メン・ピン・タンゴ ツモっ!

南米のパリ、アルゼンチンはブエノス・アイレスで起こる
お洒落(?)な出来事を毒談と偏見で綴るブログ

マラトンdeタンゴ2日目

2007年12月13日 15時53分48秒 | イベント
 ガストンもショボいとヤバいと思ったらしくブエノスの友達にしてよく踊りに来る若手のプロダンサーたちがボチボチやってきた。
それに連れてオレがブエノスで撒いたビラだけじゃなくマルティンがラ・プラタで撒いたビラを見て客がやって来た。

この場所自体はヘンピなとこだがラ・プラタはブエノスと違い社会なのだ。
だからラ・プラタの人間には少しくらいの距離は関係ないらしい。
来た客はオレの知らない人が多かったのでみんなラ・プラタの人だろう。
12時を過ぎる頃には50人を超し、もともとそんなに大きなレストランではなかったので用意した椅子だけでは足りないくらいだった。

予想外の盛り上がりに加え、  
日が暮れるとともに街(?)に明かりが灯り立ち並ぶ洋館がすごくロマンティックになる。
レストランには大きな窓がいくつも並んでいて外が良く見えるのだ
そして反対側にはテラスがあり芝生と針葉樹が植えてある。

10~15組くらいが踊り、他の人が飲んだり、食べたり、喋ったり
踊るスペースもちょうどいい。DJの選曲もいい
もしかしてめっちゃヒットかも!?
こんなに雰囲気のいいミロンガはめったにない。
すごくいい!!


ショーが始まる2時過ぎには総勢60~70人はいた。
そして最初に踊るのはマルティン&カロリーナ
去年のプルポ・タンゴ・ウィークで踊ったらしいがあんまり覚えてない。
マルティンはノッポでモジャモジャ頭にメガネ。
なんかノンキなオタク君みたいな感じ。
カロリーナは赤い後ろ髪を伸ばして特攻服が似合いそうな面倒見のいいアネゴ。
外国では日本では有り得ない組み合わせも存在するんだな。
二人とも教えるのも上手かった。

マルティン・グティエレス & カロリーナ・ピッソ
MARTIN GUTIERREZ & CAROLINA PIZZO


タンゴ、タンゴ、ヌエボと3曲踊ったのだがどれもメッチャクチャ良かった。
すごいっ!!
よくフリーで踊ってるの見て「上手いな」とは思ってたがデモはほんとに良かった。

何がいいかっちゅーと「ムダ」がないのだ。
音楽のすべてのフレーズを余すところなく使ってる。
しかもムリヤリ入れるのではなく音楽に合ってるししつこくもない。
盛り上がりの所はしっかり盛り上げて流すところは流す。
流していても「捨てて」はいない。
前のフレーズの終わりからちゃんと準備してそのフレーズのイメージを表現してる。
見てる人間を飽きさせない。 計算しつくされてる。

おそらく2曲目はほんとにすべてのフレーズを使い切っていたので振り付けなんだと思うが完全リードなのではっきり分からなかった。
もちろん完全リードなのでコネクションはばっちり。
モデルノなんだがほんの少し固さが残ってる所がナベイラの弟子なのか?と思わせた。

ビデオでやってるのと同じ技をいくつか使ってたけど3曲中、同じことの繰り返しはなかった。
これはインスピレーションで踊るインプロダンサーとして無茶苦茶すごいことだ
おそらく彼は前回紹介したイスタンブールのエフレンのように持ちネタが多く、しかも音楽を知り尽くしているので瞬時に次のフレーズにあったものを引き出せるのだ。
あまりにも滑らかに出てくるので持ちネタなのかその時思いついたものなのか分からない。

音楽自体はすごく分かりやすい取り方をしてる。
つまり音楽が強調してる部分を押さえてそれをしっかり表現してるので分かりやすい。
緩急もあるし、盛り上げどころも計算されてる。
観光客用によくある「いかにも」っていう音楽に合ってない表現もないので重くもない。
ナベイラやオラシオのようにズバ抜けて音楽センスがいい訳ではないが「ムダ」がなく、飽きさせない計算された音楽の使い方はすごく勉強になった。
ここまでフレーズをすべて使っているダンサーは見たことがない。
これはモデルノ系ダンサーの一つの理想系かも。

これをタダで見たのでフォーエバーに25ペソも払ったのがほんとにバカ臭くなってしまった。


そして1タンダの後、マリエラ&ガストンの出番となる。
タンゴ、この前のサンバの振り付け、タンゴと踊ったのだが、振り付けはいいとして完全即興だったほかの2曲が全然ダメだった。

