地理バカ日誌 ☆*:. 地図の園 .:*☆

地理ネタ、地図ネタなど、いろいろ気ままに書いています。

             by まつおか秘密研究所

「中華民国」を知らない大学生たち

2015-05-22 17:57:01 | 社会・経済
 台湾の本屋などでは「中華民国全図(中華民國全圖)」というのを入手することができますが、これを広げてみると知らない人はビックリ。ようするに中華民国政府が領有を主張している地域すべてが載った地図で、その地域は現在の中華人民共和国とモンゴルをあわせたのよりもさらに広い範囲です(マップ026)。

     マップ026
   
   ※ 中華民国全図の記載範囲と、各地域を実効支配している国の名称を表示

 実効支配地域(台湾島および台湾海峡周辺の島々)の300倍以上の面積という、現実とかけ離れた、言ってみれば台湾の政府からすると「理想の姿」を表した地図の例として、ある大学の講義で紹介したのですが・・・・まずは「中華民国全図」というタイトルだけを見せて、どういう内容か想像できるかを問いかけてみようと思い、何気なく「まず、中華民国って、どこのことか知ってるよね?」と問うと、20名ほどの受講生の誰も答えられず・・・

 仕方なく「台湾のことだけど、じゃあ中国と台湾との関係って、どんな?」と質問を変えると、ある学生は「台湾が中国に支配されてる・・・?」という具合で、これも誰もまともには答えられず・・・・こんなもんなんですかねぇ? 台湾の方々に申し訳ないです。

 また、日本で発行された地図で、しばしば南樺太が無色(白)表示される理由についても紹介したのですが、その際にした「サンフランシスコ平和条約を聞いたことあるか?」という質問にも無反応で・・・こんな体たらくのため、真に意図していた内容は話せずじまいでした。その内容は、いずれこのショックから立ち直れたら、紹介したいと思います。

 ここのところ、こんなような学生の知識不足を目の当たりにするような場面が多かったのですが、さすがに台湾の件では言葉を失いそうになりました。しかし、こんな知識のレベルでは、大学の講義内容の何を理解でき、何を面白いと思えるのかと。

続・大阪市の「特別区設置住民投票」の結果について

2015-05-21 22:02:03 | 社会・経済
 先日の大阪市の「特別区設置住民投票」の結果は明瞭な地域差があらわれましたが、その差が高齢者の分布(高齢化率)と関連しているというようなことが、よく報道されたように思います。現状で生活保護や敬老パスの恩恵を受けている高齢者がその既得権を守るために反対・・・という具合に。そういう面があるのは想像に難くないですが・・・・

     マップ025
   

 これは、各区、総人口に占める65歳以上人口の割合を地図に示したものです。
 先日あげたマップ024と見比べると・・・確かに反対票の比率と高齢化の傾向とは関連があるように見えます。

 そこで、散布図を作ってみました。

     グラフ001
   

 横軸はマップ025の高齢化率ではなく、20歳以上に占める高齢者(65歳以上)の割合としました。相関係数は0.74と高めですが、高齢化が最も進んでいるうえ生活保護世帯率が高い西成区の反対票率がそんなに高くはないというのは・・・もっと賛成・反対の分布について、慎重に見る必要があるかもしれません。

大阪市の「特別区設置住民投票」の結果を地図に

2015-05-18 21:09:17 | 社会・経済
 昨日大阪市で行われた「特別区設置住民投票」の結果を地図にしてみました。

 もし賛成多数なら、将来は「府」が「都」になるかもしれないというのに、大阪市外の地域はわが家も含めて“蚊帳の外”なわけで・・・

 住民投票の結果に関するデータは、大阪市の選挙管理委員会のホームページにて公表されているものです。

 まずは、今回の有権者総数のうち、賛成票、反対票、無効票、棄権の内訳を区別に地図化しました。

     マップ023
  

 投票率でいうと、全市で66.83%、最高は阿倍野区の73.97%、最低は浪速区の52.82%でした。それから、男女別の投票率をみると、男性が64.52%、女性が68.97%(ともに全市)ということで・・・
 これらのデータのうち、賛成票数の反対票数に対する比率(賛成票数÷反対票数)を マップ024 に表しました。

     マップ024
  

 テレビなどでも、賛成票多数の区と反対票多数の区を二色に分けた地図は紹介されていましたが、ここでは6段階に階級区分して賛成票多数の区を青系、反対票多数の区を赤系で表しています。

 もっとも比率が高かったのは北区(1.44)で、隣接する淀川区、福島区、西区が比率1.2を超えました。テレビなどでの報道でもあったように、賛成多数の区は市の北部、反対多数の区は南部や湾岸に集まっているわけですが・・・この地域差と、各地域の性格とについて、統計データにもとづいた簡単な分析・考察を、明日以降少しずつしてみたいと思っています。


