日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

これを聞く者は皆、両方の耳が鳴る

2018-08-03 | Weblog
 列王記下21章 
   
  12節「それゆえ、イスラエルの神、主はこう言われる。見よ、わたしはエルサレムとユダに災いをもたらす。これを聞く者は皆、両方の耳が鳴る」。(新共同訳)

  1節「マナセは十二歳で王となり、五十五年間エルサレムで王位にあった。その母は名をヘフツィ・バと言った」。小見出し「ユダの王マナセ」。ユダの歴代の王の中では、マナセの在位55年は最長である。しかしヒゼキヤとは全く対照的な王で、イスラエルの王アハブが行ったようにバアルの祭壇を築きアシェラ像を造り、更に彼は天の万象の前にひれ伏してこれに仕えた。諸国の悪しき習慣に倣った(2~4)。「モレク礼拝」や占い、まじない、口寄せ霊媒など主の目に悪くとされることを数々行ったとある(6節)。主はかつて「エルサレムにわたしの名を置く」と言われたが、その主の神殿の中に彼は異教の祭壇を築いた(7~9節)。これに対し主は預言者を通して語られた。
 11節「ユダの王マナセはこれらの忌むべき事を行い、かつてアモリ人の行ったすべての事より、更に悪い事を行い、その偶像によってユダにまで罪を犯させた」。それゆえ主がユダに降す災いに、聞く者はみな両方の耳が鳴る(12節)。神の厳しい審判を聴くことの恐ろしさを表現することである(サムエル上3章11節)サマリアに使った測り縄とアハブの家に使った下げ振りをエルサレムに用い、エルサレムをぬぐい去る。すべて敵の餌食となり、略奪の的となるという(13~14節)。測り縄も下げ振りも建物を計測する道具で、間違いの時は直ちに壊される。これは南ユダとエルサレム滅亡の預言である。マナセは罪のない者の血を非常に多く流したとある(16節)。マナセの悪政に反対する者の殉教と思われる。この時預言者イザヤが殉教したと言われている(ヘブライ11章37節)。彼が死んで葬られたのは、これまでのアハズやヒゼキヤ王がダビデの町に先祖と共に葬られた場所と異なり、自分の王宮の「ウザの庭園」だった(18節)。
  19節「アモンは二十二歳で王となり、二年間エルサレムで王位にあった。その母は名をメシュレメトといい、ヨトバ出身のハルツの娘であった」。小見出し「ユダの王アモン」。彼も父マナセが行ったと同様に偶像にひれ伏し、先祖の神、主の道を歩まなかった(20~22節)。
 23節「彼の家臣たちは謀反を起こし、この王を宮殿で殺害した」。
 マナセ王に関し歴代誌下33章12~16節を読むと、彼はアッシリアに捕らえられ足枷されてバビロンに連れて行かれたが、悔改めて主なる神に赦しを求めた。祈りに応えられ帰国し、様々な偶像を取り除いたとある。列王記には記されていないが、アモン王に対して謀反を起こしたすべての者を討ち、王子である僅か八歳のヨシヤに政権を渡したことは、そのことを予測させる事柄である(24節)。