モダンデザイン・デザイナーズ家具・名作家具を考える。

世の中のすべての製品には歴史があり、現在に至ります。
製品の歴史、変遷、デザインを辿りたいと思います。

デ・ステイル(近代建築運動・芸術運動-12)

2013年09月02日 | 近代建築運動・芸術運動

オランダでは、アール・ヌーヴォーが終焉を迎える19世紀初頭、創作は個人の感性を絶ち、客観的な表現を目指す事、又、機能的・合理的な現代生活にかなう様式を確立する事を目的とし、『デ・ステイル(1917-1931 De Stijl)』運動が始まりました。

デ・ステイルは、自然、感覚的な曲線を手本とするアール・ヌーヴォーの思考を払拭し、造形の3次元的なヴォリュームを、造形の基本となる平面に還元、整理、再構成し、対象を客観的に、普遍的にとらえ、直線的、幾何学的模様による表現を試みました。

又、機械技術の発展が純粋な形態を生み、機械による生産方式を採用する事が、純粋な美を創造する事を提唱します。

モダンデザイン・デザイナーズ家具・名作家具を考える。-赤と青の椅子(Red and Blue)運動に参加した ピエト・モンドリアン は、個性的なもの、感性的なものを否定し、純粋性、普遍性を求め、抽象的構成を目指しました。

『純粋な造形的表現は、線、面、色彩の関係により創造される』 と主張し、主観的、感覚的な色彩表現を絶つために、色彩を赤、青、黄の3原色と黒、灰、白のみに限定しましたが、それは、デ・ステイルが、他の近代建築運動・芸術運動に比べて色彩的な印象が強くなる結果にもなりました。

左のリートフェルトの直線、面材で構成される椅子 『レッド&ブルー』 や、水平線、鉛直線、それらの線が集まり面を作り出し、面の集合体が造形を構成する住宅 『シュレーダー邸』 は、デ・ステイルの理念を具現化しました。

デ・ステイルは、同時期のバウハウス(Bauhaus)キュビズム(Cubism) などとも深く関わりを持ちました。



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