ヨーロッパの文明の始まりから近代へ至る歴史を辿ってきましたが、おしなべて多くの人が自由に物事を述べ、自由に物を選択でき、自由に生活する事が可能となったのは、“近代”以降ではないかと私は考えております。
私たちは日本に住んでいますが、現代の生活において、近代以前つまり明治以前の先人の方々が営んできた衣食住のスタイルをそのまま踏襲している事はもちろんあるものの、変化してきたスタイルも少なくないのではないかと思います。
むしろ、衣食住の各分野において、ヨーロッパやアメリカの生活様式が、近代以降に日本へ伝来し、当事それらが合理的で衛生的だと判断し、その結果現在の私たちの生活様式の標準になっている事が少なくないと思います。
例えばジーンズを履いたり、冬に毛織物をはおったり、フォークとナイフを使って食事をしたり、食事にナプキンを使ったり、座式から椅子式への転換などです。
さて、私たちの生活の身の回りには建築、家具、機器、日用品など“物”であふれています。
そして“物”が私たちの生活をより便利に、そして快適にしてくれています。
そして“物”は見てくれが悪いよりは良いに越したことが多いと思います。
そして極論しますと、“物”は、“デザイン”とその“機能”により評価する事が出来ます。
言わば“物”は、いかに“機能”性を高め、みてくれ良く“デザイン”されるかがポイントです。
さて、私たちの今日の生活様式にとりわけ大きな影響を与えてきたと考えられるヨーロッパ、そして、アメリカの近代において、“ものづくり”、そして、“デザイン”、とりわけ、“モダンデザイン”がどのように確立されてきたのか、これからはその過程を辿っていきたいと思います。