映画のせかい

私が最近見た映画 ※ネタバレあり

悪魔の手毬唄(1961) #138

2004-12-20 | あ行の映画
1961年 日本 84分

50年代の片岡千恵蔵シリーズと70年代の横溝映画ブームの丁度真ん中にポツンと作られていた金田一耕助シリーズ番外編?とも言える作品。金田一を演じるのは高倉健。白いスポーツカーで颯爽と現れ、堅実な推理でじわじわと追い詰めていく。高倉健の助手的な役割を演じているのは美空ひばりの弟小野透だ。

さて、舞台は岡山県鬼首町。帰省中の人気歌手和泉須磨子が殺される。死体の上におかれたトランジスタラジオからは彼女の歌う「鬼首村手毬唄」が流れていた。パニックの中、彼女の生家で地元の名家であり仁礼家では彼女の弟が殺される。事件の背景には鬼首村一の富豪仁礼家の発展にまつわる秘密と20年にわたる復讐劇があった。

番外編と書いたが実はこの作品横溝映画であるようで横溝映画ではない。脚本は原作を読まずに書いたとも言われ、原作とは違う物語になっている。手毬唄の見立て殺人が特色だが、本作では手毬唄はただの歌謡曲、しかも20年前のいわくつきの曲をなぜか娘がリバイバルするという設定だ。手毬唄の恐怖を味わいたければ1977年版を見たほうがいいかも??
でも2つの家の因縁と時を超えた復讐という点では横溝っぽい作品にはなっている(無理やり??)。「神のお告げ」を吹聴する謎の老婆も例によって登場するが、ちょっと出番が少ない。
ま、でも、この唄を怖く感じさせるという点では演出には成功してると思う。怪しい雰囲気を味わいたいときには是非!

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