地理バカ日誌 ☆*:. 地図の園 .:*☆

地理ネタ、地図ネタなど、いろいろ気ままに書いています。

             by まつおか秘密研究所

食の地域差(家計調査から)

2021-03-25 21:53:21 | 社会・経済
 来年度も大学の担当科目のうち3分の1くらいはオンライン授業になる見通しで・・・せっせと教材の準備をしていますが、1年生向け教養科目のネタとして取っつき易そうなのは何かな?ってことで、家計調査のデータを使って「食の地域差」の地図を。 国内の東西で牛肉・豚肉の消費傾向が違う・・とか、そのような話です。 たいがいの食材は、小なりとも差があるのですけどね。 コメにだって差はあります。

  マップ119 コメの購入量の地域差(2011~2020年の平均)


 なお、この地図は「二人以上世帯」の2011年から2020年までの10年間の値を平均して、その量の降順(大きい順)に色分けしたものです。 調査対象は各都道府県の都道府県庁所在地の世帯ですが、便宜上、各都道府県全域を代表するものとして扱って地図化しています。

 この、コメの場合は、10年間の平均値で見て、最大(札幌市)と最小(東京都区部)の差は約1.5倍と、他の食材に比べると小さいのですが・・・・それゆえ、調査年による順位変動は比較的大きくなります。

  マップ120 2010年のコメの購入量の地域差


  マップ121 2015年のコメの購入量の地域差


  マップ122 2020年のコメの購入量の地域差

 「明瞭な地域差」とまでは言い難い・・といったところでしょうか。 ただし、他の炭水化物(パンや麺)の消費傾向に地域差がありますから、コメの消費量にもある程度の地域差があることは確かでしょう。

一方、消費量の最大(松江市)と最小(鹿児島市)との間に約25倍の差がある「しじみ」の場合は・・

  マップ123 しじみの購入量の地域差(2011~2020年の平均)


  マップ124 2010年のしじみの購入量の地域差


  マップ125 2015年のしじみの購入量の地域差


  マップ126 2020年のしじみの購入量の地域差


 いくらかの順位変動はありますが、大雑把に見た分布パターンはあまり変わらないと言って良いでしょう。

 しじみの漁獲量が多い島根県、茨城県、青森県などが上位ですが、その他にも、全体的には東北日本の地域の消費量が多い傾向が明瞭です。

山崎城跡(天王山山頂)

2021-03-21 21:02:59 | 日記
 天王山の山頂にはかつて山崎城がありました。 羽柴秀吉が、山崎の戦いの後から大坂城の築城までの一時期、拠点としていたとのこと。

 城の主郭内に大山崎町教育委員会による案内板があり、その記述は・・・

 大山崎周辺は京都の出入り口にあたり、南北朝内乱や応仁・文明の乱の際、しばしば戦場となった。その際、軍勢が天王山山頂(標高270メートル)に陣取り、城が築かれることも見られた。
 天正10年(1582年)6月、山崎の合戦で勝利した羽柴(後の豊臣)秀吉は、翌7月、山頂に山崎城を築き、大山崎を城下町として保護した。この時、秀吉は織田信長の後継者を意識し、千利休らと大山崎で茶会を開いた。
 しかし、大坂築城が本格化すると、同12年4月に山崎城は破却された。この時、山崎城の「天主」も取り壊されたといい、高層建築物があったことがわかる。山頂周辺は、字「古城」と呼ばれ、構成も城跡と認識されていた。
 現在も天守台、曲輪、土塁、空堀、井戸、食い違い虎口、石垣などが残存する。 (平成25年3月)

 ・・・とのこと。 城の存続は2年足らずだったわけですね。

 その案内に添えられている縄張りの概要図です。
 


 ① 主郭より天守台をのぞむ。
 
 天守台の比高はわずかです。 天守台上が山頂で、標石(270.4メートル)があります。 これについては、1月5日の『天王山登頂!!』の記事で紹介済みです。


 ② 主郭の西、一段低い曲輪です。
 


 ③ 井戸跡
 
 
 
 ほぼ完全に埋まってしまっているように見えます。


 ④ 井戸の南側の小さな曲輪
 


 ⑤ 小さな石仏・石塔などがあります
 


 ⑥ 天守台北側の曲輪
 


 ⑦ 堅土塁(?)
 
 
 これが堅土塁なのかどうか、よくはわかりません。 なお、ここから主郭へ登ることもできます。

再び天王山へ(天王山トンネル)

2021-03-20 19:06:11 | 日記
 再び天王山へ登りました。 ただし、前回とは違うルートで。

 今回は、サントリーのウイスキー工場の奥にある椎尾神社の登り口からです。

  マップ115 (地理院地図より)
 

  写真 サントリー山崎蒸留所
 

 天王山への登り口は他にも複数ありますが、今回このルートを選んだ理由は・・・

  マップ116 (地理院地図より)
 

 この地図の矢印部分、天王山トンネルが通っていますが、等高線との位置関係を見るとトンネルが谷をまたいでいるように見えます。 実際にはどんな構造になっているのか? 地理院地図の空中写真に切り替えて見ると何やら構造物のようなものがある気もするのですが、判読性がイマイチ。

 そこで・・・Googleマップの空中写真で見ると、こんなものが見えます。 この構造物を現地で見られるかな?ということで、このルートを選んだワケです。

  Googleマップより
 


 写真 椎尾神社
 

 椎尾神社の鳥居です。 桜が咲いていました。

 神社の奥、拝殿のところまで進むと、その南側の谷には砂防ダムが築かれており、そこからトンネルの構造物を見ることができました。

 

 さらに、いくらか登って行くと、トンネル構造物の上部を確認できます。

 

 これ、正体を知らずに見ると、ちょっと怖いかも・・・

 トンネルを過ぎて谷を登って行くと、
 

 道沿いにはスミレが咲き、春到来です。