アレルギーで人類は滅亡する

　アレルギーで人類は滅亡する



　・・ということを最近，よく人に話す．勿論，談笑の内に与太話として言うに過ぎないけれども，僕はわりあい本気である．

　アレルギーとは，現代人はよく知っている通り，人体の免疫機能が，無害の物質に対して，大小の拒絶反応を起こす現象だ．言ってみれば，免疫の誤作動である．
　種々のアレルギーが起る根本的原因は，今のところ全くと言っていいほど判っていない．
　一つの仮説に，幼少期の生活環境が清潔すぎると，アレルギー体質になりやすいというものがあるが，これは大いに疑わしい．アレルギー体質は，生活環境によるのではなく，遺伝するように見える．

　僕が注目するのは，アレルギーの原因はダイオキシンであるとする目新しい仮説である．確かに，人類史上アレルギーが出現した時期と，海にダイオキシンが垂れ流されるようになった時期とが重なるのである．どちらも第二次大戦直後である．
　枯葉剤は勿論のこと，工業廃棄物等に起因するダイオキシンは，雨によって地下を流れやがて海に流れ込む．そして，そこに住む魚介類を捕らえて食べるという行為によって，ダイオキシンは日常的に人体に摂取されるのだ．今や四海に漂う魚達の体内は，枯葉剤散布の畑で育てた野菜をも遥かに超える濃度のダイオキシンに汚染されていると言われる．
　ダイオキシンは，免疫機能等，人体の内部を激しく傷付ける．そして，重要なことは，ダイオキシンは殆ど分解も排出もされないということである．一度取り込んでしまったら体内にずっと残るのである．但し例外があって，唯一出産によって，ダイオキシンは甚だしく排出される．言うまでもなく，胎児の体内にダイオキシンを送り込むことによって．さらに母乳にもダイオキシンは混ざる．
　こうして，人間の体内のダイオキシンは世代を下るにつれて，どんどん濃くなることが想像できる．ダイオキシンによってアレルギーが起るのだとすれば，一見してアレルギーが遺伝するように見えるのも納得できる．

　戦後僅か６０年の間に，夥しい数のアレルギーが急速に出現したことを考えると，この先も同じ調子で増えるだろうことを考えざるを得ない．例えば，人体が食べ物を全く受け付けない極端な食べ物アレルギー等も出てくるかもしれない．

　以上のことから，僕は，人類はアレルギーで滅びる，しかもあと１００年かからないと見ている．
　輝かしい文明を築く一方で，手に負えない毒物を作り出してしまった．その毒物によって，内部から蝕まれていくのだ．何とも人類らしい最期ではある．

　続く．



　余談だが，僕もいくつかのアレルギーを患っていて，その一つとして軽いフルーツアレルギーがある．数多の清涼飲料水が謳う「果汁入り」が嘘であることを僕は見抜いている．