映画のせかい

私が最近見た映画 ※ネタバレあり

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妖星ゴラス #282

2005-04-03 | や行映画
1962年 日本 89分

日本から打ち上げられた土星探検宇宙船が、地球よりも重量にして6000倍、大きさは3/4くらいの惑星ゴラスに近づいた。宇宙船は引力に引かれ、衝突してしまう。この惑星、だんだん地球に向かっていることが明らかになり、このままではあと700日でゴラスに吸い込まれてしまう。

国連が取った対策は2つ。ゴラスを爆破するか、南極に巨大なジェット噴射口を作って地球を動かすかである。南極に原子力を運ぶ一方で、金井らは鳳号に乗りゴラスの調査に向かう。

惑星が地球にぶつかるというのは「ディープインパクト」や「アルマゲドン」と似た設定だが、地球そのものを動かすという発想(可能不可能は別にして)に驚いた。ジェット噴射口をつけた南極から正体不明の怪獣が出現したり、ゴラスに接近した金井が記憶喪失になったり、と盛りだくさんの内容である。

作中で「政府も国民も自分のこととして捉えていない、アメリカやソ連に任せておけばいいと思ってる」という架空とも現実とも付かないような台詞があった。活躍するのは日本軍なのだが、実際にこういう事態になると日本は何ができるだろうか?
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世にも奇妙な物語  映画の特別編 #265

2005-03-22 | や行映画
2000年 日本 145分

1990年からフジテレビで放映されたオムニバスドラマの映画版。TVと同じくタモリがストーリーテラーを務める。

「雪山」
ホラー。雪山で遭難した5人のうち一人が足を骨折し、これ以上は運べないと、雪に穴を掘って一時埋める。親友の女子大生(矢田亜紀子)は必ず戻ってくると約束するが、雪はひどくなる一方。そんな中、医師(宝田明)は遭難した二人の男の話を始める。そして女子大生は4人しかいないはずの山荘にもう一人いるんじゃないかと疑い始める。

「携帯忠臣蔵」
大石内蔵助の元になぜか携帯電話が。現代から歴史上の人物に本当に史実どおりなのか確認する、という話。原作は清水義範。う~ん、納得。

「チェス」
コンピューターに負けて自暴自棄になった元チェスのチャンピオン。ある日謎の男にチェスの勝負を持ちかけられるが、その駒の動きどおりに実際の人間が刺されて死んでいく。本気になったチャンピオンは・・・。

「結婚シミュレーター」
結婚式の直前、お互いの思考回路を読み取り、10年後をシュミレーションする、という機械を試したカップルが見たものは、子供が生まれて仕事と両立しない家庭はバラバラになりついに離婚する二人の姿だった。

TVどおりのイメージのままの4つの作品、とても懐かしい感じがする。ホラーあり、歴史検証あり、ラブコメあり、のバラエティーに富んだ内容だ。最初にホラーでぶちかましラストで心温まる構成でよかったよかった。それぞれの話をつなぐ、雨宿りの駅の中でタモリたちが会話するところもひとつの話になっていて、これは三谷幸喜が脚本を担当している。
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屋根裏の散歩者 #220

2005-02-15 | や行映画
1992年 日本 77分 江戸川乱歩

江戸川乱歩生誕100周年記念作品。明智小五郎が嶋田久作なのが意表をつくが、なんか作品の雰囲気に似合ってる。三上博史が犯人で、嶋田に見破られ、追い詰められるが、告発されるわけではなく、なんともいえない雰囲気の中で物語は終わる。江戸川乱歩の世界の表現方法としてはひとつの確立した例になるのかもしれない。犯人を追いかけるもう一つの視線、カタツムリも後味の悪さを演出してる。

安アパートに引っ越した郷田三郎(三上博史)は、彼らの議論にも冷めた視線で迎合できずにいる。そんな彼の楽しみは屋根裏に侵入し住民たちの隠れた生活を覗き見することだ。SMに興じる弁護士、複数の男を渡り歩く女、小銭を盗む女中など、意外な一面にすっかりはまってる。そんな中、覗くだけでは飽き足らず、歯医者の殺人計画を思い立つ。

