国公立の前期試験が終わり,早速河合塾や駿台のホームページには主な大学の問題の速報がアップされています.
昨年は,教え子が受験したこともあり,気になってはいましたが,今年は教え子は受験していないので,関心が薄かったのですが,友人の英語の先生からラインで連絡を受け,見てみることに.
京大の理系の問題ですが,昨年は難しかったのか,とっつきやすい問題で易しくなった気がします.3番や4番は受験生にとっては特にそんな気がしたのではないでしょうか.
昨年は,教え子で将来数学者を目指す優秀な生徒でも難しかったと不安を言葉にしていました.とはいえ本人は理学部に余裕で合格しましたが.実際に受験生に話を聞いてみると,予備校の問題の講評に書かれているのとはかなり違っています.難易度に関しても,実際の受験生の印象とは違う場合もかなりあります.実際の昨年の受験生の声と河合塾等での講評と違いは印象的でした.
予備校で教えてみて一番思ったことは,実は,予備校の授業って,旧態依然としたところがあるように感じます.入試問題を解説するだけ.これは50年前でも変わりません.少人数での授業でも形式は同じです.大学の数学の授業は問題を解説するような授業はほとんどなく,高校でもきちんと数学を教える先生は教科書を使っていてもストーリーとして数学の内容に関して流れを意識して授業するものです.受験を意識したあまり,予備校や塾と同じ授業をする先生もいますが.
問題を例として,解説しながら,そこから数学的なことを講義するのが本来の姿であるのですが,問題の解答を示すことが教えることとなっているような授業にだから,大学へ入ってから挫折する受験生も相変わらず多いのが今の現状ではないでしょうか.
いい授業,講義とは.それを聞いた生徒がやる気が出てくる,興味が出る,もっと勉強してみたくなるそんな気を起させる授業ではないでしょうか.解答を教えてもらってよくわかった授業って,塾や予備校での旧態依然とした授業の話.講師が10年,20年教える中でその経験から鮮やかな解答を示しても,生徒ができるようになるとは思えません.それでは,生徒ができるようになるのは生徒自身が予備校で10年,20年教える経験が必要になります.生徒が自らその授業をきっかけとして学ぶ姿勢やモチベーションが高まることにつながることにならないといいけないと思います.