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ケニチのブログ

ケニチが日々のことを綴っています

大植英次+大阪フィル=マーラー「交響曲第6番」

2019-10-06 | 音楽 - マーラー
 先日買ったCDを聴いた.大植英次指揮+大阪フィルハーモニー交響楽団による,マーラー・交響曲第6番「悲劇的」.

 やや速めのテンポで,譜面を正確かつ力強く描き出した演奏.大阪フィルは,個々人の技術はけっして高くないながらも,5管編成の巨大なオーケストラ全体として,大植の勢いあるタクトによく応えている.ただし,氏が曲の随所で求める急激なスローダウンには,プレイヤーの多くが共感していないと見えて,アンサンブルは散漫.また,弱奏部にもいま一つのデリカシーや静けさが感じられず,それはマーラーならではの美しい緩徐楽章において,とくに致命的である.録音優秀.


マーラー: 交響曲第6番 (2SACD-Hybrid)
大植英次 (指揮),
大阪フィルハーモニー交響楽団,
fontec,FOCD9253/4

A.フィッシャー+デュッセルドルフ響=マーラー「交響曲第5番」

2019-09-05 | 音楽 - マーラー
 先日買ったCDを聴いた.A.フィッシャー指揮+デュッセルドルフ交響楽団による,マーラー・交響曲第5番.

 終始やや速めのテンポで,譜面を正確かつストレートに描き出した演奏.デュッセルドルフ響は,ライヴレコーディングのためか,ところどころでいくぶんそっけない表情を聴かせるものの,全体としては安定の技術とアンサンブル.フィッシャーの曲作りは,雰囲気に没入してあいまいになることなく,マーラーの音楽がほんらい持つ,暗さや,とぼけたようなユーモア,美しい歌,さらには支離滅裂さを率直に伝えるもの.録音優秀.


MAHLER: Symphony No. 5
Düsseldorfer Symphoniker,
Adam Fischer (conductor),
Avi-music,8553395

A.フィッシャー+デュッセルドルフ響=マーラー「交響曲第1番」

2019-08-21 | 音楽 - マーラー
 先日買ったCDを聴いた.A.フィッシャー指揮+デュッセルドルフ交響楽団による,マーラー・交響曲第1番.

 曲の大部分でやや速めのテンポを採り,譜面の隅々まで丁寧に描き出した演奏.デュッセルドルフ響は,強奏時にもうるさくならない涼やかな音色の管打楽器群を中心に,充実の技術とアンサンブルに一貫し,ライヴレコーディングゆえのミスもほとんど聴かれない.フィッシャーの曲作りは,見通しのよい率直な進行に,ところどころでごく控えめながら品やかなカンタービレやルバートを交えた,生き生きとしたもの.また,マーラーの音楽に欠かせない大切な要素であるピアニシモの場面は,彼らの場合ただ音量が小さいというのでなく,奥深い森の情景になったり,お母さんが歌う優しいメロディのようであったりと,ゆたかな表情のある静謐さである.録音は,各セクションを鮮明に捉えながら,ホールの残響をも美しく再現して優秀.


MAHLER: Symphony No. 1
Düsseldorfer Symphoniker,
Adam Fischer (conductor),
Avi-music,8553390

J.ノット+スイスロマンド管=マーラー「交響曲第6番」他

2019-04-12 | 音楽 - マーラー
 夜,芸文コンサートホールにて行なわれた,J.ノット指揮+スイス・ロマンド管弦楽団の演奏会をMと聴いた.めあてのマーラーは,速めのテンポと明瞭な音色で聴かせる活力の演奏.スイス・ロマンド管も終始高い技術に安定しており,長大なプログラムに決してスタミナ切れしないばかりか,尻上がりに調子を上げていくようだった.ただし,曲の随所でノットが要求する即興的なテンポの伸縮にいまひとつ応え切れない感じがあったのと,また,クレッシェンド・デクレッシェンドをいちいちめいっぱいに行なうのがいくぶん鬱陶しく,却ってワンパターンの単調な印象をあたえたのは残念.


第42回 名古屋国際音楽祭 ジョナサン・ノット指揮 スイス・ロマンド管弦楽団
【演奏者】辻彩奈 (ヴァイオリン),ジョナサン・ノット (指揮),スイス・ロマンド管弦楽団
【日時】2019.4.12 18:45-
【場所】愛知県芸術劇場 コンサートホール
【曲目】
■メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64
■J.S.バッハ: 無伴奏パルティータ第3番 より (ソロアンコール)
■マーラー: 交響曲第6番 イ短調「悲劇的」

P.ヤルヴィ+NHK響=マーラー「交響曲第6番」

2019-02-07 | 音楽 - マーラー
 先日買ったCDを聴いた.P.ヤルヴィ指揮+NHK交響楽団による,マーラー・交響曲第6番「悲劇的」.

 終始やや遅めのテンポで,譜面を正確かつ丁寧に再現した演奏.NHK交響楽団は,特徴には乏しいながらも,高い技術に安定した充実のアンサンブルを聴かせており,さらにライヴレコーディングに由来する偶発的な「揺れ」が,却って音楽に活力をあたえているのが印象に残る.パーヴォの曲作りはオーケストラのエスコート役に徹したごく率直なもので,各所で弦楽器群をクローズアップしたりして,マーラーの巨大なサウンドが平板に鳴り響かないように気を配ることも忘れない.録音は優秀であるが,少々ダイナミックレンジに欠く.


マーラー: 交響曲第6番「悲劇的」 (SACD-Hybrid)
NHK交響楽団,
パーヴォ・ヤルヴィ (指揮),
ソニーミュージック,SICC 19040