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うぇばーはどこへ・・・

2007年01月14日 | 移籍・トレード

クリス・ウェバーがついにクビんなっちゃいました。
キングス時代の栄光を知ってるオールドファン(?)にとっては寂しい限りです。

正確にはバイアウト(buy out=契約買取)なんですが、ウェバーは年俸約25億円×残り2年分=計50億円の契約を残していました。
なのでそのままチームに残って普通に50億円もらってもよかったんですけど、アイバーソンを放出して若手中心に切り替えたシクサーズにこれ以上いてもしゃーないというわけで、「他のチームに行かしてくれ」となったわけです。
そこでシクサーズは、出て行かせる代わりに2年で合わせて約8億円分をまけてもらい、42億円分だけ払うことにしてウェバーを自由の身にしました。
それが今回のバイアウトの中身です。

そして気になるウェバーの行き先なんですが、本人は今すぐ優勝できるチームに行きたいってことで、ヒート、ピストンズ、スパーズ、マブズ、レイカーズの5チームを希望として挙げました。
まあ最近流行りの“他力本願”戦法ですね。
かつてフランチャイズプレーヤーとして名を馳せたスターが、自力で優勝することに失敗し、キャリア末期にロールプレーヤーとして強豪チームに入りたがるというアレです。
昨シーズンは見事、ゲイリー・ペイトンやアントワン・ウォーカーがその作戦で優勝リングをゲットしましたね。

で、話を戻すと、まずスパーズとマブズはほとんど可能性がなさそうですね。
先発PFの座を希望しているウェバーですが、マブズはダーク・ノヴィツキーがいるのと、ディフェンスを重視するエイブリー・ジョンソンHCがマタドール・ディフェンス(マタドール=闘牛士のようにヒラリヒラリと敵を素通りさせてしまうウェバー得意のヘタレ・ディフェンス)のウェバーを先発で使うわけもなく・・・。
一方スパーズは、そのマブズに昨年プレーオフで負けたのは走り負けが原因、つまりベテランを集めすぎて若手が足りなくなってしまったからだと考えています。
なので、今さらベテランで走れないウェバーを獲りにいく可能性は低いでしょう。

とすると残るは3チーム。

なかでも最も可能性が高いと言われているのがピストンズ。
ミシガン州の州都デトロイトで生まれ育ち、地元の強豪ミシガン大に進みファブ5として全米中の人気者となったウェバーにとって、ピストンズは小さい頃から憧れのチームでした。
ピストンズの方も、ベン・ウォーレスの抜けた穴が埋まらず、インサイドの柱となるべきラシード・ウォーレスはわがままが過ぎて先発を外される始末。
社交的で明るい性格のウェバーは、戦力面でもそうだが、同時にケミストリーの点でも暗い雰囲気のチームにとってプラスに作用するかもしれません。
先発問題も、元々開幕前はアントニオ・マクダイスをPFにしてラシードをCで使うというプランもあったくらいなので、ラシードをセンターに回してウェバーをPFで先発させるラインナップも十分アリでしょう。

シャックのケガで、得点力をウェイド1人に頼り切っているヒートは、ウェバーの得点力が今すぐにでも欲しいところ。
特に昨年ペイトンやウォーカーを引っ張ったように、昔のビッグネームが大好物のヒートは当然ウェバーも狙っています。
ヒートが他の競合相手よりも有利なのは、年約5億円のサラリーキャップ例外枠を丸々使うことができるという点。
他のチームはベテラン最低年俸の約1.5億円しかオファーできませんが、ヒートだけ最高5億円まで提示することができます。
ウェバーにとっては、バイアウトの際に手放した5億円分をそっくりリカバーできるというのはおいしい条件なわけです。

ダークホースはレイカーズ。
「今優勝できる」という最初の条件からすると遠い気もするのですが、実はウェバーがプレーするには最も適したチームだからです。
かの有名なトライアングル・オフェンスは、ビッグマンがミドルレンジでボールを持ち、そこからカットインする味方にパスをさばいたり、自分でミドルショットを放ったりするのが特徴。
その攻撃スタイルはちょうど、キングス全盛時代にウェバーが得意としていたプレースタイルそのまんまなんですね。
「インサイドで身体接触するのを嫌い」だが、「攻撃のイニシアチブはとりたい」。そして「主な武器はパスとジャンプシュート」というウェバーにとっては、自分の能力を最も生かしてくれるシステムなわけです。

「地元」のピストンズか、「金」のヒートか、「プレースタイル」のレイカーズか・・・。
果たしてウェバーが選ぶのはどの条件なんでしょうかねぇ~


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