テアトル十瑠

“自分の人生に喜びを見つけたか? 人生で他人に喜びを与えたか?” ~ 「最高の人生の見つけ方」より

50年代にいるシアーシャ・ローナン

2016-06-28 | 予告編
 オールディーズの曲が流れそうなセピア調のスクリーン。オジサンには堪らない雰囲気がありますなぁ。
 なんと、主演が「つぐない」のシアーシャ・ローナンですと。
 「つぐない」の頃はティーンエイジャーでしたけど、今作は成人後の出演で、少女から大人になる女性を演じているようです。

<アイルランドの小さな町エニスコーシーで姉と母と3人で暮らす少女エイリシュ。町の食料品店で働く彼女は、意地悪な女店主にこき使われながらも、どうすることもできない閉塞感に苛まれていく。そんな妹を心配した姉ローズの力添えを得て、エイリシュは一大決心の末に単身アメリカへと渡る。過酷な船旅を経て、ようやく新天地となる大都会ニューヨークへと降り立ったエイリシュ。ブルックリンの高級デパートで売り子として働き、同郷の女性たちと寮生活を送る。しかし、なかなか新生活に馴染めず、辛い日々が続く。そんな中、ダンスパーティで知り合ったイタリア系の好青年トニーと付き合うようになり、少しずつ自信を取り戻していくエイリシュだったが…>

 2009年に発表されたアイルランドの作家、コルム・トビーンの小説が原作。「17歳の肖像 (2009)」のニック・ホーンビィが脚色した。

 ヒロインがニューヨークとアイルランドのどちらに今後の人生設計の舞台をチョイスするのか?
 そこが、ドラマのキモなんでしょうなぁ。




 
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美しいロボットと人工知能

2016-06-12 | 予告編
 90年前の「メトロポリス」の女性型ロボットの最新モデルのような美しい人工知能搭載の人型ロボットが出てくる最新SF作。

 予告編ではスピルバーグの「A.I」を彷彿とさせるような局面もあるみたいだけど、<allcinema>でのジャンルは、<SF/サスペンス/ドラマ>。

<世界最大の検索エンジンを運営するブルーブック社でプログラマーとして働くケイレブは、社内試験の結果、社長のネイサンが隠遁生活を送る山荘に招かれ、1週間滞在できることに。しかし人里離れたその場所は、ネイサンが人工知能を開発するための研究施設だった。そしてケイレブに与えられた役目は、ネイサンが開発した人工知能の実用性と人間性についてのテストに協力することだった。そんなケイレブの前に、女性型の美しきロボット“エヴァ”が姿を現わす。精巧なエヴァに興味を抱き、戸惑いつつも彼女との会話を重ねていくケイレブだったが…>

 ストーリーと予告編を見る限りでは、社長の思惑というか最終目的が何かというのがキモみたいだけど、どうぞ二転三転するような面白い仕掛けがありますようにと、期待したいですなぁ。
 予告編では、意外と若い社長さんに謎めいた感じがしないのが気になるけれど・・・。

 去年のアカデミー賞で、視覚効果賞を受賞し、監督も兼任したアレックス・ガーランドが脚本賞にノミネートされたとの事。
 美しいロボット、エヴァ役のアリシア・ヴィカンダーが観てみたい。
 そして、同じくキョウコというロボット役らしい日英のハーフ、ソノヤ・ミズノにも興味湧いたなぁ。バレリーナ出身のモデル&女優さんらしいです。




 
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「海街diary」 雑感

2016-06-08 | つぶやきメモ
 「海街diary」は鎌倉が舞台だし、家族の話なので小津を思い起こさせるが、映像テクニック的には小津の手法は踏襲していない。
 会話する人物をローアングルの正面仰角で捉えたショットもないし、人のいない空ショットで時間を繋ぐところも殆どなかったように思う。少なくとも、モノ言わぬ物にも心があると感じるような空ショットはなかった。★一つの減点要因はそんな所にもあったかな。
 シーンの終わりはフェイド・アウトを使っていて、一旦スクリーンは黒くなった。フェイド・インは無い。
 昔は撮影後のフィルムに化学的な処理をしてフェイド・アウトさせたようだが、さてデジタルカメラで撮影しているだろう昨今の処理はどうやるんだろう?

