goo blog サービス終了のお知らせ 

ケニチのブログ

ケニチが日々のことを綴っています

長谷川陽子&松本和将=ベートーヴェン「チェロソナタ全集」

2023-02-26 | 音楽 - ベートーヴェン
 先日買ったCDを聴き終えた.長谷川陽子のチェロ,松本和将のピアノによる,ベートーヴェン・チェロソナタ全集.

 どのナンバーも,譜面を正確かつ細部まで念入りに再現した演奏.長谷川のチェロは,ややハスキーな音色ながらも,安定の技術と力強いボウイングが快適で,松本がわりあい穏やかなタッチのピアノで,これに寄り添う.録音は鮮明であるが,彼らの呼吸音を大きく拾っており,鑑賞の上で鬱陶しい瞬間も.これはもちろん,プレイヤー側の問題でもある.クラシック演奏の初歩に,フレーズに合わせて呼吸すべしという昔ながらの教育法がある.その是非はひとまず置いておくにしても,いちいち聴こえるように行なえということではないし,あくまで音楽を生かすための手段なのであって,単なる慣習として形ばかりに行なわれるとしたら,何の意味もなさないのだ.


ベートーヴェン: チェロ・ソナタ全曲 (2CD)
長谷川陽子 (チェロ),
松本和将 (ピアノ),
Nippon Acoustic Records,NARD-5079/80

鐵百合奈=ベートーヴェン「ピアノソナタ全集上巻」

2023-02-15 | 音楽 - ベートーヴェン
 先日買ったCDを聴き終えた.鐵百合奈のピアノによる,ベートーヴェン・ピアノソナタ全集上巻.

 どのナンバーも,やや遅めのテンポながら,譜面を正確に再現し,かつ横の流れをもよく見通した演奏.鐵のピアノは,曖昧なところのない明瞭なタッチで,ベートーヴェンらしい力強さだけでなく,シンプルで穏やかなもう一つの持ち味をも十分に引き出している.録音は鮮明であるが,曲ごとにコンディションにばらつきがあり,その多くが吊りマイク一本で簡易に行なったような,奥まった音像であるのは残念.

 プレイヤー自ら分析し論考する長大な解説文は,いささか平凡ではあるものの網羅的な内容の力作で,読み応えがある.作曲年代順によらず,いくつかのテーマによって分類した,連続コンサート風のプログラミングも面白い.


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全曲集 上巻 (5CD)
鐵百合奈 (ピアノ),
N&F,NF29503/7

ヴィクトリア・ムローヴァ リサイタル

2022-11-19 | 音楽 - ベートーヴェン
 昼すぎ,豊田市コンサートホールにて行なわれた,ヴィクトリア・ムローヴァのヴァイオリン・リサイタルを聴いた.古典派と擬古典的な現代曲とを往来するプログラムを,むやみに深刻ぶったりしない,明るく優しい音色で弾き進めていく.ムローヴァ,ビートソンの馴染みのコンビは,どちらがリーダーシップを執るでもなく,互いによく聴き合った協調型のアンサンブル.


ヴィクトリア・ムローヴァ ヴァイオリン・リサイタル
【出演者】ヴィクトリア・ムローヴァ (ヴァイオリン),アラスデア・ビートソン (フォルテピアノ&ピアノ)
【日時】2022.11.19 15:00-
【場所】豊田市コンサートホール
【曲目】
■ベートーヴェン: ヴァイオリン・ソナタ第4番 イ短調 op.23,第7番 ハ短調 op.30-2
■武満徹: 妖精の距離
■ペルト: フラトレス
■シューベルト: ヴァイオリンとピアノのためのロンド ロ短調 D895
■ベートーヴェン: ヴァイオリン・ソナタ第5番 ヘ長調「春」op.24より 第2楽章 (アンコール)

コパチンスカヤ&アホネン「アンタイルの見た世界」

2022-07-11 | 音楽 - ベートーヴェン
 先日買ったCDを聴いた.P.コパチンスカヤのヴァイオリン,J.アホネンのピアノによる,デュオアルバム『ジョージ・アンタイルの見た世界』.

 アンタイルのソナタを中心に据え,所縁の現代曲のいくつかと,彼が愛奏したベートーヴェンとともに収めたオマージュアルバム.コパチンスカヤのヴァイオリンは,正確な技術にベースを置きながらも,極端な強弱やフレージング,装飾,弾き崩しにたえず逸脱していく,独特としか言いようのないもの.アホネンも,これに負けじと,リズミカルかつ力強いタッチのピアノで応えている.録音は鮮明.


LE MONDE SELON GEORGE ANTHEIL
Patricia Kopatchinskaja (violin),
Joonas Ahonen (piano),
ALPHA CLASSICS,ALPHA 797

ブリュッヘン+新日本フィル=ベートーヴェン「交響曲全集」

2022-06-16 | 音楽 - ベートーヴェン
 先日買ったCDを聴き終えた.F.ブリュッヘン指揮+新日本フィルハーモニー交響楽団による,ベートーヴェン・交響曲全集.

 どのナンバーも,遅めのテンポを採り,譜面を正確かつ細部まで念入りに再現した演奏.ブリュッヘン率いる新日本フィルは,ライヴに起因するラフさは目立つものの,安定した技術と明るい音色のアンサンブル.また,ノンヴィブラートや打楽器のアクセントなど,古楽的なシンプルな曲作りに徹しながらも,全体としてはテヌートを主体とし,リズム・強弱への伸びやかなニュアンスにも十分で,むやみにヒステリックな響きにならないところがよい.録音は鮮明であるが,ステージと客席から発生する物音を,ことごとく大きく拾ってしまっている.また,「第9番」での歌唱陣がえらく遠いのも残念.


ベートーヴェン 交響曲全集 (5CD)
フランス・ブリュッヘン (指揮),
新日本フィルハーモニー交響楽団,
東武商事,TBRCD0134/0138-2