本日7月31日(火)をもって、1カ月に渡り執り行われた祗園御霊会が幕を閉じます。
今日は、祗園祭最後の神事となる、疫神社「夏越祭」。
八坂神社の西門をくぐって正面にある「疫神社」は、蘇民将来を祀るお社。
八坂神社の祭神・牛頭天王が旅中に宿を求めて訪れたのが蘇民将来の家。
貧しいにも関わらず心づくしのもてなしをしてくれた蘇民に感動した牛頭天王は、
「蘇民将来の子孫すべてが疫病にかかることなく健康であること」を約束します。
都に疫病が流行り、その御祓いの為に始まった祗園祭にはこの故事が伝わり、
祭りの期間中奉仕される粽には、「蘇民将来子孫也」というお札がついています。
この粽を玄関先に飾ることで、私たちも蘇民の子孫。家に疫神は入ってきません。
祭の関係者、神社の宮司さん一同による「夏越祓」の神事。
私も朝10時に参列して、神事に参加してきました。
宮司さんの「本日を持ち祗園祭の全てを終了とし・・・」という奉告。
目を閉じて低頭しながらその言葉を聞き、色んな思いが去来していました。
「みなさんが健康にお過ごしになられますよう」
宮司さんによるご挨拶、そして参拝中の御祓い。
私の知りうる全ての人の健康と、この祭事中のあらゆる出来事に感謝してきました。
私には自分でも驚く予想外のサプライズがたくさん起きました。
7/11の鉾建てでは長刀鉾を起こす、滅多に見られない現場に偶然立ち会えました。
その際、地元ラジオ局の取材に合うというハプニングもありましたw
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7/12の曳き初めでは、函谷鉾・菊水鉾・長刀鉾を超至近距離で見ることが出来ました。
初めて目の前で聞いた「エンヤラヤー」の音頭。お囃子の音色。
この日から、私の耳にお囃子の音色が残り続けました。
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仕事終わりに駆けつけた7/13の久世稚児社参では、お稚児さんの素顔が見れました。
そして、そのあと月鉾の拝観をさせていただきました。
この時も運良く撮影を許可していただき、貴重な美術品をこのブログで紹介できました。
憧れていた宵のお囃子も、駒形提灯の灯る姿もこの目で見ることができました。
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晴れ間の戻った7/14宵々山では童歌を口ずさむ可愛い粽売りちゃんに会えました。
そして、全ての山鉾のご朱印を集めることができました。
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宵山の7/16は、浴衣を着て「お祭」の雰囲気を楽しみました。
南観音山に来た時、通りすがりの方から拝観券をゆずっていただき、
お囃子が奏でられている櫓の中に入ることが出来ました。
さらに、日和神楽に出る瞬間にも立ち会うことが出来ました。
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7/17の山鉾巡行では、寝坊したにも関わらず偶然辻回しを見ることが出来、
新町通では超超超至近距離で、すべての山鉾の巡行を見られました。
そして南観音山・北観音山の「おかえり」の手締めにも賛同。
さらに北観音山につけられていた柳の葉もわけていただきました。
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その夕刻の神幸祭では、13日にお目見えできた久世稚児さんに会えました。
目の前で担がれていく勇壮なお神輿も堪能。
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そして深夜、最初の無言参りに御旅所へ出かけると、西御座の「おいで」に遭遇。
御旅所に神輿を納める現場を至近距離で見学できました。
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7/18は、本当に偶然月鉾の片付けに遭遇し、最後の「エンヤラヤー」を聞けました。
さらに、真木につけられていた「榊」まで分けていただきました。
本当に自分の幸運を嬉しく思った日です。
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そして八坂神社での「琵琶奉納」、記事にしていないけど「狂言奉納」も見学しました。
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後の祭り、7/24の花傘巡行では芸能色の濃い行列を目の前で見ることが出来、
昼間には偶然、三若神輿会の「おむかえ」を見ることが出来ました。
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夕刻には、とても身近な場所で再び久世稚児さんの姿に出会い、
丹波八坂太鼓の勇猛な演奏、中御座の差し回しを見ることが出来ました。
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さらにさらに、行きつけの「てらまち」さんから貴重なみこし弁当をいただき。。。
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三条会商店街では中御座・東御座・西御座全ての渡御を見ることが出来ました。
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そしてこの時、中御座に飾られていた稲も、てらまちさんにおすそ分け頂きました。
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1つ1つの行事を堪能できただけでなく、多くの方からサプライズをもらいました。
本当にありがとうございました。
しかし、最後の今日の日まで、サプライズは続いたのです。
疫神社に参拝後、巫女さんからいただいたお神酒と杯。
神社の神紋が刻まれた素焼きの杯、最後の1枚が私でした。
茅はいただけなかったけど、社務所で「茅輪守」をいただきました。
まだ、祭の楽しみ方を知らなかった7月2日の私と、今日の私。
記事を読み返してビックリ。こんなに楽しめるなんて思ってなかった。
偶然か、必然か分かりませんが、私は何だか祗園さんに縁がある。
記事には書けませんが、他にも思い当たる節があります。
今日、もう一度祗園さんへ出向き、感謝の念を伝えてこようと思います。
読んでいただいているみなさん、本当にこの1カ月ありがとうございました。
寄せられる多くのコメントに励まされ、翌日の意欲が湧き、足も軽くなりました。
ずっと耳に残っていた祗園囃子の音色も、もうありません。
また来年。
還幸祭の後編です。
中御座は大宮通を御池通まで北上し、神泉苑で拝礼後、千本通を南下。
千本三条から、三条会商店街へ入ってきます。
商店街の中、三条黒門には祗園祭発祥の地である「八坂御供社」があります。
普段はひっそりと静かな佇まいですが、実は凄い神社でした。(=トップ写真)
中御座の他、東御座・西御座も別のルートを辿ってここへお参りされます。
私は先陣の中御座が来るまで、てらまちさんの前で待機させてもらうことに。
近所のおばちゃんとお喋りしながら待っていると、中御座を担ぐ三若さんの威勢が!
担ぎ手の数が最も多い三若神輿会!もう写真なんか撮れません!!
ということで、迫力満点の動画で。。。
この後、御供社の前で差し回しが行われ、いったん担ぎ手さんは休憩に入ります。
そのときに振舞われるお弁当も、祗園祭の隠れた名物のひとつ。

