久しぶりの投稿となりましたが,教え子の東大入試の結果は残念な結果になり,私学の方へ進むことになりました.点数的にもかなり惜しいものだったと思います.
長く進学指導に携わって来て,最後の教え子が,第1志望に合格できなかったことに対して,自分の至らなさを痛感しています.結果論として,いろいろ反省はありますが,合格がすべてではなく,入学してからの生き方そのものが,その後の人生を左右するので,第1志望ではない大学であっても,そこで,如何に勉強するかを次に考えて,精進して欲しいと思っています.
書斎のホワイトボードには,生徒に示した命題の証明が今も消さずに残っています.中国剰余定理を使って,オイラー関数の性質を証明するものです.高校生には少し無理ですが,順を追って説明することで得られるものも大きいと思います.
整数の分野は高校1年生の範囲ですが,証明等を考えると高3になって再度復習する中で,いろいろ学べるところが多くなると思われます.
それに引き換え,データの分析は同じ高校1年生で学びますが,数学とは思えなく,情報の教科書に移行すべきと思います.いつまで数学の教科書に載っているのか.次回の改定ではなくなることを期待したいものです.そのかわり,行列の復活に期待したいものです.
明日から新年度になり,人事異動等も行われますが,最近は知った人の名前も少なくなり,全く他人事(ひとごと)のように感じるようになって来ました.
とはいえ,風の便りに,教え子たちの活躍を耳にすることもあり,ほっとするのもこの頃です.博士号の学位をとった話など,その後の努力を想像することで,ある種,教師としての喜びを静かに感じています.
また,静かに書斎で本を読む機会も増えて,いろいろなテーマについて違った見方の本を読むことで,新鮮な気持ちになることも多くなりました.
東京裁判についての本を以前にも読んだことがありますが,この本は,客観的な論評を読む気持ちで読めた気分になり,納得できる気持ちになりました.特に,文官として一人絞首刑になった,広田弘毅については,これまでもある種英雄的な筆致の本しか読んでいなくて,少し冷静な目で見ることができるようになったことが挙げられます.また,多くの政治家等の言質も偏った見方からこの裁判を見るというか,そういう見方の本からの知識を根拠にしていることも,伺い知れる点で面白く読めました.これを読んだあと,城山三郎の「落日燃ゆ」を読んでいますが,少し冷静に読めるのもこの本のおかげであると思っています.