地球上の小さな日記

繰り返す毎日の中に埋もれてゆく小さく些細な記憶達を、忘れないように書いてます。だから・・・

記憶のパズル

2010年09月06日 21時13分14秒 | 小さな日記
本日仕事中、オレは細い歩道を歩いていた。
9月に入ったことなどまるで関係ないとでも言うように、
午後の日差しは情け容赦もなく辺り一体を照らしつけていた。
そんな中を汗を拭いながら歩いていると、ある時、
どこからともなく草の匂いが漂ってきた。

草をすりつぶしたような濃い緑の匂い。
遠い昔、どこかでかいだことの有る匂い。
何だっけこの匂い。何か懐かしい感じがする。

強烈な午後の日差しが、
身の丈ほどのブロック塀を照らしている。

その光景を見たとき、思い出した。
そうだ。オレは子供の頃、家の近くでよく草をすりつぶして遊んでいたのだ。
すりつぶして出来たエキスを紙に塗ってみたり、
丸めて「草団子」にしたり。
一体何が楽しかったのかわからないが、よくそうしていた。
午後の日差しが当たるブロック塀の近くで。
すごい懐かしい。
何で忘れていたのだろうか。


記憶は頭のどこかで眠っている。
どんな小さな事でも完全に失っているワケではない。
いろいろな条件が重なった時、暗闇を光が照らすように記憶のトビラが開くのだろう。
まるで、記憶の欠片のパズルみたいものだ。
出来る事なら忘れているいろいろなことを思い出したいが、
それは本当に偶然が重ならないと難しいだろう。
だって、このパズルを完成するのに30年近くもかかっているのだから。