白馬ツバメの独り言

北アルプスの麓 厳しい自然界で健気に逞しく生きている命たちとの出会いは
優しくて時に悲しい・・・

木の実がたわわに・・

2007-09-25 | 山の動物達

去年はほんとうに悲惨だったもの・・・木の実も山の果実も大凶作だったね。
奥山は更に ひどかったようで、かわいそうに木の実を主食としている鳥や小動物たちが早い時期から里へ餌を求めて下りてきていたっけ・・・前の年に木の実が豊作で子供が多く生まれていたツキノワグマもやはり餌を求めて里へ下りてしまい例年にない大量出没・・結果、長野県では山形県に続く捕殺数だった・・
ご近所のペンションの庭で日だまりの中、親子クマがつかの間じゃれあっていたのを窓越しに見ていたそこの方は、あわれでいたたまれなかったと・・・母クマは捕殺されてしまい、二頭の子熊は半狂乱で母クマにしがみついていたそうだ・・・母クマのお腹を開いたら・・からっぽだったって・・・
想像してみてください・・ 去年のそんな悲劇の繰り返し・・私は思い出すたびに泣けてきます
クマは馬鹿じゃない。好き好んでわざわざ鉄砲を持って待ち構えている怖い人間のいる里へなんか下りてこないよね。
あの時は、みんなみんなお腹を空かせて・・子供たちを抱えた母さんクマたちは必死だったんだよ・・・親子クマは危険だと・・・親が子供を必死で守ろうとするのは・・・みんなみんな同じなんだね・・ただ、それが人身被害という最悪の悲しい結果を生んでしまったことから、「クマ=危険=即刻捕殺」となっていってしまう・・・でもさ・・・温暖化の異常気象や自然破壊で、年々山が荒廃して行ってしまっているのは・・・・山に登って食べ物をポイ捨てしたり、生ゴミの管理をきちんとしないモラルのない人たちたくさんいて、それが「餌付け」行為に等しいこと・・これって誰の責任だろうね・・・山奥で静かにひっそりと暮していた動物達に何の責任があるのかね・・・
想像してみてください・・・自分がもしも「母クマ」だったら・・・「子熊」だったら・・・
子供を命がけでどんなことをしても守りますよね・・・大好きな優しい母さん目の前で殺されたら、気が触れてしまうよね・・・
クマってとても知能の高い動物だと聞いたことある。知能が高いということは・・・感情をより多く持ち合わせているということだよね・・・子供残して息絶えた母クマ・・どれだけつらかったろうね・・悲痛な思いを残してみんな死んでいったよ・・・
子供の頃、親や学校の先生に
「相手の気持ちになって考えましょう」って教わった。「自分がされて悲しいことは他人にしないようにしましょう」って教わった。
それって・・対人間だけのこと?人間だけにあてはめれば正しいの?
どんな命でもできることなら生かしてあげたいよね・・・殺生したくないよね・・・慈悲の心は大切だ。
ただね・・・そうは思ってはいても・・・
想像してみてください・・・自分の大切な人や子供が運悪くクマによって大怪我をしてしまったり、亡くなってしまったら・・・
きっときっとその立場になったら・・「慈悲」だの「保護」だのって聞けば聞くほどはらわた煮えくり返るよね・・・「自分が身内だったらどう思うんだよっ」って・・・
そうなんだよ・・・人間は・・・私もね・・そうなんだよ・・・
矛盾しているけど・・・悲しいけど・・・そうなんだよ。
だから・・・クマが人里に下りてこなくても平和で静かに暮せる奥山を・・・やっぱり壊していってしまった私たち人間が、出来ることから復元させていってあげなくてはいけないよね・・・ 
前回も書いたけれど 「駆除」の前に私たち人間側も 「駆除」しなくてもいい環境を彼らに返していってあげなくてはね・・・
だっておんなじこの地球上で今を生きているんだもん・・
地球は・・人間のためだけにあるんじゃないもん・・・あらゆる命がそれぞれの役割を持って存在して、生態系が成り立って・・・だから人間も存在できているんだもんね。
「仏心」 人間は誰しもほんとうは持っているはずなんだよね・・


今年は、長野県のドングリ類は「並作」と発表された。ブナは「凶作」
去年の大量捕殺から生き延びたクマたち・・
どうかどうか、もう里には下りてこないで、奥山の木の実を食べて静かに冬眠してね

今年、家の周辺に生っている木の実の画像です。
栗とトチの実意外は去年すべて「凶作」で実が生らなかったものです。

ドングリ コナラ  クマもリスもカケスもヒメネズミも大好き


ドングリ クヌギ 今年は豊作~ たくさん生っているよ


これはトチの実 殻がたくさん・・食べたのはだぁ~れ?


野生の栗 去年も栗だけは良く生っていたね



クルミ ハシボソカラスがよく空中から殻を落として中身を食べているね。

 

コブシの実 今年はすごい ハシブトカラスの大好物。今の時期集団で食べに来るね。不思議なのは同じカラスでも、ハシボソはコブシを食べない。なぜ?


イチイ どの野鳥達にもけっこう人気の赤い実。



ノイバラ ジョウビダキやツグミなど冬鳥がよく食べていたなぁ



ナンテン 今年はたくさん生っているね。一昨年ヤドリギに集まってきていた冬鳥のキレンジャク、ヒレンジャクも食べるみたい。今年は来るかな?