ハムレットの殺人劇をダブらせ、タバコから彼の犯行を怪しむ明智が仕掛けたトリックとは。
宮崎ますみ演じる清楚な女性がだんだん狂ってくる所も見もの。

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夢の女 #212

2005-02-08 | や行映画
1993年 日本 98分 吉永小百合主演

永井荷風原作の明治浪漫を坂東玉三郎が監督したモノクロ映画。画面もそうだが、台詞回しやストーリーのテンポ、1950-60年代映画への愛が感じられる。そして主演してるのが当時とあまり変わらない吉永小百合である。助演してる樹木希林とは実は2つしか離れてない(樹木が上)のだが、役柄は樹木が吉永をたしなめ、支えていく女性を上手く演じてる。

全般的に美しさを意識して作られてる。吉永小百合が酒に溺れるシーンがあるが、堕ちていく感じが全然しないんだよねー。公開時48歳の彼女の独特の世界なんだろうけど、それで映画が一本成り立っちゃうわけだし、作品としても遜色ないし、良い映画なんだけど、懐かしむ年代には受け入れやすく、若い世代にはぬるく感じてしまうのではなかろうか。私も最初はそうスローに感じたが、見終わってからじわじわと思い出してしまいました。


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用心棒 #188

2005-01-26 | や行映画
1961年 日本 110分

用心棒桑畑三十郎を演じる三船敏郎の圧倒的な存在感にあっという間の2時間弱だった。白黒映画とは言え画面の隅々までくっきり写していて、セピアカラー風の綺麗な映像に、三船の濃い顔がばっちりはまった。女を逃がすのに匿われた家に突入し、あっという間に10人くらいをぶった斬って行くシーンのスピード、刀さばき、カッコイイ!風に舞う紙を包丁を投げて刺すとか、もちろんラストの10秒間の10人斬り大チャンバラも!

ある宿場町の対立する組織の抗争の話で、小さな町なので自分が住んでいる町の北側と南側で抗争したらこんな感じかなーと思いながら見てた。丁度うちの前の通りくらいの小さな町だ。町中の人々に知らせる鐘をピストルで撃って鳴らすところが、町の大きさを物語っている。宿場町全体をセットで再現したんだと思うけど、通りはリアルで懐かしい感じがする。限局された舞台からは、どこにでもありそうないざこざだけど、その町だけ切り取ったような閉鎖社会とそこに現れた風来坊が大暴れしていく姿を浮き彫りにしていく。犬が手首をくわえてやってくるシーンから、町のトラブルが始まることを知る。また、三船が刀で壊していく家の古さからはその町の歴史を感じさせ、燃えていく家からは町の終焉をも予感させる。

最初の三船の登場シーン、単なる野蛮人にしか見えないが、音楽がこれまた緊張感を高めてる。コメディな音楽に変えたらそのままコントで使えそうだ。なんとなく全編コメディっぽいところも魅力である。

後にイタリアで『荒野の用心棒』、アメリカで『ラストマン・スタンディング』とリメイクされ、スピルバーグも師匠と仰いだ黒澤作品の最高峰の一つだ。


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野性の証明 #174

2005-01-13 | や行映画
1978年 日本 143分 角川映画第3弾

♪男は誰も皆、無口な戦士 というテーマ曲が懐かしい高倉健版ランボー!スタートから飛ばしまくり、惨殺しまくりで約2時間半。首が飛ぶは、斧を脳天に叩きつけるは、そりゃ凄いことになってる。昨今のCGほど綺麗じゃないけどその分、頭をかち割る音が聞こえてきそうなシーンが続いた。高倉健が元自衛隊特殊部隊の野性の血を甦らせてからは特に凄い。森に仕掛けたワナで自衛隊を一網打尽にする。特殊部隊と一般自衛隊を見分け、戦い方を変えたり、もちろん銃の腕も一流、最高級の戦士であることを証明していく。いち早く彼の実力に気付いていた松方弘樹が自ら制圧にヘリコプターから彼を襲い、一騎打ち。本物の戦車や銃を使ったロケは日本では無理だとアメリカで行なったらしい。

