goo blog サービス終了のお知らせ 

ケニチのブログ

ケニチが日々のことを綴っています

N.ヤルヴィ+エストニア国立響=マーラー「交響曲第1番」

2020-03-26 | 音楽 - マーラー
 先日買ったCDを聴いた.N.ヤルヴィ指揮+エストニア国立交響楽団による,マーラー・交響曲第1番「巨人」.

 終始速めのテンポを採りながら,正確かつ譜面の隅々まで丁寧に描き分けた演奏.ヤルヴィ率いるエストニア国立響は,一流とは言えないまでも,安定の技術とアンサンブルに一貫しており,ライヴレコーディングゆえのミスもほとんどない.彼らの曲作りは,強弱やリズムの即興的な伸縮を排除しないもので,マーラーらしい悠大でドラマチックな世界というより,若い作曲家が意欲のままに書き連ねていった楽想の数々が,未整理に入り乱れるドタバタのような愉しさである.録音は,個々の楽器を鮮明に捉えつつ,オーケストラ全体の雰囲気やホールへの反響をも十分に再現しているが,バスドラムの強奏時に僅かに音像が潰れるのと,いくつかのテイクを繋ぎ合わせたことを思わせる編集点でのノイズが聴かれるのは,残念.


Mahler: Symphony No.1
Estonian National Symphony Orchestra,
Neeme Järvi (conductor),
VIDEO ARTISTS INTERNATIONAL,VAIA 1285

Y.ネゼセガン+フィラデルフィア管=マーラー「交響曲第8番」

2020-03-15 | 音楽 - マーラー
 先日買ったCDを聴いた.Y.ネゼ=セガン指揮,フィラデルフィア管弦楽団,ウェストミンスター合唱団ほかによる,マーラー・交響曲第8番「千人の交響曲」.

 終始やや速めのテンポを採り,譜面を正確かつ念入りに追った演奏.ネゼ=セガン率いる大所帯のオーケストラおよび歌唱は,持ち前の技術とアンサンブルの高さで,ライヴレコーディングに起因する瑕疵もほとんどない.細部のニュアンスに傾注しながらも,音楽の横の流れにも事欠かない曲作りは,この交響曲を巨大で権威的な「オブジェ」でなく,あくまでストーリーと運動性の,生き生きとした時間として聴かせるものだ.録音は鮮明で,ホールの残響始め全体の雰囲気をよく再現しているが,強奏時にいくぶん潰れたようになり,マーラーならではの迫力を捉えきれていないのは残念.また,どういうわけだか,ところどころに僅かなスクラッチノイズが載って音楽をかき消しており,これは商品として致命的.


MAHLER: SYMPHONY NO. 8
Westminster Symphonic Choir,
The Choral Arts Society of Washington,
The American Boychoir,
The Philadelphia Orchestra,
Yannick Nézet-Séguin (conductor),
Deutsche Grammophon,483 7871

G.ノセダ+トリノ歌劇場管=マーラー「交響曲第2番」

2020-03-10 | 音楽 - マーラー
 先日買ったCDを聴いた.G.ノセダ指揮+トリノ王立歌劇場管弦楽団&合唱団による,マーラー・交響曲第2番「復活」.

 終始やや速めのテンポを採り,正確かつ伸びやかな息遣いで進行する快活な演奏.ノセダ率いるオーケストラと合唱,および独唱は,特徴には乏しいながら,充実の技術とアンサンブルで,ライヴレコーディングに起因する瑕疵もほとんどない.録音は鮮明であるが,各セクションが同じ距離から一斉に鳴らされたような,まるで雰囲気のない音像で,マーラーの巨大な音楽の魅力を伝えきれていないのは残念.


MAHLER: Sinfonia n. 2 (SACD-Hybrid)
Orchestra e Coro Teatro Regio Torino,
Gianandrea Noseda (conductor),
Audiophile Productions,SACD157

A.フィッシャー+デュッセルドルフ響=マーラー「交響曲第8番」

2020-03-02 | 音楽 - マーラー
 先日買ったCDを聴いた.A.フィッシャー指揮+デュッセルドルフ交響楽団&合唱団による,マーラー・交響曲第8番「千人の交響曲」.

 終始やや速めのテンポながら,譜面の隅々まで念入りに描き込んだ演奏.フィッシャー率いる大所帯の合唱付きオーケストラは,一流とは言えないまでも正確かつ安定した技術と,強奏時にもうるさくならない品やかなアンサンブルで,マーラー特有の陶酔や厚ぼったさとは無縁の清新な曲作り.いま一つ惜しいのは,独唱陣にキャラクターが感じられず,音楽全体に変化をあたえたり,その進行をけん引するような迫力を持ち合わせていないこと.録音は鮮明であるが,音像が遠く些かぼやける印象.


MAHLER: Symphony No.8
Choir of the Städtinscher Musikverein zu Düsseldorf,
Clara-Schumann-Jugendchor Düsseldorf,
Düsseldorfer Symphoniker,
Adam Fischer (conductor),
Avi-Service for music,8553474

A.ギルバート+都響=マーラー「交響曲第6番」

2019-12-14 | 音楽 - マーラー
 昼すぎ,サントリーホールにて行なわれた,A.ギルバート指揮+東京都交響楽団の演奏会を聴いた.単一プログラムの「第6番」は,終始遅めのテンポを採り,正確に譜面を追いながら,かつ曲の随所で伸びやかに歌い込んだ演奏.都響は,管楽器群に平凡なミスが僅かに出たものの,全体としては持ち前の高い技術に安定しており,巨大な編成を余さず鳴らした快適なアンサンブル.ギルバートの曲作りは,マーラー特有の頻繁な楽想の移り変わりを,明確なコントラストのうちに描き分けようとするものだが,その際に毎度行なうルバートが却ってワンパターンで,また,オーケストラがこれに反応しきれず,音楽の流れが散漫になる嫌いも.
 珍しい3回めのハンマー打撃あり.

 開演前の会場ロビーで,思いがけずTに会った.


都響スペシャル
【演奏者】アラン・ギルバート (指揮),東京都交響楽団
【日時】2019.12.14 14:00-
【場所】サントリーホール
【曲目】
■マーラー: 交響曲第6番 イ短調『悲劇的』