先日買ったCDを聴いた.N.ヤルヴィ指揮+エストニア国立交響楽団による,マーラー・交響曲第1番「巨人」.
終始速めのテンポを採りながら,正確かつ譜面の隅々まで丁寧に描き分けた演奏.ヤルヴィ率いるエストニア国立響は,一流とは言えないまでも,安定の技術とアンサンブルに一貫しており,ライヴレコーディングゆえのミスもほとんどない.彼らの曲作りは,強弱やリズムの即興的な伸縮を排除しないもので,マーラーらしい悠大でドラマチックな世界というより,若い作曲家が意欲のままに書き連ねていった楽想の数々が,未整理に入り乱れるドタバタのような愉しさである.録音は,個々の楽器を鮮明に捉えつつ,オーケストラ全体の雰囲気やホールへの反響をも十分に再現しているが,バスドラムの強奏時に僅かに音像が潰れるのと,いくつかのテイクを繋ぎ合わせたことを思わせる編集点でのノイズが聴かれるのは,残念.
Mahler: Symphony No.1
Estonian National Symphony Orchestra,
Neeme Järvi (conductor),
VIDEO ARTISTS INTERNATIONAL,VAIA 1285
終始速めのテンポを採りながら,正確かつ譜面の隅々まで丁寧に描き分けた演奏.ヤルヴィ率いるエストニア国立響は,一流とは言えないまでも,安定の技術とアンサンブルに一貫しており,ライヴレコーディングゆえのミスもほとんどない.彼らの曲作りは,強弱やリズムの即興的な伸縮を排除しないもので,マーラーらしい悠大でドラマチックな世界というより,若い作曲家が意欲のままに書き連ねていった楽想の数々が,未整理に入り乱れるドタバタのような愉しさである.録音は,個々の楽器を鮮明に捉えつつ,オーケストラ全体の雰囲気やホールへの反響をも十分に再現しているが,バスドラムの強奏時に僅かに音像が潰れるのと,いくつかのテイクを繋ぎ合わせたことを思わせる編集点でのノイズが聴かれるのは,残念.
Mahler: Symphony No.1
Estonian National Symphony Orchestra,
Neeme Järvi (conductor),
VIDEO ARTISTS INTERNATIONAL,VAIA 1285