムを取りつつもジャズで良く使うリズムパターン、クラシックで使うようなメロディーなんかを盛り込んだりして曲を作っていった。





ピアソラが出てきた当時は誰もこんな音楽聴いたことなかったわけだから、

「こんなのタンゴじゃねぇ!」 

と、みんなが言ったのもむりはない。普通には踊れないし。






かなり斬新だったもんで、「タンゴ・ヌエボ(新しいタンゴ)」と呼ばれるようになったわけだ。





彼の影響を受けたプグリエセ  も

「こんなのタンゴじゃね~っ!」 

と言われていたようだが、
(明らかにそれまでのダリエンソやディサルリなどのタンゴとは違っていた)

プグリエセのはピアソラほどぶっ飛んでなかったので「タンゴ・ヌエボ」とは呼ばれないでいつの間にか「トラディショナル」になったようである。











ピアソラが認められ始めるのは20数年前、リバローラたちがバレエの要素などを盛り込んで新しいショータンゴの基礎を築いた「タンゴ・アルヘンティーノ」以降の話。

世界的にヒットしたこのショーのお陰でアルゼンチンでもピアソラが「タンゴ」だと認められ、逆に現在のショータンゴではこのピアソラと派手なガンチョやサルトなどのある新しい踊りが定番となった。 





20数年前当時はこういう踊りも

「あんなのタンゴじゃねぇ!」 

と呼ばれたが当時日本を含む多くの国に輸出されたのはこの踊りであった。




そしてたったの20年の間にこのタイプの踊りはショータンゴでは「トラディショナル」と呼ばれるようになっている。









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踊りの中で音楽用語だった「タンゴ・ヌエボ」という言葉が使われだしたのは10年ほど前からのようだ。



ファビアン・サラスなどがデモでピアソラやタンゴ・エレクトリコを使い始めてからのこと。
(ファビアンが呼び出したという説と外国人達が呼び出したという説があるが不明)






前記したようにナベイラは否定しているが実際にはナベイラやファビアンたちの踊りがそう呼ばれるようになってしまった。




ナベイラはトラディショナルな音楽でしかデモらない。

よって使う音楽ではなく、彼らの踊り自体が上記のショータンゴやそれまでの現在トラディショナルと呼ばれているタンゴと違うところを探すと、


昔は使わなかったような技 を振り付けではなく、
前回のタンゴの基礎に基づいたリードで行っているということくらいである。





つまりそういう技、彼らが使い始めた技や彼ら以降に新しく発見された技が「ヌエボ」な技と呼ばれているということになる。
(実際には昔から使われていたのにヌエボな技と思われているものもある)








簡単にリストを上げてみると、




コルガーダやボルカーダ、
ソルターダ、
4ta.サカーダ、
ガンチョ・ア・ファボール、
ボレオ・ア・ファボール、
フリーズ、
アトラパーダ            etc…




などが現在「ヌエボ」と呼ばれているような技である。
(もちろん全て前回の基本ルールに基づいて作られている。
             つまりトラディショナルの応用技)








一般的な認識や前述の服装などでのダンサーのイメージなども考慮に入れて

このブログでは、





上記のような技を 「ヌエボ技」


ヌエボな技を多用するダンサーを 「ヌエボ系ダンサー」






と呼んでいる。

これがこのブログでの「タンゴ・ヌエボ」「ヌエボ」という言葉の使い方だ。















そしてこのブログではよく、「~系~」などという言葉を使っているが、
もちろん「~系」という言葉が流行っているから、ではない。

「ヌエボ系ダンサー」もヌエボ技を使わなければトラディショナルダンサーと区別が付かないからだ。



つまり、普段デモるときに どの要素を多く含んでいるか? ということ。

ヌエボ技を多用し、ウルキサの特徴も多く含んでいれば
         「ウルキサ系ヌエボダンサー」のようにもなる。

ヌエボ技を多用するか、ずっとミロンゲーロで踊るか等もその時のダンサーの気分次第。

実際すべてのダンサーが自分の好きな踊り方をしてるのだからしょうがない。
ほとんど全ての踊り方に定義がないわけだし、はっきりした分類分けも不可能だ。









去年まではガブリエル・ミッセと組んでばりばりトラディショナルな感じだったアレハンドラ・マルティニャンもヌエボな技を多様する男性と組めばこんな感じになる。
(男がショボすぎるけど。おっと批評しちゃダメなんだった









女性ダンサーは前回のタンゴの基礎にそってフォローしているので分類分けは難しい。

その時踊る男性によって変わる。
男性がトラディショナルな感じで踊ればトラディショナルだし、ヌエボ技を多様すればヌエボだ。









ただ、このブログで使っているこういう分類分けはあくまでも読者の方がクラスなどを取る時の参考になるように目印 として使っているだけで、
さっきも書いたように 全員が違う踊り方をしている し、
どう踊るかはそのとき次第 なので、
実際には 「あまり意味を持たない」  ということを覚えておいてもらいたい。






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