キハダ わりと最後まで残っている実で冬の後半ツグミたちが集団で啄ばんでいる。



・・・と、まぁ今年はほんとうにいい感じで木の実がたわわに生っている。
ムラサキシキブも来月になれば美しい紫色になるね・・・保護メジロの命の大好物。

毎年、こんなふうに順調に木の実が生ってくれるといいなぁ・・
人も野生鳥獣も・・・平和に・・ほど良い距離で共生していきたいね


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9 コメント

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人間てやつは・・・ (銀河のくまた)
2007-09-26 10:10:38
神戸はイノシシ被害で有名ですが、実は今年の春にアライグマが防除対象動物になったんです。
防除というのは捕獲・処分をしてもいいと言うことです。
イノシシの場合は六甲山から住宅地に下りてきたイノシシに餌付けをして、それに馴れた?イノシシが人を襲うというものでした。
アライグマの場合は飼っていたアライグマを六甲山に捨てて、そのアライグマが民家の天井などに棲みついて被害を起こすというものです。
人間の身勝手な「遊び」の行動で必死に生きようとしている動物が殺されてしまう。
まずは人間が反省をして、共存が出来る環境を作り出していかなければ、人間の被害より動物の被害の方が悲惨な結果になるのでは・・・
とは言っても何もしていないおっちゃんも加害者です。
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私も加害者かも (コスモス)
2007-09-26 10:55:29
私の近所には、ハシブトカラスが沢山います。すぐ横の高圧線の鉄塔に以前その巣がありました。子供が2羽かえりなんとか巣立ち時々巣に帰ってきていたんです。ところがその巣は業者によって取り払われ帰る巣がその子達にはなくなってしまったんです。そして近くの森もどきに引越し(ホッ!)今でも時々鉄塔に帰ってきますが・・故郷をなくし少し怒ってるように見えます。だんだん野生動物や鳥が住みにくくなっているのは現実なんだと思い知らされます。
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Unknown (ブトボソ)
2007-09-27 05:55:25
クマの問題は北海道でもあります。「クマが出た」と言うだけでわざわざハンターを雇い、山林へ入りクマを探すのですよ。運が悪かったら射殺されてしまいます。

カラスとクマの意外な関係っ知っていますか?カラスがゴミステーションから食べ物を山へ持って行き貯食をします。するとその匂いを嗅ぎ付けたクマが下りて来てしまうそうです。

カラスもクマも極々自然な行動をしているに過ぎません。カラスがゴミを貯食しなければクマは里へ下りて来る事もなかったのでしょう。原因を作っているのはやはり人間側のようですね。
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銀河のくまたさんへ (白馬ツバメ)
2007-09-28 21:50:09
こんばんは。ペットとして飼っていた様々な生き物が飼いきれずなのか飽きたからなのかいとも簡単に捨てられて、とんでもない場所にとんでもない生き物が見つかったりと・・いつからこんないいかげんでモラルのない世の中になったのか・・最後の最後まで責任持ってその命を預かれないのなら「はじめから飼うなよっ!」外来種が元からあるものの生態系を崩すことも多いのに。白馬でも観光に来てペットをそのまま置き去りにして帰っていく人います・・「きっと誰かが拾ってくれるだろう」フザケルナ!「こんな自然がいっぱい、きっと餌も豊富に獲れるはず。」雪が降れば終わりだよ! 
人間の勝手な一方的な都合だけで、あらゆる生き物が駆除されたり、絶滅させられたり・・こんなんで・・ほんとにほんとに・・・いいんでしょうかね?
天罰・・・来ますね・・・私たち・・
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コスモスさんへ (白馬ツバメ)
2007-09-28 22:06:38
こんばんは。野生鳥獣たちは、どんどん住処を追われ行き場をなくし・・・滅んでいってしまうのでしょうかね・・こちらでは「ライチョウ」があと十年先には・・絶滅するのではということです・・温暖化で、ライチョウの生息できる限られた山頂付近も危機です。カラスや狐がライチョウのいる標高の高い場所までやってくるようになりました。時間の問題でしょうね・・ひとつの種を絶滅させてしまうことが、どれほどの大きなことなのか・・今の大人たちはちゃんと子供たちに教え伝えているのかな・・・
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ブトボソさんへ (白馬ツバメ)
2007-09-28 22:13:55
こんばんは。カラスが貯食をしたものをクマや狐が掘り出して・・そうしたら矛先はこんどはカラスになりますかね。人間は自分たちのしでかしていることにはすべて棚の上ですからね。
地元の猟師が畑のカラス避けに、生きているカラスを仕留めて車に乗せて走らせたらどこまでも追いかけてきたそうです。・・・巣立ち雛を殺ってしまったんでしょうね・・ひどいもんですね。でも・・体調があちこちすぐれないそうで・・知能の高い鳥獣立ちの怨念て・・怖いものですよ・・・ねぇ
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Unknown (ブトボソ)
2007-09-29 16:57:38
死骸を吊り下げるのは法律い触れませんか?
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ブトボソさんへ (白馬ツバメ)
2007-09-29 21:39:44
こんばんは。カラスの死体そのままでなく、羽の部分からをバッサリ切抱かしてぶら下げているのは見かけます。有害鳥獣とされている生き物達には「違法」の前に「農作物に多大な被害が及んだ」とか「危険だったので」ということで「駆除」なんでしょ。事後報告なら実際のことはわからずじまいですからね。多々あることでしょうね。「違法」を正当化するのはなんとでもなる・・これが現状でしょう。
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Unknown (ブトボソ)
2007-09-30 06:03:24
何でもありの世界ですね。カラスやクマを悪者にする前に自分達の行いを改めるという事が必要なのですが、これが全く実行されていないのが現状ですよね。悲しいです。
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