日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

アブラハムにはイサクが生まれた

2018-08-09 | Weblog
 歴代誌上1章 

 34節「アブラハムにはイサクが生まれた。イサクの子は、エサウ、イスラエル」(新共同訳)。

  歴代誌は、「歴史書」として読まれるが、原書名は「日々の出来事」(ディブレー・ハヤミーム)。ヘブライ語聖書では「諸文書」(ケスビーム)に分類される。内容は、創世記から列王記までの歴史を資料としてあり、特にダビデ王朝を視点にして綴られた文書である。1~9章まで「系図」である。「我が家の系図」と考えれば興味と関心が沸くが、他人の系図など無意味である。それと同じでイスラエルの民にとって系図は特別な意味を持つ。
 1節「アダム、セト、エノシュ~」。小見出し「アダムからアブラハムまでの系図」。小見出しの通り、27節までアダムからアブラハムまでの系図。アダムとセトの間に創世記4章1~24節のカインからメレクの系図が排除されている。
 4節「ノア、セム、ハム、ヤフェト」。ノアの息子三人の系図は、亜流のヤファト(5~7節)、ハム(8~16節)に続いて嫡流のセム(17~19節)になる。セムの場合も亜流ヨクタン(20~23節)から嫡流のアルパクシャド(24~27節)になり、アブラハムに至っている。
 28節「アブラハムの子は、イサク、イシュマエル」。小見出し「アブラハムの子孫」。アブラハムの子孫では亜流イシュマエル(29~33節)で、嫡流イサク(34節)からイスラエル(個人名として扱われヤコブはない)に言及はするが、亜流エサウ(35~42節)になる。
 43節「イスラエルの人々を治める王がまだいなかった時代に、エドムの地を治めていた王たちは次のとおりである。」小見出し「エドムの王」。ベオルの息子ベラ、その町の名はディンハバといった」。エサウはエドムの系図として取り上げられ、エドムの支配者たちの系図になる(43~51節)。これは創世記36章1~8節、31~43節に出てくる事柄を纏めたものである。

  ここで二人の名前に注目したい。それはアダムが人の罪の始まり、アブラハムが神の選びの始まりということである。これは系図の中に示されている聖書の二つの大きな流れである。そして新約聖書にそれは明らかにされている。マタイ福音書1章1~16節と、ルカ福音書3章23~38節の系図にそれを知ることができる。但しルカ福音書では「イエスの系図」として、イエスから始まり過去に遡り、「アダム、そして神に至る」となっている。