地理バカ日誌 ☆*:. 地図の園 .:*☆

地理ネタ、地図ネタなど、いろいろ気ままに書いています。

             by まつおか秘密研究所

これって、どう解釈すれば・・・?

2017-12-23 22:27:36 | 学問
 またまた、ずいぶん長らくご無沙汰してしまいました。 しかしこれで、2017年中の投稿が皆無となるのは回避できました。

 今回のネタは、国勢調査のデータを使う際に、戸惑うポイントの一つ・・・・


 下のマップ065は、2015年の国勢調査の「従業地・通学地による人口・就業状態等集計」データを使って、大阪市の就業者のうち市外を従業地とする者の数を市区町村別にプロットした地図です。 つまり、大阪市から市外へ通勤する者の通勤先市区町村ごとにその数を表しています。

   マップ065
  


 割合としては当然ながら近畿地方内への通勤が大きいのですが、北海道の稚内や根室、羅臼から、沖縄県の石垣島まで、全国津々浦々に及んでいるという感じです。

 近年、新幹線が開通したり、空港が新設されたり・・・国内の諸交通機関の発達で、全国各地との行き来がし易くなった結果???

 ということで、20年前の1995年のデータと比較してみました。 ただし、地図を見易くするため、表示を5人以上の通勤者がいた市区町村に限定しています。 マップ066が1995年、マップ067が2015年のものです。

   マップ066
 


   マップ067
 


 これらの地図を見ると、たしかに通勤範囲が拡大しているように見えます。 やはり、交通の進歩はすごい・・って、素直に読んじゃダメですよね?


 ちなみに、2015年の大阪市内に居住する就業者数は約112万人、市外で最も通勤者が多いのは隣接する東大阪市で約2.6万人。 府外で最多はこれも隣接する尼崎市で約1.1万人、それに次いで神戸市が10,352人、京都市が7,241人という具合。

 また近畿外で最大なのは東京特別区部で1,956人(うち港区が最大で353人)、以下は名古屋市479人、福岡市142人、広島市138人・・・です。 ここに挙げたくらいなら、新幹線で繋がっていますし、そんなものかなと思えなくもないのですが。 前出の羅臼とか石垣島っていうのは・・・?


 私も、かつて一時期、週一ですが大阪から大分県へ「通勤」していたこともありますが・・・

 それに、国勢調査では「仕事」について、「9月24日から30日までの1週間に収入を伴う仕事をしたかどうか」という形で問うた(Fig.36)うえで、「仕事をしている場所(又は通学している学校の場所)を選択」する(Fig.37)よう求めていますので、たまたま・・っていうのはあり得るでしょうけど。

   Fig.36
 


   Fig.37
 


 これらの「実態」は、どういうものなんでしょう・・・???