そう、インスピレーション系ダンサーは音楽に乗れなかったり、発想が浮かばないとどうしようもないのだ。調子のいいときと悪いときですごく差がある。
ダナパブなんかがいい例。
ダナパブは身体の使い方が完璧なので歩いてるだけで勉強になるがやっぱり何かを期待してしまうので調子が悪いとガッカリする。
も同じ。

何かが浮かぶまで踊りながら考えてるんだけど方向性がないので見てて飽きてしまうのだ。その「ツナギ」の部分が長いのは調子が悪くて何も浮かばないということ。このときに持ちネタを瞬時に出せればいいのだが。。。
を見たあとなのでなおさら引き立ってしまった。


その後、予定ではチーノの歌とオルケスタだったがキャンセル。
マラトンの客が入ってないから仕方ない。
それでもすごくいい夜だった
客が帰った後も疲れてるのにみんなで朝まで踊ってた。

         

50人ドミに戻り倒れるように寝込んで起きたのが11時。
朝ごはんを食べた後、マラトン参加者とブエノスから来たダンサーたちとでアトラクションで遊びに行った。

ショボい遊園地だがみんなで遊ぶと楽しい。 
カークラッシュやボートクラッシュでみんなでぶつけあったり、ジェットコースターに乗ったり。

ひととおり遊んで疲れたころにアサドをやることになった。
みんなで25人くらい。テーブルをならべて食べる。
ガストンがよく働くんだこれが。カロリーナもアネさん女房でよく働くし。
なんかここに来てるアルゼンチン人はほんとにみんなよく働く。
日本人のオレが働いてないのに。。。

食べてるときに普段は話さないダンサー達と面白い話をした。
下ネタも多かったが結構長く踊ってるダンサーがいて昔の話をしてくれた。

昔、まだボエドにガレリアがあった頃、ナベイラやファビアン、チチョたちがクラスをやってた。10年近く前の話だ。
今は「ヌエボ」と名づけられてるコルガーダやボルカーダなんかは彼らが作ったと思われてるけどほんとは昔からあった。昔はステップの一つとしてしか使ってなかったものをナベイラたちが仕組みを解析して色んな形に応用させたのだと。
実際ミロンゲーロたちも小さいコルガーダを使うし、ガビートなんてバリバリ「ボルカーダ」だし。

       

 満腹でちょっと一息ついてゴロゴロしてるとモイラがやってきて
「おどろう!」と誘ってきた。

お、おおぉぉーーっっ!!
あの、モイラ・カステシャーノと踊れるなんて、オレからはとても誘えないのに向こうから誘ってもらえるなんて、なんと光栄なっ!
オレ・マイ・ベスト超一流女性ダンサーのひとりだよっ!!
せっかくなんでビデオも付けとこう。
http://jp.youtube.com/watch?v=ZrpmMPYZ4Lo

上手いっしょ? めちゃ上手いっしょ?
上手いんだよ、これが。ホンマに上手い!!
結構プロでもビミョウなダンサー多いけど、モイラは完璧だった。
100パーセントこっちのリードどおり。
足の先まで繋がってる!!

バイア・ブランカとかメロディー系の曲が多かったのでゆっくりと音と踏み方を選んで踊る。
オレが感じてる音楽をしっかり感じてくれる。
メロディーの「あいまいな音の取り方(音と音の間を使ったり)」を完璧に感じてくれる。
途中で両足に体重を乗せて身体の中を流れるエネルギーと微妙な体重移動だけで遊んだりした。
ボレオも足の指先まで上から順番にエネルギーが伝わっていくので強さも角度も脚の上がる高さもすべて完璧にリードどおり、ガンチョの深さも毎回計算どおりだった。

4、5曲、リードミスもなかったのでほんとにいい踊りが出来た。

すごい、モイラやっぱりすごいっ!!


         

6時過ぎ、今日のクラスが始まった。
またまた先生4人でクラス。
今日はミロンガのクラスだった。
ミロンガのクラスなんてまともに取ったことない。

やったのは中級レベルのステップをいくつか
中級なんで難しくなかった。
というか、適当に踊ってるときになんとなくやってるようなステップだった。
ミロンガって音楽に乗れればそれだけで楽しいよね。


クラスが終わったのが8時ごろ。
時間もちょうど予定では終了の頃だし、みんな疲れてるし、結局メンズテクニックはなしでお開きということになった。

結局2日間、ぜんぜん時間が余らなかった。
持って行った「SUDOKU」もオヤツもまったく手付かず。
結局すべて取り越し苦労だった。
儲からなかった主催のを除けばほんとにみんな大満足して帰っていった。