語学は「語楽」--英語を楽しく学びましょう

英語の学習をしていて、「おや?」と思われる点について、みんなで考えてみたいと思います。

宮城大学2003年度後期

2008-03-04 17:27:16 | 英語の学習と研究

全訳
 1950年代以降、アメリカ人は国内の都市部から、急速に発展する郊外へ移り住んでいる。かつては、アメリカンドリームを求めてバージニア州のタイソンズコーナー、カリフォルニア州のサンフェルナンドバレー、コロラド州のオーロラ、ワシントン州のフェデラルウエイといった所へ集中した。
 今日、これら郊外地域は40年間の開発が失敗したことを露呈している。かつては都市部が抱える問題からの逃げ場所と信じられた地域社会が、ひしめきあう街並みに変わり、そこには高速道の渋滞、犯罪発生率の急増といった問題や、何マイルにも及ぶ金太郎飴のごときショッピングセンター、フランチャイズ店の建物、個性無き団地が存在する。
 従って、アメリカ人が再び移動を開始したからといって驚くに値しない。ただし今回の移動で開発地が郊外からさらに辺鄙な田舎へと変わっただけの話。郊外から逃れ、小さな町や広大な土地へ移住しようとする人間が増加している。そこは、アメリカ屈指の国立・州立公園、野生動物保護地区、森林、史跡、原野、その他公共の名所に隣接しているのだ。
 ゲートウエイコミュニティとはこれら公共の名所に隣接している町や都市を意味するのだが、アメリカの移動する民の多くが好んで選ぶ目的地でもある。風光明媚であることと生活の質が高いため、ゲートウエイコミュニティは郊外や都会の交通渋滞・単調な生活・せわしない生活リズムから逃れたい数百万人のアメリカ人を引き付けてやまないのだ。
(中略)
 アメリカ人は常に日常生活のプレッシャーから離れて余暇を楽しみたいと思ってきた。今日、彼等にはそうすることができるだけの財力がある。社会学者たちは、セカンドホームを持ちたい、手付かずの景勝地でリゾートライフを楽しみたいという気持ちの高まりをベビーブーム世代の高齢化にあると見る。今後10年間でアメリカ人の中に占める45歳~54歳の年齢層が5割ほど増加する。この年齢層は可処分所得・可処分余暇が有り余るほど持っている世代だ。
 さらに、コーネル大学の経済学者の最近の研究によれば、ベビーブーマーたちは親が蓄えた株と不動産で約10.4兆ドルを相続しそうな状況にあるらしい。こういった遺産を当てにすれば、ベビーブーマーたちのゲートウエイコミュニティにセカンドホームや別荘を持ちたいという需要がさらに高まると予想される。

(正解)
問1 1950年代からアメリカ人は都会から急速に発展する郊外へ移り住んでいる。
2 (A) after  (B) no  (C) on  (D) from
3 郊外の開発の失敗に伴い、リゾート地に隣接した田舎へ移り住むようになったこと。(38字)
問4 公立公園、動物保護地区や史跡など公共リゾート地に隣接する街や都市。(33字)
問5 親から引き継いだ株や不動産がある裕福なベビーブーム世代が老齢化し、リゾートライフを求めるから。(47字)
問6 10兆4000億ドル