 原作コミックについてウィキを読んでみると、登場人物はもっと多いし、人間関係も入り乱れているみたい。レンタル店で少し立ち読みしてみたが、単行本は小さいし、画にもあんまり惹かれなかったので読みたい気持ちは薄らいだ。

 最後に、是枝監督に『海街diary』についてインタビューした動画あったので転載。
 1962年生まれというから現在50代半ば。まだまだ面白い作品が生まれそうだ。





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ネタバレ備忘録 ~「海街diary」

2016-06-06 | ドラマ
 6月1日のツイートの後にも実は3回ほど観てるんですネ。あの空間が心地良いのと、美女姉妹が目の保養にも良いかなと。
 それじゃお勧め度も上がったのかというと、これはやっぱり★四つのまんま。満点五つ★とはいきませなんだ。コミックの原作者が吉田秋生(よしだ あきみ)という女性らしいですが、どこかキレイ事感が拭えないところがあるんですねぇ。ただ、主人公の幸とかすずとかのエピソードには納得しているし、何度見ても泣かされるので好きなんです。





 義理の妹を迎え入れた三姉妹が、本当の四姉妹になるまでの一年の物語。
 姉妹が出会う父親のお葬式があるのが夏の真っ盛りで、すずが転校してくるのが多分2学期でしょう。落ち葉の秋を過ぎて、炬燵の季節を越え、桜が満開の頃に新学年を迎える。すずが初めて参加した梅もぎりが終わって、梅雨の頃にお祖母ちゃんの七回忌法要が行われ、札幌から十数年ぶりに母親がやってくる。花火大会があり、「海猫食堂」の小母ちゃんのお葬式があったのが夏の初めの頃でしょうか。葬式の後に、鎌倉の浜辺を散歩しながら四姉妹は亡き父親を思い出し、心の底からそれぞれを愛おしいと感じるようになるんですね。

 鎌倉の家では、姉妹が仏壇に手を合わせるシーンがよく出てきました。
 姉妹の祖父・祖母共に元学校の先生で、仏壇の上の壁に飾られている写真を見たすずは幸が祖母に似ていると言いますが、千佳曰く幸は祖母似と言われるのが嫌らしい。母親と喧嘩した際に、何かとお祖母ちゃんに似ていると嫌味のように言われたのが原因なんでしょう。

 父親の葬儀に出た幸は父の三番目の奥さんが自分たちの母親に似ていると言いました。
 父親はどこか弱い人が好きだったみたい。
 『優しくてダメな人だったのよ。友達の保証人になって借金背負っちゃうし、女の人に同情してすぐにああなっちゃうし』
 すずの母親については語られなかったけど、やはり同じタイプだったのでしょうかネ。





 姉妹の家がある鎌倉の最寄り駅が江ノ電の「極楽寺駅」でした。
 木曜日夜のTV番組「プレバト」の俳句コーナーでも何度か出て来た下り坂の踏切の向こうに湘南の海が見える風景(鎌倉高校の近くらしス)や、江ノ電が参道を通っているショットが出てきて、鎌倉らしいなぁと、実は一度も行ったことがないのに感じた次第。小津が描いた昭和の鎌倉とは少し違ってましたね

 前田旺志郎君扮する風太は少年サッカー・チーム「オクトパス」のキャプテン。
 すずを自転車の後ろに乗せて桜のトンネルを走らせたシーンは、ジブリの「魔女宅」や「耳をすませば」を思い出しますね。
 終盤、自分が居ることで傷つく人がいると悩むすずに、自分は三人兄弟の末っ子で、本当は両親は女の子を望んでいて、だから自分の写真が他の兄弟に比べて少ないんだと、とんちんかんな慰め方をするのが可愛かった。それをサラリと受け流すすずも。

 そのずっと前のシーンで、外回りの係になった佳乃が課長の坂下になんで都市銀行を辞めたのかと聞いて、『自分の居場所はココじゃないって、突然気付いたことない?』と答える所があるけれど、流れからして、すずがひょっとしたら同じ事を言い出すんじゃないかと一瞬思っちゃいました。あれって、そういうとこ狙ってたのかな?