「船岡山は“比高”45メートル」で願いたい・・・

2015-05-17 07:01:57 | 日記
 昨日は久しぶりに船岡山(京都市)に登りました。前に登ったのはいつだったか・・・もしかしたらもう8~9年前かも。

 ところで、建勲神社の大鳥居から上がって、社務所や貴賓館の手前に「建勲神社境内図」があります。そこの説明書きには、船岡山が「標高45米」である旨の記載があるのですが・・・これ、「標高」の意味が解っている人ならすぐに違和感を感じると思いますが、そういう人は実際にはどのくらいおられるでしょうか。

 前回(?)この誤りに気付いた際に、いちおう社務所におられた方には告げたのですが(他にもそうした方はいくらでもおられるのではと思うのですが)、残念ながらまだ修正されておりませんね。

 こういう間違いがあるせいなのか、ネットで検索すると「船岡山は標高45メートル」とするブログ等の記事が出てくる出てくる・・・別の場所には「標高112メートル」であることを示す案内などもあるのですが。そう、ここは「標高45メートル」ではなく、「比高45メートル」ですね。

 京都盆地内の標高は、大阪平野との境にあたる三川合流付近で10メートル強、JR京都駅付近で25メートル前後、船岡山の(麓の)あたりは段丘でぐっと上がって70~80メートル(船岡山の西側は段丘の上位面と接しています)となりますから、「標高45メートル」ではむしろ凹地になってしまいますね。


 この日、船岡山へ登ったそもそもの目的は別なのですが、これまで船岡山公園へは立ち入ったことがなかったため、そこに残る「ラジオ塔」を見ることも目的の一つでした。

     写真01
   

 これは1935年、船岡山公園が建設された際に設置されたもの。少し傾いていますが、これは経年によるものなのでしょうか。

 京都市内には、この他にも7基のラジオ塔が残存しています。


昨日に続き、「世帯あたり消費量」の地図を

2015-05-10 15:50:40 | 社会・経済
 昨日の「パンの消費量」に続いて、コメやめん類も世帯あたり消費量を地図にしてみました。

 まずは「コメの消費量」。

     マップ017
  

 1位は佐賀、2位は静岡、最小の47位は岡山で、1位と47位ではほぼ2倍の差です。「コメどころ」のイメージが強い新潟から東北・北海道の消費量が比較的多いのは納得できますが、岐阜、奈良、静岡が上位に入るのは、どんな理由があるのでしょう?また、上位と下位でこんなに差があるというのは・・・

 それから、食パンで1位だった京都は、13位です。けっこう上位で、秋田や福島よりも少し消費量が多いくらいです。


 続いて「めん類の消費量」の地図です。
 なお、これは(コメも昨日のパンもそうですが)外食ではなく、家で食べる量だということに注意を!

     マップ018
  

 1位は香川(高松市)で、2位は京都です。香川は・・・さすが「うどん県」ということで納得。しかし京都は・・・家でコメもパンもめんも、よく食べるってことでしょうか? 他にも近畿から瀬戸内にかけて、それから東北地方、北陸などで消費が多くなっています。


 では、めん類を細分して少し詳しく見てみます。
 まずは「生うどん・そばの消費量」(下左)と「乾うどん・そばの消費量」(下右)です。

     マップ019 & マップ020
  

 「生」の方は、1位はダントツで香川です。2位は京都で、量的には香川の8割弱です。他に、近畿から瀬戸内諸県、北陸で高くなっています。統計値は「うどん」と「そば」の合計ですが、うどんの量の割合が高いことが推測できます。一方で「乾」の方は、東北地方で多く(ここでも京都は多めですが)、そばの割合が高いのだろうと思いますね。
 わが家はうどんもそばもよく食べますが、うどんは乾麺を使うことはほとんど無く(少し前はよく自分で打ってましたが、最近は冷凍が多い)、そばはほぼ乾麺しか使わないといった具合ですから、商品の流通自体がそんな傾向かと。
 ところで、福岡はうどん屋さんが多いですが、「生」では45位です。外食中心なのでしょうか。


 次は「中華めんの消費量」。

     マップ021
  

 1位は青森、2位は岩手(盛岡市)です。盛岡は「冷麺」ですか? では、青森は? 以下、沖縄(那覇市)、山形、岡山と続きます。 地方でいうと東北や北海道での消費量が多めですね。近畿も比較的多いです。


 最後は「スパゲッティの消費量」です。

     マップ022
  

 1位は埼玉(さいたま市)、2位は福岡、3位・東京(特別区部)、4位・北海道(札幌市)、5位・神奈川(横浜市)です。東京周辺で多いのには理由がありそうですが・・・
 わが家はスパゲッティも好きで、だいたいキログラム単位で常備していますが・・大阪はまん中より少ない方ですね。