地理バカ日誌 ☆*:. 地図の園 .:*☆

地理ネタ、地図ネタなど、いろいろ気ままに書いています。

             by まつおか秘密研究所

地表の面積について Ⅴ :奈良県川上村

2016-02-19 22:23:02 | 日記
 山がちな地域の地表面積・・・今回も、しつこいようですが天川村の隣、同じ奈良県の川上村で試してみました。

 川上村は面積が約269.3k㎡、現在の人口は1,300人あまりです。この村も、1889年の町村制施行時に発足してから合併等はなく、村域は変わっていません。

   マップ060 :地理院地図より
  

 川上村には紀の川の水源となっており、大迫ダムと大滝ダムが造られています。

 これが大迫ダムです(Googleマップのストリートビューより)。

  
  1973年竣工のアーチ式コンクリートダム。

 こっちが大滝ダム。上流側からの写真です(同じくGoogleマップのストリートビューより)。

  
 
 大滝ダムは2012年に竣工した、重力式コンクリートダムですが、かつて「東の八ッ場、西の大滝」と言われる激しい建設反対運動が展開されたことでも知られています。


 大滝ダムから少し上がったところに、村役場があります。

  


 TINデータはこんな感じ。

  

 村域(黄色い線で囲った範囲)を西側から見ています。

 GISソフトで村域の地表面積を測ると約344.38k㎡、投影面積が269.22k㎡(平面直角座標系・第六系による)ですから、割り算すると約128%となります。

 天川村の約126%より少し大きい値、これまで計算してきたなかでは最高値となりました。

地表の面積について Ⅳ :奈良県黒滝村

2016-02-18 22:50:06 | うんちく・小ネタ
 山がちな地域の地表面積・・・今回は、前回の天川村の北隣、同じ奈良県の黒滝村で試してみました。

 黒滝村は面積が約47.7k㎡と天川村の3分の1よりも小さく、現在の人口は700人あまりです。1912年に発足してから、一部の編入があったのみで合併等はなく、「平成の大合併」の際に天川村との合併案が出たことは前回も紹介した通りです。

   マップ059 :地理院地図より
  

 天川村と隣接してはいますが、谷筋、水系が別ですから、交通の便も良いとは言なさそうですし、合併して一体化するというのはイメージしにくいかもしれないですね。

 やま並みのようすは、こんな感じです(Googleマップのストリートビューより)。
  

 でもって、GISデータの処理を。

  

 村域(黄色い線で囲った範囲)を西側から見ています。右隣に天川村が位置します。

 表面積を測ると約58.72k㎡、投影面積が47.68k㎡(平面直角座標系・第六系による)ですから、割り算すると約123%となります。

 天川村に比べると差は小さい、高知県大川村よりは少し大きい、という結果でした。



大阪城

2016-02-12 22:41:04 | 日記
 昨日、大阪城公園へ行きました。当然でしょうが・・・人が多かったです。とくに外国人客。

 そして、今回は約三十年ぶりに天守に上がりました。 ここ数年、毎年1~2回、本丸までは行くことがあったのですが、思い立って家族そろっての入場(城)です。 ただ、「日本100名城」のスタンプ帖を忘れてしまったのが残念・・・

 本丸では、「真田丸」にちなんだ出し物をいろいろやってました。 また、晴天で、天守の写真を撮るには絶好だったかと。 漆喰壁の白と空の青のコントラストが良好で。

  

  

 天守の最上階はこんな感じ。 ゆっくり眺望を楽しむという雰囲気でもなく・・・

  

 南の方の眺望です。 ハルか遠くにカスんで見えるのが、「あべのハルカス」で、通天閣も見えてますが、やはり霞んでいます。

  

 お客にはほとんど注目されてなかったと思いますが、自分的には、この旧・陸軍第四師団司令部庁舎も気になる存在で、上から写真撮れて満足でした。

  


 帰宅してから、地形図と陰影起伏図で歩いたルートの「高低差」をチェックです。

   マップ058
  

 国土地理院の基盤地図情報・数値標高モデル(5mメッシュ)のデータを使用して、2.5mグリッドの標高ラスタを作成し、そこから陰影起伏を求めたものです。 なお高さを3倍に強調しています。