 映画の流れには、この家族の過去が段々と分かってくるという楽しみがあるんだけど、過去だけじゃなくて現在の事についてもサプライズ的な事もありました。
 一番のサプライズは幸に恋人がいたってことでしょうか。同じ病院の小児科の医師、堤真一扮する椎名和也。山形の葬式に行くように勧めて、車で送ってくれたのも彼でした。
 そして、彼には心の病を抱えた妻がいて別居中。つまり幸は傍から見れば不倫をしているわけです。
 祖母の法事の後、久しぶりに会った幸と母親(大竹しのぶ)との口論によって、自分の母親の不倫の負の影響を身近に感じたすずが、そんな幸の立場を知らずに『奥さんがいる人を好きになるって、お母さんいけないよね』というシーン。綾瀬はるかのリアクションにも見いってしまいましたネ。


 風吹ジュンの食堂は「海猫食堂」でしたが、リリー・フランキーのは「yamanekotei」。
 ヤマネコ亭でシラスを乗っけたトーストを食べた時に、すずは亡き父がよく作ってくれたのを思い出す。ラストシーンで、葬儀の後にリリーがすずに『お父さんの話が聞きたくなったら、こそっとおいで』と言うのが良いです。リリーが、鎌倉に居ながらずっと博多弁でしゃべっているのも良かばい。





 何度観ても泣いちゃうのが終盤の、幸とすずが山に登るシーンです。
 休みの日。幸とすずが二人して鎌倉の小高い山の上に登る。そこは幸が子供の頃に父親によく連れられた場所で、父親が出奔した後は一人で登ったと彼女は言いました。そしてそこは山形ですずが父親と一緒に登ったあの場所にそっくりだったのです。
 『お父さんが、なぜあそこに登っていたのか分かる気がします』

 『わーっ!』突然、幸が大きな声をあげる。
 『すずもやってみな。気持ちいいよ』
 『わーっ!』すずも思いっきり大声をあげる。こんなに大きな声を出すなんて今まであっただろうか?

 『お父さんの、バカーッ!』と幸。
 すると、すずが
 『お母さんのバカーッ!』
 思わずすずを見つめる幸。
 『もっと一緒にいたかった』と泣き出すすず。
 『お母さんの話、してもいいんだよ』とすずを抱きしめる幸。

 『すずは、ここにずっと居ていいんだよ』
 『ずっと、ここに居たい』・・・泣かせる




 
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海街diary

2016-06-03 | ドラマ
(2015/是枝裕和 脚本・監督・編集/綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず、樹木希林、リリー・フランキー、風吹ジュン、堤真一、大竹しのぶ、加瀬亮、鈴木亮平、池田貴史、坂口健太郎、前田旺志郎、キムラ緑子、小倉一郎/128分)


古い映画を二本観たので、今日はレンタルで「海街diary」を借りてくる。先日TV放映があったばかりだが、アレは意識して観なかったので今日が初見。
[ 5月29日 以下同じ](Twitter on 十瑠 から[一部修正アリ])

鎌倉が舞台だからどうしても小津を思い起こさせるな。とりたてて大きなドラマがないのも似ているし、それなのに何気ない映像が時間を忘れさせてくれる所も似てる。ただ、終わってみると何か一つ物足りない感じがあるのも確か。も少し、時の流れを感じさせてくれる空ショットが欲しかったような・・・。

原作はコミックだそうな。コミックって「のたり松太郎」以来読んでない気がするけど、「海街diary」なら読んでもいいかも。初のコミックレンタルしてみようかな。

昨日「海街diary」を再見する。始ってしばらくして、すずが登場する頃からウルウルとしてしまって・・。後でyoutubeを見てみると、広瀬すずにはシナリオを渡してなくて撮影現場で監督自らセリフ込みで演技指導をしていたそうな。今回は日本語字幕を流しながらの鑑賞でありました。
[ 6月 1日 ]

*

 鎌倉に住む香田家の三姉妹。長女の幸(さち)はベテランの看護師で、次女の佳乃(よしの)は銀行員、三女の千佳(ちか)はスポーツ店で働いていた。
 家は築数十年の木造二階建ての旧家で、両親は15年前に離婚、入り婿だった父親は出て行き、その後母親も再婚したが、娘たちは健在だった祖母と共に家に残ることになった。その祖母も亡くなり、今は姉妹だけで住んでいる。
 そんなある日、彼氏のアパートで一晩過ごした佳乃の携帯に幸から連絡が入った。それは15年前に別れたきりの姉妹の父親が亡くなったという知らせだった。
 両親の離婚は父親の不倫が原因で、父親は不倫相手と再婚して女の子をもうけたがその奥さんも亡くなり、葬儀は三人目の結婚相手と暮らしていた山形で行われるという事だった。
 幸は葬儀の日が夜勤明けの為に行けそうにないので、佳乃と千佳に参列するように頼んできたのだ。

