地理バカ日誌 ☆*:. 地図の園 .:*☆

地理ネタ、地図ネタなど、いろいろ気ままに書いています。

             by まつおか秘密研究所

前回の続き・・・「正距方位図法の世界地図」の疑問

2013-04-27 18:54:35 | うんちく・小ネタ

今回は地図ナシで、前回の続きネタになります。

「正距方位図法の地図」については、ほかに一点、自分が高校で地理を習ったときから持っている疑問があります。
この投影法の地図は、地理の大多数の参考書や資料集などでは「航空図に用いられる」という旨の説明がされてきました。高校の授業でもそう聞かされた記憶がハッキリあります。
しかし、この「航空図」って・・・?
航空図と聞くと、飛行機を飛ばす(操縦する)際に位置参照のために使うものと想像しますけど、こんな地図がどう役に立つの?という疑問です。

実際、Wikipediaを頼りに航空図の項目を見てみると・・・図法の説明に“現在ではランベルト正角円錐図法が主流となっており、「ランベルト航空図」の名称も使われる。一部に地形図等を流用している図で横メルカトル図法などが見られる。”とあります。

まあそうですよね。あくまで“図の中心からの方位と距離”しか正しく表わさない地図だと、出発地で使える地図を持っていても、空港を飛び立ったらすぐに使えなくなってしまいます。また、飛行経路で必要な地図を備えるとしたら、何枚必要になるのか・・・

コンピュータの性能が良くなった今日なら、大型の旅客機や軍用機などではリアルタイムで投影しなおして画面に表示するようになっているのかもしれませんが・・・そもそも飛行機を飛ばすのに、画面上で常に直接的に方位関係を正確に知る必要があるのかという気もします。

とにかく理屈が解りません・・・ということで、前に教科書の出版社に問い合わせてみたりしたこともあったのですが、納得できる回答はいただけないままでした。

最近になって、平成20年発行の帝国書院の『新詳地理B』という教科書を入手して見たところ、「・・・正方位図法(正距方位図法に限定はしていない)の地図は、・・・(略)・・・飛行機の航路を示す際に使われることもある」という説明になっていました。
かつて帝国書院の教科書がどう記載していたのかを確認はしていませんが、この記載だとたぶん間違いは無いですね。たとえば、ある航空会社が自社の路線(たとえば成田や関空から世界の各都市へ就航している路線)を表すような地図なら、見たことある気がしますし。

でも、同じ帝国書院が発行している資料集の『新詳資料 地理の研究』だと、正方位図法の説明に「・・・航空図に使われる」と書いてるんですよね。

私の疑問、見当はずれではないと思うのですが・・・他に同じような疑問を持ってる方、いないのでしょうか?


地図についてのよくある勘違い・・・正距方位図法による世界地図

2013-04-26 15:44:09 | うんちく・小ネタ

学校の社会科(地理)では「正しい(距離と)方位を知るための地図」として正距方位図法の世界地図が紹介されます。教科書や地図帳などで実際に目にするのは、マップ010のような“東京中心に描かれた”ものですね。

  マップ010
  Map010

でもって、東京からみるとホノルルやブエノスアイレスがほぼ真東にある・・・というようなことが試験でよく問われるわけ(と言うよりは、試験対策としてよく取り上げられると言うべき?)ですね。

なぜよく問われるかというと、だいたい日本人は小さいころからメルカトル図法の地図(日本付近の経線を基準に投影したもの)に描かれた情報にもとづいて世界観をつくり上げられがちで、そうすると“日本の真東はアメリカ合衆国”というようなイメージを持ってしまう(勘違いしてしまう)・・・ということが背景にあると考えられます。このメルカトル図法の地図については、またいずれ取り上げてみたいと思います。

では、今回とりあげる「勘違い」は何かと言うと・・・
正距方位図法の地図というのは、“投影の基準点(図の中心)からの距離と方位が正しく表わされる”という性質をもつことは、教科書などでも記載されているし、また学校の授業でも担当の先生はそう説明するのでしょうけど、
たとえばマップ010のように東京中心に投影されたものは、あくまで“東京にある投影の基準点からの”距離と方位が正しく表されるにすぎないのであって、東京以外の場所からの距離や方位については説明力を持たない・・・ということが認識されにくくなっている気がします。

