1940年 アメリカ 120分
オープニングは戦地コント。戦場に赴いた床屋のチャップリンが、手榴弾を自分の洋服の中に落としてしまって必死で探すシーンや、不発弾を調べるシーンにつかみはOK!ところ変わってヒトラーを模した総統の演説シーンでは何語を話してるのかわからないが、一気にまくし立てる一人二役のチャップリンの独裁者ぶりが際立つ。一転、地球の風船で遊ぶシーンや隣国の総統にいいようにやられてしまうシーンでは、実は独裁者もたいした人物ではないように描いている。
話は独裁者と床屋の二つのエピソードが交互に入り、その二つをつなぐ役割として、冒頭の戦地で飛行機で床屋がたまたま助けた将校が登場する。ユダヤ人の床屋は突撃隊の兵隊らにやりたい放題にいたぶられる。兵隊に立ち向かうのは床屋の隣に住む娘ハンナ(モダン・タイムスのポーレット・ゴダード)くらいで、窓からフライパンで応戦する。ある日床屋は兵隊に連行されそうになるが、通りかかった将校に命の恩人と助けられる。一時期町は平穏になるのだが、将校が逮捕されるというニュースが入り、床屋らは将校を匿うことに・・・。
笑えたのは総統と討死にする男を選ぶのに、コインが入っているケーキを食べた男が当たり、というシーン。何気に重さを比べてケーキを分配したり、結局みんなの分にコインが入っていたようでそれぞれが隣のケーキにこっそりコインを忍ばせたり、コインを飲み込んで知らない振りをするチャップリンがチャリチャリ言わせるところ。屋根に将校を隠そうとして荷物で顔が隠れてしまい、板の上を渡っていくところや、ブラームス ハンガリー舞曲 第5番に合わせての髭剃りなどもも可笑しかった。毒のある映画を笑いでうまく包み込んでいる。
さて、この映画が作られたのはヒトラーもちろん存命中。こんな映画を作っちゃって大丈夫?とついつい心配してしまうほどの出来栄えだ。ラストで独裁者にすり替わった床屋が感動の演説で平和を唱えるが、その甲斐なくして?翌年には第二次世界大戦が始まってしまう。また当時のユダヤ人迫害もそのまま描いていて、ユダヤ人を憎むことは我々の義務であるとまで言わせる。かなり風刺のきいた作品で、当時の影響力も凄かったんじゃないかと想像する。チャップリン初のトーキー映画。
オープニングは戦地コント。戦場に赴いた床屋のチャップリンが、手榴弾を自分の洋服の中に落としてしまって必死で探すシーンや、不発弾を調べるシーンにつかみはOK!ところ変わってヒトラーを模した総統の演説シーンでは何語を話してるのかわからないが、一気にまくし立てる一人二役のチャップリンの独裁者ぶりが際立つ。一転、地球の風船で遊ぶシーンや隣国の総統にいいようにやられてしまうシーンでは、実は独裁者もたいした人物ではないように描いている。
話は独裁者と床屋の二つのエピソードが交互に入り、その二つをつなぐ役割として、冒頭の戦地で飛行機で床屋がたまたま助けた将校が登場する。ユダヤ人の床屋は突撃隊の兵隊らにやりたい放題にいたぶられる。兵隊に立ち向かうのは床屋の隣に住む娘ハンナ(モダン・タイムスのポーレット・ゴダード)くらいで、窓からフライパンで応戦する。ある日床屋は兵隊に連行されそうになるが、通りかかった将校に命の恩人と助けられる。一時期町は平穏になるのだが、将校が逮捕されるというニュースが入り、床屋らは将校を匿うことに・・・。
笑えたのは総統と討死にする男を選ぶのに、コインが入っているケーキを食べた男が当たり、というシーン。何気に重さを比べてケーキを分配したり、結局みんなの分にコインが入っていたようでそれぞれが隣のケーキにこっそりコインを忍ばせたり、コインを飲み込んで知らない振りをするチャップリンがチャリチャリ言わせるところ。屋根に将校を隠そうとして荷物で顔が隠れてしまい、板の上を渡っていくところや、ブラームス ハンガリー舞曲 第5番に合わせての髭剃りなどもも可笑しかった。毒のある映画を笑いでうまく包み込んでいる。
さて、この映画が作られたのはヒトラーもちろん存命中。こんな映画を作っちゃって大丈夫?とついつい心配してしまうほどの出来栄えだ。ラストで独裁者にすり替わった床屋が感動の演説で平和を唱えるが、その甲斐なくして?翌年には第二次世界大戦が始まってしまう。また当時のユダヤ人迫害もそのまま描いていて、ユダヤ人を憎むことは我々の義務であるとまで言わせる。かなり風刺のきいた作品で、当時の影響力も凄かったんじゃないかと想像する。チャップリン初のトーキー映画。