そのストーリーはというと、自衛隊特殊部隊の訓練で山中に取り残された味沢(高倉健)が、村の大量殺人に出くわす。奇病に取り付かれた犯人が村中を皆殺しにした後、自分の娘を殺そうとした直前、斧で頭を叩き割り少女を救出する。数年後この殺人を理由に自衛隊を辞職した味沢は唯一生き残った少女を引き取り羽代市で生命保険の外交員として働いていた。そこへ交通事故の死体があがり、保険金を請求される。事故を調査する味沢は、この事故を不審に思う新聞記者の越智朋子と出会う。彼女はかつて大量殺人事件の際、味沢を助けようとして事件に巻き込まれて死亡した女性の双子の妹だった。

この事件をきっかけに大場総業会長(三國連太郎)が関与している砂利採取場をめぐる汚職事件に巻き込まれた味沢らは、大場会長の手先のやくざ(成田三樹夫)土建屋(梅宮辰夫)らと抗争になってしまう。裏では刑事が片棒かついでいたり、冷酷な幕領(丹波哲郎)の姿もあった。そして大量殺人事件をしつこく追う刑事(夏八木勲)も絡み、越智朋子が殺され、ついに味沢の野性が爆発する。

・・・

デビュー作となる当時14歳の薬師丸ひろ子は、自分を助けた男であり、父を殺した男を父と思っている記憶喪失の少女を演じている。最初は役柄通り田舎の姉ちゃんっぽい感じだが、最後まで高倉健と共にする姿は「レオン」を髣髴させ、この後大女優への道を歩むことになっていく。

自衛隊をここまで悪に描いて本当にいいの?と思ってしまった。テロリスト味沢に仕立てて合法的に抹殺しようと、拳銃を持っただけの生身の人間に戦車やヘリなど大人数で対抗していく。

ラストは本と映画両方のCM戦略として別の結末になっている。犬神家-人間の証明-野性の証明でこっそりキャストがかぶってるので発見するのも楽しい。

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酔いどれ天使 #162

2005-01-01 | や行映画
1948年 日本 98分 黒澤明監督

こういうお医者さんって見なくなったなあ。あまり病院に行く方ではないが、どこに行っても優しくて、患者を叱り飛ばすような人はいない。受付の女の人も接遇の教育が行き届いているようで・・・。そうそう、ラ-メン屋とか料理関係は頑固親父ってまだいる。でも味が良いから行列が出来たりする。週刊誌ビッグコミックスピリッツの爆発寸前という8コママンガで、頑固親父に怒鳴られながら食事していた客の一人が、「よく考えたら、あんまり美味くないぞ」と発した言葉がみんなに伝わり、みんなが「まずい」とオヤジに反乱していく話があったが、まあ、そんなもんだろう。

この作品の主人公眞田(志村喬)は、そんな武骨な町医者だ。ゴミ捨て場と化している沼の裏手に開業してる。世の中から病気が無くなったら困るのは医者なのに、医者は病気を無くそうと必死になっているんだから、医者はバカだ。なんて言うが、医者のやさしさを知っている看護婦には、先生は物事をはっきり言い過ぎるのよ、と諭される。女子高生からももう子どもじゃないんだからわかります、と言われ、照れる一面も持っている。

そこへ飛び込んできたヤクザの松永(三船敏郎)、ピストルの弾を摘出した際、肺結核が見つかる。きつい言葉で注意を促すが、松永の酒に溺れる日々は続く。そんな時、ム所帰りの岡田がやってきて、松永の居場所がなくなっていく。松永に真正面からぶつかっていくのは眞田くらいである。そして死期を悟った松永は思い切った行動に。。。。