 人工的な盛土・切土で変わってはいますが、全体としては上町台地が周囲より高くなっているようすがよくわかります。 昨日は天満橋駅から谷町筋の坂を上がり(下の写真)、そこから上町筋の大手前交差点へ。

  

 大手門の手前には、これもお客に注目されることはまず無いのだろうと思いますが、大阪市水道局の大手前配水場(高地区配水ポンプ場)があります。 1931年の竣工ですが、台地上という地形を活かして設置されたことがうかがえます。

  

 今回は大手門から直に天守まで進みましたが、本当は周囲をもっとゆっくり巡ってみたいところです。 いま話題の(?)真田丸跡なども・・・

  



 

  

 

地表の面積について Ⅲ

2016-02-10 21:33:34 | うんちく・小ネタ
 山がちな地域の地表面積・・・今回は、奈良県の天川村で試してみました。

 安直ですが、『天河伝説殺人事件』の映画で見た風景からの思いつきです。

 天川村は面積が約175.7k㎡、現在の人口は1,300人あまりで、1889年の町村制施行時に発足してから合併等はなく、村域は変わっていません。その範囲は、五條市にある猿谷ダムの猿谷貯水池の上流にあたる天ノ川の集水域にほぼ相当しており、隣接する村との隔絶性が高くなっています(マップ057)。「平成の大合併」の時期には北隣の黒滝村との合併などの話もあったそうですが、実現しなかったのにはそうした地理的事情も影響しているでしょうか。

   マップ057
  

 でもって、Googleマップ・ストリートビュー写真がら。前回の大川村のときにも思いましたが、今は郡部もかなり広範にストリートビューが整備されていて、すばらしいですね。

  

 どこの絵を取ってこようか迷ったのですが、まずはここを。村役場や天川小学校があるあたりを少し下流側の橋の上から見ています。川の奥に見える林の向こうに小学校があります。この写真に写っている山並みは、もしかしたらそれほど急傾斜には見えないかもしれません。ですが、村の入り口、猿谷ダム貯水池の上流部あたりだと、下の写真のように周囲はかなり切り立って見えます。

  

 ということで、前回の大川村と同じようにTINデータを作ると・・・

  

 村域(黄色い線で囲った範囲)を南西側、天ノ川の下流の方から見ています。

 表面積を測ると約221.19k㎡、投影面積が175.64k㎡(平面直角座標系・第六系による)ですから、割り算すると約126%となります。

 大川村よりも差が大きい、という結果でした。


  

地表の面積について Ⅱ

2016-02-09 20:39:29 | うんちく・小ネタ
 地図投影面積に比べて地表面積が大きそうな地域(自治体)を探してみました。山がちであるほど、その可能性が高いと思いますが・・・今回は試しに高知県大川村を。

 大川村は面積が95.3k㎡、現在の人口は約360人で、離島以外では人口最少の村とされているそうです。というのも、もともと平地が少ないわけですが、1977年に早明浦ダムが完成して、従前の村役場も含めて谷底平地のほとんどが水没してしまい、それと同時に人口が大幅に減ってしまったという経緯です。

   マップ056 :大川村周辺の地形図(「地理院地図」より)
  

 大川村の村役場は「加茂次郎山」の南側斜面にありますが、そのわずかに上流から見た風景は下の画像(Googleマップ・ストリートビュー写真)の通り。この村役場のあたりは標高350mくらいなのですが、画像中に見える山の頂はどれもだいたい1,100mを超えます。周辺には傾斜が30度を超えるような斜面も、かなりありそうです。

  

 ということで、作ったTINデータが下図です。作成方法は1月20日の富士山のときと同じです。

  

 このデータを使って表面積を求めたところ、116.25k㎡、投影面積が95.25k㎡(平面直角座標系・第四系による)ですから、割り算すると約122%となります。つまり表面積は22%増しということに。けっこう大きな差ですね。これより差が大きい地域は、どのあたりにあるでしょう?