岬のマヨイガ
著:
柏葉 幸子 絵:さいとう ゆきこ
講談社

子供の頃大好きだった「霧の向こうの不思議な町」を書いた柏原幸子の作品だから読もうと思っていたのだけど、東日本大震災関連本はルポルタージュなどは沢山読んだけど、フィクションは・・・と読んでいなかった本。
図書館の震災コーナーにあったので、読んでみる気に。
東日本大震災時の三陸の町の様子や町の人々の心はノンフィクションだったり(釜石で駅のプラットホームに逃げた話)、遠野物語の“カッパ”“マヨイガ”“おしらさま”“座敷わらし”などは昔話のよう。
でも、遠野や六角牛山とか実在の地名もあり、盛岡のお地蔵さま(大智田中地蔵尊(四ツ家の地蔵さん)かな?)や気仙沼の一景島神社(角がある狛犬がいたはず)も実在する。
地図の遠野から海にでたところだから、狐崎城跡もあるし釜石だろうなと。
「霧の向こうの不思議な町」と同じく、現実とファンタジーの間を行き来している。
そして、“アガメ”“海ヘビ”は悪だけど、もともとは悪ではなかったこと、彼らによって海に引き込まれそうになったり、狐崎から出ていくことをせまられたり、でも残る人々がいるのは、津波被災地民の海と地元との複雑な心境をあらわしているのかなと。
いろいろ考えさせられるお話だった。
★★★★★
講談社
内容紹介
あの日、両親を亡くした萌花は親戚にひきとられるために、そして、ゆりえは暴力をふるう夫から逃れるために、狐崎の駅に降り立った。彼女たちの運命を変えたのは大震災、そして巨大な津波だった。命は助かったが、避難先で身元を問われて困惑するふたり。救いの手をさしのべたのは、山名キワという老婆だった。その日から、ゆりえは「結(ゆい)」として、萌花は「ひより」として、キワと女三人、不思議な共同生活が始まった――。
『霧のむこうのふしぎな町』の柏葉幸子、デビュー40周年記念作品。
岩手県出身、盛岡市在住の柏葉幸子氏が、ついに東日本大震災をモチーフに筆を執った! 児童文学の大家が描く、日常ファンタジーの意欲作
あの、おそろしい地震のあった日、萌花ちゃんは、会ったこともない親戚にひきとられるために狐崎の駅を降りました。そして、たまたま同じ電車に乗ったゆりえさんは、自分の境遇と似た萌花ちゃんから目が離せず、いっしょに駅を降りてしまいました。ゆりえさんは、暴力をふるう夫から逃れるために、あてもないまま東京から見ず知らずの北の地へと向かっていたのでした。
そんなふたりの運命を変えたのは、狐崎のまちを呑み込んだ巨大な津波でした。
中学校の体育館に避難したふたりは、身元を問われて困惑します。だって、帰れる家、帰りたい家はないのです。手をにぎり合うふたりに救いの手をさしのべたのは、山名キワさんという、小さなおばあさんでした。
その日から、ゆりえさんは結(ゆい)さんとして、萌花ちゃんはひよりちゃんとして、キワさんと、世代の違う女性三人の、不思議な共同生活が始まったのです――。
遠野物語を彷彿とさせる東北の民話が随所に挟み込まれるほか、河童や狛犬といった異世界の住人たちが数多く登場する日常ファンタジー。
目次
1 三人の避難所
2 新しい名前と古い家
3 おばあちゃんの昔話
4 三つ窯稲荷
5 不思議なお客様
6 動きだした怖いもの
7 お神楽を見た夜
8 アガメと海ヘビ
9 誰にでもある思い
10 不思議な見張り
11 おばあちゃんの故郷
12 本物のマヨイガ
13 遠野の不思議な人たち
14 帰ってきた人たち
15 赤く光る目
16 海ヘビの思惑
17 海ヘビの正体
著:
柏葉 幸子 絵:さいとう ゆきこ
講談社

子供の頃大好きだった「霧の向こうの不思議な町」を書いた柏原幸子の作品だから読もうと思っていたのだけど、東日本大震災関連本はルポルタージュなどは沢山読んだけど、フィクションは・・・と読んでいなかった本。
図書館の震災コーナーにあったので、読んでみる気に。
東日本大震災時の三陸の町の様子や町の人々の心はノンフィクションだったり(釜石で駅のプラットホームに逃げた話)、遠野物語の“カッパ”“マヨイガ”“おしらさま”“座敷わらし”などは昔話のよう。
でも、遠野や六角牛山とか実在の地名もあり、盛岡のお地蔵さま(大智田中地蔵尊(四ツ家の地蔵さん)かな?)や気仙沼の一景島神社(角がある狛犬がいたはず)も実在する。
地図の遠野から海にでたところだから、狐崎城跡もあるし釜石だろうなと。
「霧の向こうの不思議な町」と同じく、現実とファンタジーの間を行き来している。
そして、“アガメ”“海ヘビ”は悪だけど、もともとは悪ではなかったこと、彼らによって海に引き込まれそうになったり、狐崎から出ていくことをせまられたり、でも残る人々がいるのは、津波被災地民の海と地元との複雑な心境をあらわしているのかなと。
いろいろ考えさせられるお話だった。
★★★★★
講談社
内容紹介
あの日、両親を亡くした萌花は親戚にひきとられるために、そして、ゆりえは暴力をふるう夫から逃れるために、狐崎の駅に降り立った。彼女たちの運命を変えたのは大震災、そして巨大な津波だった。命は助かったが、避難先で身元を問われて困惑するふたり。救いの手をさしのべたのは、山名キワという老婆だった。その日から、ゆりえは「結(ゆい)」として、萌花は「ひより」として、キワと女三人、不思議な共同生活が始まった――。
『霧のむこうのふしぎな町』の柏葉幸子、デビュー40周年記念作品。
岩手県出身、盛岡市在住の柏葉幸子氏が、ついに東日本大震災をモチーフに筆を執った! 児童文学の大家が描く、日常ファンタジーの意欲作
あの、おそろしい地震のあった日、萌花ちゃんは、会ったこともない親戚にひきとられるために狐崎の駅を降りました。そして、たまたま同じ電車に乗ったゆりえさんは、自分の境遇と似た萌花ちゃんから目が離せず、いっしょに駅を降りてしまいました。ゆりえさんは、暴力をふるう夫から逃れるために、あてもないまま東京から見ず知らずの北の地へと向かっていたのでした。
そんなふたりの運命を変えたのは、狐崎のまちを呑み込んだ巨大な津波でした。
中学校の体育館に避難したふたりは、身元を問われて困惑します。だって、帰れる家、帰りたい家はないのです。手をにぎり合うふたりに救いの手をさしのべたのは、山名キワさんという、小さなおばあさんでした。
その日から、ゆりえさんは結(ゆい)さんとして、萌花ちゃんはひよりちゃんとして、キワさんと、世代の違う女性三人の、不思議な共同生活が始まったのです――。
遠野物語を彷彿とさせる東北の民話が随所に挟み込まれるほか、河童や狛犬といった異世界の住人たちが数多く登場する日常ファンタジー。
目次
1 三人の避難所
2 新しい名前と古い家
3 おばあちゃんの昔話
4 三つ窯稲荷
5 不思議なお客様
6 動きだした怖いもの
7 お神楽を見た夜
8 アガメと海ヘビ
9 誰にでもある思い
10 不思議な見張り
11 おばあちゃんの故郷
12 本物のマヨイガ
13 遠野の不思議な人たち
14 帰ってきた人たち
15 赤く光る目
16 海ヘビの思惑
17 海ヘビの正体