鳥とパイプと日本酒のおっさんメモ

おっさんの日々の散歩における鳥たちの写真と、好きなパイプタバコの感想
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Captain Earle's - Honor Blend その2

2019年12月26日 | パイプタバコ
2019 12月

前回の記事の続き  となります

そのいきさつは このブレンドに含まれているペリクが気になったことから始まります。

色んなブレンドにペリクが使われていますが ブレンドごとにそのペリクの印象が全然違う事に気がついたわけですね・・・。
何故 これほどまでに印象が違って来るのか あるいは 本当のというか本来のペリクの味って
いったいどんな味がするのか 非常に気になるところとなります・・・。

一般的に レイズン だとか プラム イチジクのようなダークフルーツの味を伴い
酸味 酸っぱみが強い    そしてペッパリィなコショウの様な刺激を伴う様です

エスクード とかも ペリク入りですが 微かな酸味とレイズンの様な甘味があるだけで
それほどペリク自体 特徴的だとは思いませんし
一般的 VaPer ブレンドは皆そういった感じの仕上がりになっています。
それが普通ということの様ですが


このブレンドのように 強いペリクの影響ある喫い味(特に開けたては強烈です)
は 前述のブレンドとは 明らかに一線を隔します
前にも書きましたが Telegrapfhill の開缶直後のペリク味
あるいは SG の SJF の折り畳んだままのペリク味 などを経験すると
これらのブレンドに使われている ペリクって 気になってしまいます。


そこで 同じようなペリクの熟成臭の強かった
Cornell & Diehl - Chenet's Cake

このタバコ まだ手元にあって吸えるのですが
このブレンドと比べると ペリクの味は穏やかで 甘みが強いです
当初感じた ペリクの熟成臭とは裏腹に さほどペリクの印象は強くありません。

それに比べ 当ブレンドにおける ペリクは 強烈です
レイズンや プラム ペッパー というのでなく 酸味というか酸っぱみというか
そう言った熟成による深い味わいがあります まさに漬物 という感じの味がします。


そしてこの時 Pierre Chenet について書いた己の記事を読んで愕然としましたね!

誰がフランスの彫刻家って・・・ 知りませんでしたね その意味が・・・・・・。


実は何を隠そう
この人こそ ルイジアナの中の セントジェームズパリッシュ で 現地のインディアンが
木の幹をくりぬいてその中にタバコを詰め 水分が出てくるまでつついて加圧してつくる
いわゆる原始的ペリクの作り方を 最初に発見して世に広めた人になります
インディアン自体は大昔から そういったつくり方でこのタバコを喫っていたようです。

その事は いろいろなものに書かれていました
 ペリクという名のスパイス

そしてこちらには あの高名な Jinsen さんのブログの中に詳しく書いてあります ちょっとお借りして
 ペリクの真実 リンクを貼り付けておきます

そのJinsenさんの記事の中にリンク記事があって その中に
この 最初にペリクというものを世に広めた Pierre Chenet という人は
フランスから追われたのか 出て来たのかはよく分かりませんが
フランスからアメリカに移住した いわゆる Acadian(アカディアン)だったんですね

彼はルイジアナに住みつき こうしたペリクの作り方を確立して行きます
St.James に対しての アカディアンペリク というのは
原料葉 に この地域でしか取れない セントジェームズ葉に  似たような形態でありながら 他所でたくさんとれる ケンタッキーや グリーン・リバー・バーレィ をブレンドして
同じ製法で作られたペリクを指すようです。
そしてその名前の由来は Acadian である ピエール・シェネ から来ているようです。

そう言ったいきさつですから C&D でこの Chenet's Cake という名前を付けたのも理解できます つまり ペリクの 創業者に敬意を表しての ネーミング だったわけですね。
実にとんちんかんなことを書いてしまいました 無知を恥じてしまいますね。



さてここで気づいたのは 真正のペリクも アカディアンも 作り方は同じかと思われます

1917年に シェネ の子孫が このセントジェームズに会社を作ります
A.L Poche という人がその方ですが ピエールシェネの 5代目の子孫になりますか。
現在 2005年から L.A. Poche Perique Tobacco を買い取った
Mark Ryan さんのお話しによれば

現在 原料の方もアメスピに買い占められた農家以外に 生産を依頼して 潤沢に入るようになり 生産量は倍増しているそうです
また 2017年の情報で この地区の セントジェームズ農家は 25件になったと書いてあります
  Perique
そうであれば ペリクの方の生産も順調で 以前のような絶滅の危機に瀕した状態は脱したようです。

Ryan さんのお話しによると 今は 純正の セントジェームズペリクも
アカディアンペリクも 両方揃っているみたいですが
注文が圧倒的に多いのは アカディアンの方だそうです とくにヨーロッパではそういった傾向が強いそうですね。コストの面も 喫い味 の方もマイルドな方が好まれているのかも
知れないですね。



話は戻りますが この Pierre Chenet
孫娘が 1917年に この地に会社を興した L.A Pocheのおじいさんと結婚するので
つまりずっと末裔迄 このペリク製造に関わっているからすごい
家訓のようなものがあるんでしょうね。
1700年代から 南北戦争の ある 1800年代を通り 1917年に子孫が会社を興します

でもペリク作りは大変で 大変な労働を要する様です
なので 色んな困難があったようですが 原料を絶たれたのが一番の困難だったようです
しかし 現在の Ryan さんがそれを乗り切ったのは喜ばしい事です。


どうも タバコの葉っぱというものは 何処ででも作れるというものではない様です
土壌と 気候 などに大きく影響を受けるようです。

  Where Your Tobacco Comes From

という あの Russ Ouellette さんの記事を見つけましたが
オリエント葉を アメリカで育てようと 種を持ってきて育ててみたのですが
バーレィ に似た葉っぱになるだけで オリエントは育たなかったというはなしは
有名な話の様ですが

このペリクに関しても このルイジアナの セントジェームズパリッシュと ミシシッピー川
を結ぶ 三角州でしか取れないそうです
500エーカー 程の狭い土地の様ですから 農家の数も少ないようですが
この土地特有の 強い酸性の土壌と 気候が この地でしか セントジェームズ葉 を育ててはくれない様です。
この地では カイエンペッパー なども作られており そう言ったペッパリィな味がするのはそう言ったことがあるのかもしれないのですが
この地でとれる葉っぱは バーレイに似てはいますが 全く違っているそうで
あのペリクの独特の味は ここの葉っぱでなくては出ない様です

そういったこの地でしか取れない葉と 独特の嫌気性醗酵による漬物のような製法が
あのなんとも不思議なペリクを作り出したのだからすごいです。


Chenet's Cake  の方は 独特の醗酵臭があるのですが 酸味はさほど強く感じません ということは シェネ にちなんで Acadian ペリク の作品だと思いますが

こちらの Honor Blend の方は ペリクが独特の酸味と酸っぱみを出してきます
こちらの方は あるいは セントジェームズが強いのかもしれません。
味わいは全然異なりますが ペリクとしては 後者の方が好きかと思います。
まるで シガーの様な味も強く出ているのですが
その熟成による醗酵した味が あの Three Nuns を思い出させます
よく味わうと とても美味いタバコであると思いますね。


SG の SJF のペリクと似た味がすると思ったのですが
もっと強烈な味わいになります
その原因は もう一つ オリエントというかターキッシュにあるようです。

今回はここまでにして 次回は このターキッシュを考えてみます
それでは また   
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