みこし弁当

竹の皮に包まれた四角いご飯に黒胡麻が散り、梅干とたくあん2切れの簡素なお弁当。
無病息災と安産に霊験があるとされ、作るのは中御座を担当する三若神輿会。
それも男衆(おとこし)さん達の手で、担ぎ手とその家族、二千食も作られるそう!
梅干とたくあんが染み込んだ部分とか美味しかったなぁ~。
ごはんもぎゅっと詰まっていて、エネルギー出てきます!
なぜ、何の関係もない私がこのお弁当をいただけたのかというと・・・。
7/4の「町の人とのふれあい」の記事にリンクするのです。
あの時カウンターで知り合ったおじさんのお陰でこのお弁当の存在を知り、
「自分の代わりに話を聞いてくれたから」とてらまちマスターのご親切で、
お弁当が私のところにやってきたのであります。
ちなみに記事の中に出てくるおばちゃんと一緒に中御座のお神輿を見ました。
それから仕事帰りでダッシュしてきたtkeiさんも合流!


担ぎ手さん達が休憩中、私たちも「てらまち特別(臨時)VIP席」でカフェオレ。
そして、てらまちマスター&お隣の「らん布袋」オーナー・ランディさんは待機中。
三若さんが進むと、次に大宮通を北上してきた四若さんが御供社で差し回しです。
御供社に張られた「斎竹」の前で大きく神輿を揺さぶります!