回りくどい言い方をしましたが、端的に言うとマップ010によって「日本から見た方位や距離」が表されていると受け取っている人が多い、ということです。
これについては・・・かつて大学受験予備校で地理の講師をした経験がありますが、ある模試の問題がこの誤解に起因して正解できなかった受講生がとても多く、解説に苦心した思い出があります。また、一部の参考書などでも、たとえばアメリカやアルゼンチンの方位をこの地図にもとづいて説明するのに「日本から見た~」と表記してしまっているのを目にしたこともあります。

「日本から~」の表現が100%の誤りであると言えるかは難しいところですが、日本は国土が細長いですから、両端で比べると、このような世界各地との間の方位関係もずいぶん変わることは事実です。

  マップ011 : 札幌を中心に投影
  Map011

  マップ012 : 那覇を中心に投影
  Map012

那覇から見ると、ブエノスアイレスはオーストラリアのシドニーとほぼ同じ方向になります。

教科書には複数の地図を載せる紙面の余裕は無いでしょうし、“東京中心”で代表させるのには合理性があるわけですけど・・・

いずれ続きを書きます。


続・コンビニの立地密度

2013-04-19 14:55:33 | うんちく・小ネタ

今回は、東京と大阪のコンビニ密度を比較してみました。

  マップ009
  Map009

コンビニって、20年くらい前に教科書で読んだのによると(つまり今もそう言われているのかは知らないのですが)、だいたい店舗周辺半径500mくらいの中に3000人くらいが住んでいると成立するってことだったように思いますが・・・こういう条件というのは、市街地の非C.B.D.部分とかまあまあ密度が高い住宅地ですね。だいたいそういうところに相当する地域として、地図に「人口集中地区(2005年国勢調査による)」を示しましたが。

人口集中地区と重なるエリアのコンビニ立地を見ると、大阪圏よりは東京圏の方が人口あたりの店舗数は多めになってます。上記の条件から考えると、人口集中地区ではだいたい人口1万人あたり3~4店舗あってもおかしくないかな?と思いますけど、大阪の方はこの値より低めの地域が多いです。

それから、C.B.D.は昼間人口比率が高いのでコンビニは立地しやすくなりますが、居住人口は少ない分この地図では値が高くあらわれてしまいます。

東京で一番値が高いのは千代田区で、居住人口1万人あたり約47店です。大阪の場合は大阪市中央区で同約24店です。
なお、両地区の値に倍近い開きがありますが、ここで示しているのはあくまで居住人口で割った値(昼間人口が一切考慮されていない)ですから、単純に比較できない旨をお断りしておきます。


コンビニエンスストアの立地密度は?

2013-04-15 02:57:12 | うんちく・小ネタ

街中のコンビニエンスストアは、いまだにどんどん増えてるように思いますが・・・最近は路面店だけじゃなく、駅や会社のビル内(その会社の従業員向け)の立地も増えて、そういう場所は局所的にすごく高い立地密度なのではないかと・・・・

ということで、コンビニの立地密度が高い場所って、どんな具合なのか、調べてみようと思い立ちました。

まずは、「iタウンページ」から全国にあるコンビニのリスト作りを。
iタウンページは電話番号ベースで収録されてますから、同じ店舗が(フリーダイヤルやFAX番号などの別に)重複して入っています。そういう重複は除き、またチェーンの本社や営業所のオフィス、その他の店舗ではないと思われるものも除くと・・・コンビニは全国で約5万件あることがわかります。なお、iタウンページの「コンビニエンスストア」のカテゴリには電話番号の登録申請者(店主?)の申し出にもとづいて収録されていますから、“これってコンビニ?”と思ってしまうようなお店も含まれます。

でもって、最初の地図は・・・

  マップ008
  Cvs_pop_japan_s

市区町村別に人口1万人あたりの店舗数を表しました。
青色のところはコンビニが1店舗も無い自治体です。

全体的傾向としては、“東高西低”に見えます。とくに北海道が人口あたりの店舗数が多めにあらわれますが・・・どういうわけでしょう?

次回から、少しずつ細かく見て行きたいと思います。


全国の地価変動マップ~平成25年地価公示データより

2013-04-10 09:35:00 | 社会・経済

このブログを見ていただいた方で、もし興味があれば・・・

  「20122013.kmz」をダウンロード

Google Earthがインストールされているパソコンで、このファイルをダウンロードして(保存先はデスクトップなど任意に選択を)ダブルクリックしてみてください。

3月26日から29日の記事で紹介した2012年から2013年の地価変動データをGoogle Earthに重ねて見られます。地価変動率の階級区分や色使いは記事内に示したマップのものと同じです。