眞田医師の乱暴な言葉に隠された患者を思う気持ちと、うらぶれた戦後の風景・汚い病院・汚い風景・ヘドロ化した沼の中に沈む人形が、印象的である。

ラストのナイフで追い詰めるシーンでは三面鏡に写る3つの姿がインパクトがあった。ホールで歌う歌手は迫力があるなと思ってたら笠置シヅ子という歌手だった。名前は知ってる。

タイトルの酔いどれは医師の眞田を示しているんだろうが、三船敏郎の存在感が光った。
三船敏郎の初主演作で、記念すべき黒澤=三船の黄金コンビの第1作。

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容疑者 #53

2004-10-11 | や行映画
2002年 アメリカ 108分

仕事一筋のNY市警の優秀な警官が、ある殺人事件の捜査中に、幼い頃に別れた息子が第一容疑者であることを知らされる。果たして息子は犯人なのか?・・・・というミステリーではない。冒頭から息子ジョーイ(ジェームズ・フランコ)が麻薬の売人を刺し、金を盗んで逃げるシーンから始まる。ロングアイランドで本当に起こった殺人事件を元にしている。ジェームズ・フランコは「スパイダーマン」で、主人公ピーターの親友役の彼だ。

ジョーイは乳飲み子を持ちながら麻薬に溺れ、妻子の元にも帰らないどうしようもない生活を送っている。優秀な父ビンセント(ロバート・デ・ニーロ)は彼が幼い頃離婚し、現在は恋人と平和に暮らしている。

ラストシーンで説得する父に、自分だって俺を捨てたじゃないか、と反抗する姿、優秀な父親に対するジェラシーをどこかで持っているはずである。対して最初は刑事として犯人を追っていた父も、いつしか父親として息子に接する。それまで断絶していた親子が、ここで再び心の交流を持つわけだ。サスペンスであるが破滅と再生のドラマを堪能していただきたい。

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八つ墓村 #36

2004-09-23 | や行映画
1977年 151分。

作者である横溝正史は1902年5月24日に生まれた。もう100年も前の話である。
江戸川乱歩が1893年生まれなので10歳も離れていないのだが、乱歩作品が古典としての風格を感じさせるのに対して、横溝正史は全く色褪せていない。それどころか1996年にもリメイクされた本作品は現代でも懐かしさと共に新鮮さも感じさせるのだ。まだ見たことがない方でも「八つ墓村のたたりじゃ~」というフレーズは耳に残っているのではなかろうか。

本作品「八つ墓村」3度も映画化されていて、TV版を含めると10年に一回は放映されているんじゃなかろうか。中でもこの1977年版の特徴は、見終わった後も印象深い「拘った作り」にある。物語の起点である落武者の惨殺シーンは長くリアルに繰り広げられ、、洞窟シーンは洞窟好きもうなる出来栄えだ。
金田一耕介を演じるのはなんと渥美清。寅さんに合わせたのか、どこか人情味のある金田一となっている。

実はこの話、実際に起こった津山30人殺しの犯人の子供では?という設定で、30人殺し(作中では32人)のシーンもある。また、津山30人殺しの犯人が惨殺された落武者の子孫であるとし、死後も洞窟の中に祀られていることになっている。津山30人殺しに関しては下を参照していただくとして、現実の事件とリンクしたセンセーショナルな設定も興味深いのだが、この作品では、他の同名作品と比べてもさらに複雑になった人間関係が描かれているので注目である。原作と異なる因果を含んだおどろおどろしい結末が、横溝正史シリーズの中でも特に怖いと人気だ。

津山30人殺しに関する小説
・『津山三十人殺し』筑波昭 (草思社)
・『龍臥亭事件 上下』島田荘司(光文社 カッパノベルス)
関連HP
誰か昭和を想わざる 実録八つ墓村


それにしてもあの家、間取りといいすばらしき日本家屋だ。シネマ紀行・八つ墓村によるとロケ地があるようだが、使用していないんだったら住んでみたいものだ。
でも、たたりは嫌だなあ。
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