最後は「錦」さん。西御座の渡御です。

私は錦さんが一番「熱い!」と個人的な感想を持ちました。
音頭をとる方の威勢かなぁ。何だか「オトコ!」って感じがするのです。
とってもアツイのに、
「誰か手ぬぐい落としてへんかー」のゆるい声にその場が和みました(笑)

全てのお神輿が御供社への参詣を終え、三条通を東進し、八坂神社へと帰っていきます。

商店街にあっという間に静けさが戻りました。
1カ月に渡って行われている祗園御霊会(=祗園祭)。
お神輿が祗園さんに還ると、いよいよ終わりが近づいたという感じです。
つくづく、私って凄いものを偶然に見過ぎたり出会い過ぎたりしていると思いました。
今日、午前中の花傘巡行を見た後、お昼をとりにてらまちさんへ行きました。
ダンディパパさんとお話しながらカレーを食べていると・・・
シャンシャンシャン・・・
何か聞こえてきたっ




「ホイットーホイットー!ホイットーホイットー!!」
三若神輿会の方たちが、四条御旅所のお神輿を迎えに行く行進をしてきます!
「うわぁ~~~っ!」と慌ててカメラを取りにお店に戻り、
お行儀悪く口をモグモグさせながら撮影開始(笑)
相変わらずの「撮影二刀流」技法。動画撮りながら右手で写真撮影。
これ、縦位置で撮ればよかったなぁ~~~。
三若さん達が持ち上げているのは、お神輿に装着する金具。
それを持って、御旅所まで迎えに行くのです。
とにかく足の動きが独特。写真ではおさめられなかったけど、動画はバッチリ!
※最初の方で著しく画面が乱れます。撮影準備によるもので…スミマセン。
「ヨイットーヨイットー」の時は、片足を弾ませながら進み、
「ヨーイヨーイヨーイヨイ!」で、回りながら別の人に代わるようです。
面白い!! 面白すぎる!!
今日は「還幸祭」。
17日の「神幸祭」で四条御旅所に移った八坂神社の神魂を、神社に戻す日です。
戻す過程で、それぞれのお神輿の氏子地域を回っていくという行事。
17時を過ぎて「じゃぁ次の取材行って来ます!」とてらまちさんを後にして。
四条の御旅所に17日から奉安されていたお神輿が担ぎ出され、
3基のうちの中御座が四条大宮で「差し回し」をするというので待機しました。

まずは宮本組の神列が神輿を先導します。
ここで登場するのが・・・

久世稚児(くぜちご)さんです。
13日に八坂神社で戴冠し、17日の神幸祭ではもう一人の久世稚児が神輿を先導しました。
今日の久世稚児さんは、10歳の永守将輝くん。
行列がゆくと、四条大宮のバスプールで「丹波八坂太鼓」さんによる太鼓演奏が開始。

丹波町下山に、八坂神社の分社である「尾長野八坂神社」があるそうです。
祗園の八坂神社との縁が深いことで祗園祭に太鼓を奉納して14年。
神社本殿の注連縄は、この丹波町から寄贈されたものだそうです。

みなさんとっても楽しそうに、リズミカルにエキサイティングに叩きます!
その激しい音は胸に響いて、ドキドキしてしまうほど。

演奏が終わりました。このあとお神輿が来ると、お迎え太鼓を叩きます。
「広場にお集まりの皆さーん。お神輿はいま、四条堀川を西!もうちょっとお待ち下さいねー」
「いきなり太鼓叩くと先導の馬が暴れるから、太鼓はちょっと待って下さいねー」
優しいアナウンスに、アットホームな雰囲気に包まれます…


そして!予定より少し遅れて、三若神輿会が担ぐ中御座が到着しました!!