 一両編成の田舎列車に揺られて着いた駅で佳乃と千佳を一人の少女が待っていた。『浅野すずです』とぺこりとお辞儀をしたその中学生が、つまり佳乃たちの腹違いの妹だった。

 式の途中で幸もやって来た。友人の車で送ってもらったらしい。
 幸が父親の三人目の奥さんに挨拶をしていると、喪主の挨拶について葬儀社から問い合わせがきた。挨拶はどなたがされますかと。頼りなげな未亡人もその叔父さんも消極的で、終いには“すず”がしっかりしているからと義理の娘に喪主の挨拶をさせようとした。
 それを一緒に聞いていた幸はきっぱりと言った。『それはいけません。これは大人の仕事です。なんなら私が・・』
 結局、未亡人が嫌々務めることになった。

 全てが終わり三姉妹が揃って帰っているとすずが追いかけて来た。
 少女が手に持っていたのは父親の持ち物の中にあったという幸たち姉妹の写真だった。幸はすずに『この町であなたの一番好きな場所を教えてくれない?』と言った。
 すずの案内した場所は、町が見下ろせる高台だった。佳乃と千佳は其処が鎌倉に似ていると思った。『ほら、あそこに海が見えれば・・』
 幸はすずにお礼を言った。『あなたがお父さんを看てくれてたのよね。ありがとう』

 すずは電車の駅まで見送りに来てくれた。
 別れ際に幸が言う。
 『すずちゃん。一緒に鎌倉で暮らさない?私たち皆働いているから、あなた一人くらい何とかなるわ。すぐに返事をくれなくていいから、考えてみて』

*

 腹違いで身寄りのなくなった妹すずを不憫に思った幸が実の妹のように受け入れようとしたのは、すずも又自分たちと同じく大人の(はっきり言えば幸達の父親の)犠牲になった子供だと感じたからでしょう。しかし、鎌倉の大叔母が言うようにすずは幸たちの家庭を壊した女性が産んだ子。言葉にはしないがすずにも自分の立場が分かっていて、鎌倉にやって来てもすぐには馴染めないところもある。
 ドラマの軸は、すずと幸たちが如何にして本当の意味での姉妹になっていくかという所なんですが、よくあるように殊更にその辺りに的を絞ったエピソード、或いは展開にしていないのが良いですね。姉妹や彼らの周りの人々との細やかなエピソードを積み重ねていく間に、すずと幸たちの距離も自然と縮まっていくのが感じられる。巧いです。
 前作「そして父になる」よりは納得しやすいテーマであったのも幸いしてか、かなり心地よい余韻に浸らしてもらいました。





 樹木希林は亡くなった祖母の妹の大叔母で、大竹しのぶは姉妹の母親で今は北海道に住んでいる。
 風吹ジュンは近所の食堂の女将さんで、リリー・フランキーもそこの常連客でもありまた彼も食堂を営んでいる。
 堤真一は幸の勤める病院の医者で、加瀬亮は佳乃が務めている銀行の先輩同僚。
 鈴木亮平は(幸の同僚でもあり)すずが入る地元のサッカーチームの監督で、池田貴史は千佳が勤めているスポーツ店の店長。
 坂口健太郎はオープニングに登場する佳乃の彼氏。
 前田旺志郎はすずの同級生で同じサッカーチームのフォワード。
 キムラ緑子は幸の上司の看護婦長。
 小倉一郎は佳乃の銀行の融資先の小さな町工場の社長さんでした。

 2015年のカンヌ国際映画祭でパルム・ドール候補となったこの作品。
 日本アカデミー賞では作品賞、監督賞、撮影賞(瀧本幹也)、照明賞(藤井稔恭)、新人俳優賞(広瀬)を受賞し、主演女優賞(綾瀬)、助演女優賞(長澤、夏帆)、脚本賞、音楽賞(菅野よう子)、美術賞(三ツ松けいこ)、録音賞(弦巻裕)編集賞にもノミネートされたそうです。





ネタバレ備忘録はコチラ

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・お薦め度【★★★★=友達にも薦めて】 テアトル十瑠
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