先日買った本を読み終えた.齊藤真・著『関西電力「反原発町長」暗殺指令』.
プルサーマル計画の実現をねらう関西電力が,反対勢力にあった高浜町長の暗殺を企てたとする「週刊現代」スクープ記事をめぐって,その執筆者である齊藤が,関係者たちへの念入りな取材を振り返った記録.巨大な利権にかけては大企業が邪魔な市民を殺すなどたやすいものであること,その証拠を残さぬための準備と責任分散の周到さ(仮に明るみに出たとしても,末端の社員や下請け業者が単独で行なったことにされる),そして,裏切り者たちへの陰湿かつ巧妙な報復から,警察はもちろんマスメディアの大半さえもが「向こう側」の味方であるに至るまで,現代社会のゆがんだ権力構造をまさに典型的に再現したような顛末に,改めて暗然となる.また,事件はまったく解決することなく突然もみ消されており,決死の告発に臨んだ二氏がその後どうなったのか,気がかりである.
齊藤真: 『関西電力「反原発町長」暗殺指令』
宝島社,2011,
ISBN978-4-8966-8869-7
プルサーマル計画の実現をねらう関西電力が,反対勢力にあった高浜町長の暗殺を企てたとする「週刊現代」スクープ記事をめぐって,その執筆者である齊藤が,関係者たちへの念入りな取材を振り返った記録.巨大な利権にかけては大企業が邪魔な市民を殺すなどたやすいものであること,その証拠を残さぬための準備と責任分散の周到さ(仮に明るみに出たとしても,末端の社員や下請け業者が単独で行なったことにされる),そして,裏切り者たちへの陰湿かつ巧妙な報復から,警察はもちろんマスメディアの大半さえもが「向こう側」の味方であるに至るまで,現代社会のゆがんだ権力構造をまさに典型的に再現したような顛末に,改めて暗然となる.また,事件はまったく解決することなく突然もみ消されており,決死の告発に臨んだ二氏がその後どうなったのか,気がかりである.
齊藤真: 『関西電力「反原発町長」暗殺指令』
宝島社,2011,
ISBN978-4-8966-8869-7