先日買った本を読み終えた.石川伸一・著『「食べること」の進化史』.
人類の古今の食事を,その方法・目的と弊害,多様性などを切り口に再考し,未来の食生活に思いを馳せるエッセイ集.「食べる」という行為は,個々人の欲求を原動力に持ちながらも,社会が規定する美意識とか,人間関係といったものと連動し,合理性や科学技術を拒否し続ける,ユニークかつ多面的な営みであることが改めて感じられる.また,家族の団らんの場としての食事というものが,たった150年前に国家が強制して定着した,新しい習慣だというのは初めて知った.惜しむべきは,各章の結論がそれまでの文脈から飛躍する感じがあり,読み手は置き去りになることと,本文中に他の資料などからの引用が多く,いささか主体性に欠けることの二点.
石川伸一: 「食べること」の進化史 培養肉・昆虫食・3Dフードプリンタ
光文社,2019,
ISBN 978-4-334-04411-4
人類の古今の食事を,その方法・目的と弊害,多様性などを切り口に再考し,未来の食生活に思いを馳せるエッセイ集.「食べる」という行為は,個々人の欲求を原動力に持ちながらも,社会が規定する美意識とか,人間関係といったものと連動し,合理性や科学技術を拒否し続ける,ユニークかつ多面的な営みであることが改めて感じられる.また,家族の団らんの場としての食事というものが,たった150年前に国家が強制して定着した,新しい習慣だというのは初めて知った.惜しむべきは,各章の結論がそれまでの文脈から飛躍する感じがあり,読み手は置き去りになることと,本文中に他の資料などからの引用が多く,いささか主体性に欠けることの二点.
石川伸一: 「食べること」の進化史 培養肉・昆虫食・3Dフードプリンタ
光文社,2019,
ISBN 978-4-334-04411-4