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ゆとりはバカにできない

2014-05-28 | 日記
三橋さんのブログによると、竹中(平蔵)氏はあるTV番組で、正規社員について「既得権益である」と明言したようですが、これは「正規社員ももっと実力主義にして派遣社員みたいに能力次第(いやその実現状は企業収益や、時代の(半ば怪しくあやつられてる)ニーズや、上司やお偉いさんや株主に個人的に気に入られるかどうか)で天国地獄もありうる不安定な状態にせよ」という事を目的としたものでしょうね。それによって実力に見合った報酬にして企業利益を最大化しよう、ということかと。

しかしその方向を進めたら、他を出し抜く一部の実力者以外の、「実力のない、もしくは普通の、もしくは実力はあるがその方向が時代のニーズとあってない、もしくは実力はあるのに個人的事情で筆頭株主とかお偉いさんに嫌われて実力の出せる業界から干された」大半の人々にとって不安定な社会になるのでは。

身の回りでもよく、「正社員のあの人より派遣社員の自分の方が仕事してるのに、この待遇の違いはアホらしい」という言葉を聞きますが、この発言の本位は「正社員のあの人を減給昇格クビにしろ」ではないと思います。その発言をする人の本位をもっと掘り下げると「こんなに頑張ってる自分をもっと評価して欲しい、自分を安定化させて欲しい」ということだと思います。
同じように「公務員がロクに仕事もしないで安定した給料、雇用システムなのが許せない」という発言も、「公務員を不安定化させろ」よりも、自己啓発して行き着く本位は「自分をもっと安定化させてくれ」かと。正直、そりゃそうでしょうw人の生活云々よりも、自分の生活がより良くなる事が第一。仮に公務員の生活が不安定化しても、その勢いで自分の生活がもっと不安定化したら、不満の声なんか消えるわけがないw結局自分本位なんですってそこはw醜かろうがw

だから多くの国民が真に求めるのは、既得権益の打破じゃなくて「自らの既得権益化」だと思います。正直。
今までデフレや不景気でさんざ苦労してきたんだから、もう少し自分を安定して楽させてくれ、やりがいとか生きがいとかはまずは生活が安定してから、という感じだと思います。
その為に今は国が頑張って社会をもっと格差無く均一に底上げすべき、というのが妥当な方向なんじゃないでしょうかね。これは現状に対する相対的な個人主義的方向であって、未来永劫国が全ての人間を平等に管理するという社会主義とは全く違うものでしょう。こんなこと当たり前に分かることのように思えるのですが。。

かといってそうして安定を得られたら、そのより良い環境は守らねばなりません。そのための国民意識やナショナリズムは必要なものでしょうね。今現在だって日本に生まれたおかげで得られてる利得(教育生活文化伝統治安等々)は見えにくくてもたくさんある。(これもある種たまたま生まれ育った国が与えてくれた環境という既得権益です。別に本人の実力とかじゃありませんwこれもまたグローバルということで打破したいのですかねwそんな考えを余裕こいて机の上であみだせたのも、この国の豊かで安全な土壌があったればこそでは?)
そうやって個人を守るためにもこの国というコミュイニティをゴリゴリと守っていく意識は必要で、いたずらに既得権益の打破とか自由とか唄っていてはどんどん弱肉強食化、不安定化、国民という消費者が疲弊することによる需要の減少、それによる利益減少の企業弱体化、低賃金、国民総雇用不安定、国民さらに疲弊、という悪循環が進んでいく一方ではないでしょうか。竹中氏の方向はそんな末路に思えてならない。

正直、既得権益が完全に良いとは思いませんが、なんというか、企業も消費者も効率とかを負いすぎてキツキツになってると思います。今は、企業も消費者ももっとゆとりを持つ必要があるのでは。(ゆとり世代をバカにする前にw)
その方がいい商品も生まれるんですって、多分w