いったんここで小休憩の後、神輿を激しく揺する「差し回し」をして北上します。

山鉾巡行がどこか非現実的で雅だとしたら、神輿巡行は熱気溢れる町衆の祭!
もうとにかく「男!漢!汗!熱!激!燃!…」という漢字を並べたくなります。

それにしても、あまりに身近な場所で行われた祗園祭の行事でした。
身近過ぎて・・・やっぱり不思議な縁を感じずにはいられません。
この項、続きまーす。
17日の山鉾巡行より一週間。
「後の祭り」として昭和41年から始められた巡行です。
先陣をゆくのは「こども神輿」の皆さん。「ワッショイワッショイ」と元気一杯!
八坂神社の「祗園太鼓」
明らかに私を挑発した獅子舞(笑) 中に入っているのは女性です!
幌武者。
背中に幌を背負っているのは、後方からの矢よけのためとか。
金沢に、前田利家の幌武者姿の銅像があります。
馬:「何か?」
・・・と言っているようにしか思えなかった馬(笑)
馬長児。
照りつける陽射しと戦いながら、勇ましく駒を進めていきます。
祗園囃子
行列の合間合間に、花で飾られた傘鉾が進んでいきます。
花笠娘
この方がとっても綺麗でした!!
歌舞伎踊の皆さん。
小町踊りの皆さん。
そして鷺舞の子です。
四条大橋をわたるときに羽を広げました。
ラストをゆくのは菊水鉾のお囃子隊!!
あぁ~~~やっぱりイイわ~~~!
このように、花傘巡行は芸能的色彩が濃く、山鉾巡行の古い形を再現しています。
およそ千人に及ぶ巡行が祗園さんに帰ってくるのは始まりから2時間後の12時。
その行列を、南門(正門)で待ち受けました。
ちょっと疲れちゃったこども神輿が到着。
勇ましく、可愛い背中が指示と激励を送ります!
緋袴姿の花傘娘が献上品を携えてやってきました。
多くの注目とシャッターを集めます。
皆さん涼しい表情で降りてこられました。
そして本殿の前に整列し、献上品を奉納します。
何とも絵になる、雅な姿。
雅といえばこちらかな。
歌舞伎の方たちが西門から上がってくるところに遭遇!
ステキでした!!
と、怒涛の写真数で送りました花傘巡行。
そして夕方から深夜にかけて、今度は「還幸祭」です。
私、忙しいです(笑)
むふー・・・


もはや私には「○○割り」というのはありんせん。全て「ロック」です。
それにしても美味しかった~~~。お肉食べたの、何日振りやろー。
だけど、酔って少し足元おぼつきないながら、しっかり「無言参り」だけは済ませました。
今日も「祗園祭」の行事のひとつ、祗園さんでの「琵琶奉納」を見てきました。

15時から琵琶奉納があるというのを思い出したのは14時半。
慌てて支度して家を飛び出しました!

「平家物語」の節々を謡いながら、琵琶が奏でられていきます。
祇園精舎の鐘の声・・・諸行無常の響きあり・・・
平家物語は琵琶法師によって伝えられたとされています。

琵琶のどこか物悲しい音色は、夏の蝉の命に似て儚く、胸に響きました。

その音色に耳を傾けながら、境内をぶらり。

今、本殿には神様はおりません。四条の御旅所です。
だけど、やっぱり前に来たときとは何か心の静けさが違う。
何とも言えない感情に包まれて、祗園さんを後にしました。
琵琶奉納も堪能し、そこから哲学の道やら何やらを2時間ほどサイクリング。
適当な道を上がったり下がったりしていると、森の中へ出てきました。

ここは、糺の森。
明らかに気温が違いました。そして緑に遮られ、何と薄暗いこと。

ふと見上げて撮った写真。
森の中なんて、どこを見上げても同じような木々が続くといってもいい。
でも、自分が「ふと」見上げた場所は、自分しか気づかなかった場所。
森に呼ばれたのも、この空を見上げたのも、きっと何かあるに違いない。
そんな風に思いながら、いつまでもこの森から抜け出せませんでした。
琵琶の音色って、普段あまり耳にする機会ないですよね。
「平家物語」から高名な戯曲、「敦盛」を録画しました。
再生時間11分ほどあります。
どうぞ、お茶でも珈琲でも淹れてゆっくりとご覧下さい。